宝塚歌劇花組 「虞美人」 を見ました

少し前の話になりますが、宝塚歌劇団 花組公演の 「虞美人」を見に行きました。

これは かの巨匠 白井鐡造さん作の戦後すぐの大ヒット作「虞美人」を基にしつつ
現代風に木村信司さんが アレンジというか ほぼ改作した作品です。

内容は 古代中国 秦が倒れた後 エリート軍人の息子で 冷徹だがまっすぐすぎる男 項羽と
地方官僚の出で、いい加減だが なぜか魅力的な男 劉邦が、一度は認め合い
義兄弟の契りを交わしますが、 やがて最後の決戦に臨む・・・という故事に基づいています。

普通は演劇でも 今はどういう時代で、誰と誰がどう戦っている・・・。

みたいな事をある程度分かりやすく説明するのですが、
かなりいきなり ストーリーに入って行きます。

すこし人物関係が分からず戸惑いながら 見ていると、
そのうち 宝塚ですから スターと娘役スター  二番手と二番手娘役 などなど
どう転んでも この人とこの人がライバルだろう・・・という図式が浮かび上がって来ました。

さらに 誰が誰に恨みを持っていて、誰が誰を好きか・・・?
という非常にミニマムな人間関係を きちんと描いていたので、時代背景とか
地理的な雰囲気が分からなくても 1時間ぐらい過ぎた辺りから 加速度的に
物語に入ることが出来ました。

宝塚の演劇で 説明的な台詞がない・・・というのは
多分 小池さんたちの影響もあるんでしょう。 

その前の代の巨匠 柴田先生たちは やはり菊田一夫門下ですから
もう少し はじめから分かりやすい作りになっていましたが、
「とにかくキャラを作りこめば感動できるんだ!」という信念を感じましたし、
それは 3時間の長尺ドラマにおいてみると 非常に効果を発揮していました。

私はいままで 木村さんの作品は 数本しか見た事がないのですが、
今回は非常に楽しめました。

今の花組さんには 私は意外とご縁があって、2番手の壮一歩さんは、
私の実家 「のんのんバレエ教室」の出身です。

さらに数人 花組にお友達がいる関係でよく見ていますが 今回は特に良かったと思います。

ただ、今回の「虞美人」 来月の「スカーレット・ピンパネール」 その後の「エリザベート」など
宝塚は 小池修一郎 大作路線に
はっきりと舵を取ったのですね・・。

要はレビューが非常に少なくなってきました。
別に私が岡田敬二の息子だからというわけではありませんが、
レビューが宝塚の肝であることは間違いないと思うのですが・・・。

今回の「虞美人」のお尻にちょこんとくっついている ショーは
「う~~ん?どうかなぁ?」という出来でした。

やっぱり レビューはレビューとしてしっかりやったほうがいいと思うのですが・・。

岡田・草野・小原・三木・石田といった ベテランもそうですが
斎藤さんなどの若手がガツンと頑張って欲しいです。

また違いますからね レビューの作り方と ミュージカルの作り方は・・。

どう違うかは・・・「ロマンチック・レビュー」岡田敬二著 阪急コミュニケーションズ刊 を
ご一読下さい・・(笑)
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Commented by at 2010-06-15 03:15 x
いつも楽しく拝見させていただいております。

「レビューが宝塚の肝」・・・本当に仰るとおりだと思います。
実は、私もお父上のようなレビュー作家になりたくて
日々勉強中の身なのですが、一本物が多い昨今、実際の舞台を観て修練…ということがままならなくなっています。
過去の映像やパンフレットを観ているだけでは限界があるので、もっとレビューを上演してほしい!と切に願っております。。
「TAKARAZUKA REVUE COMPANY」という名称が変わるなんていう日が来ませんように!
その一翼を担える日まで、わたしも頑張り続けます。
お目汚し、大変失礼いたしました。

by AWAchampion | 2010-06-12 10:16 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(1)