「十三人の刺客」を見ました

今日、「十三人の刺客」を見ました。

三池監督がベネチアで賞を取るのでは?と言われた作品で、
もともとは東映で工藤栄一監督がお撮りになった集団活劇の傑作のリメイクです。

ここからの感想は
例によってネタばれしますから、
見ていない人はにげてぇぇぇぇ!!






というわけで、
出だしは、内野聖陽演ずる侍が、明石藩上屋敷の前で上奏書を前に切腹をするシーンから始まります。
撮影や照明が意外なほど オーソドックスに進み、
とくに江戸時代の室内照明を忠実に再現している 照明の渡辺嘉さんのいい仕事が光ります。

話は結構淡々と進むのですが、途中で
いきなりSMAP稲垣吾郎の悪行振りがメチャクチャなレベルで
語られます。とくに手・足・舌を切られて 性の慰み者になった女性のシーンは
ちょっと どうかしてます。

その世にも悲惨な女性の姿を見て、役所広司は稲垣吾郎を討つことを決心します。

その後、結構淡々と12人の刺客が集められ、
なんやかんやあって、
要するに 後半 ある田舎の宿場町を丸ごと 要塞に変え、
200人以上の敵に対して 13人で迎え撃つところが 最大の見せ場なんです。

端的に言って 僕はランボーとかコマンドーみたいな感じでゲラゲラ笑いながら見ていました。

もともと三池監督は 多分セルジオ・レオーネが好きなんでしょうね。
「ジャンゴ」を撮るぐらいですから。

で、そこに、ちょっと ホドロフスキーの「エル・ポト」みたいな 
小さい子どもが 素っ裸で小便をしたり、虫をむしゃむしゃ食ったり
サンカの女が沢で経血を洗う・・みたいな残酷エログロ表現が入り、
さらに 血のオペラと言われたペキンパーの「ワイルドバンチ」みたいな 大量殺戮のシーンも
入ります。

なんだか、要はかなりバッドテイストな作品なんですけど
「中世の暴力」を題材にした映画としては、それはそれで一つの正しい道だと思います。

ペキンパーの映画も 見ていると「うへぇ~、こんなに殺しちゃってるぜ!」
「うわ!電車をひっくり返しちゃって、中の馬 本当に死んだだろ?」みたいな気持ちになる
事がありますよね?

あれあれ、あれですよ。

単純にそういう暴力をエンターテインメントとしてみるべき映画で、
現場で映画屋さんたちが
「俺達は ゲイジュツ撮ってんじゃねえ!!」って叫んでそうな雰囲気が良く伝わってきます。

だから、ポップコーン食いながら 笑い飛ばして見て欲しい映画なんだと思いました。

そういう感想を持つ一番の原因は、13人の刺客側の一人ひとりにそれほど思い入れが
持てない点です。
役所広司が、殿を打つ動機は良く分かります。
山田孝之もまあ分かります。
伊原剛志も、古田新太も分かるのですが、他の9人の動機が良く分かりません。
というか、殆ど語られないので、駒として見てしまって、
一人ひとり死ぬところがちゃんと語られるんですけど、
まあ駒が一つ減った的な事に見えちゃうんですよね。

敵も市村正親が、はじめに殿の殺戮をとめに言ったのに、それでも殿を守る
その辺りのところの描写がちと分かりにくかったです。
稲垣吾郎は、がんばっていますけど、もっともっと
カラッと明るい馬鹿で悪くても良かったのではないでしょうかね?

要するにそういう人物描写はちょっと分かりにくい印象がありました。
そもそも、平幹二郎・内野聖陽あたりの役職と言うか、彼らの人間関係が
よ~~く聞かないと分からないのは良くないと思いました。
一発で、平幹二郎と、市村正親と役所広司と内野聖陽の上下関係って分かりました?

脚本の天願さんなのか、監督なのかは分かりませんが
どちらかが「人間関係?そんなもん 味方が13人、敵が200人って分かればええネン!」と
思っている節があるような気がしました。

しかし、美術・技術は非常に良くがんばっています。
先にも述べましたが照明と撮影は特に素晴らしいです。
討つまでは、非常に端正な画で構成し、
殺戮シーンは徹底的な手持ちカメラというのも
それは良く分かりました。
暴力は綺麗ごとじゃない!という思いがカメラの表現でも出ているのは
さすが三池監督と思いましたよ。

最後に・・・
伊勢谷君は いくらなんでも、稲垣吾郎に短剣をのど笛に刺されたんだったら
死んだんじゃないんでしょうか?
あそこは ????でした。

というか 終わりはもっと手前でも良くないですか?
役所広司が死んで
それこそ、宿場の人々が戻ってきて 「ウエヘヘヘヘヘ!」と金目のものでも集めているところを
歩いている山田孝之・・でよかったと思いましたが・・。
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by AWAchampion | 2010-10-19 20:54 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)