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世にも不思議な歌謡曲 「女と男のララバイゲーム」

AKB48が新曲「Beginner」を100万枚売ったとのことですが、
老舗のモーニング娘。はどうなのかしら?と思っていたら、
新曲のPVが you tubeの「おすすめ」に表示されていたので
クリックしてみました・・・。

そしたら・・・いやぁ・・・・驚いた!

まあ見てください

モーニング娘。「女と男のララバイゲーム」




これ・・・・ロシア民謡のテイストですよね?

もっと詳しく言うと ポルカではないでしょうかね?
ポルカはチェコ発祥の舞踊リズムで
「王様と私」の「Shall we dance?」などが有名ですが、
これは、ホント、ガチのロシア風味の歌謡曲に仕上げてあります。

これに近いのは
カチューチャ  ロシア民謡



とか 
さらにポルカ歌謡の金字塔 「老人と子供のポルカ」




いやぁ・・・・すごいなぁ・・・つんくさんは。

この、近年一番モーニング娘。の動向が集まるであろう この時期に
「ポルカ歌謡」をぶつけてきましたよ!

でもね、意外と分からないでもないです。
というのは ロシア民謡は戦後、学生や労働者を中心に歌声喫茶で
歌われていたキラーチューンです。

つまり日本人の心に染みる いい マイナーコードの旋律をもっているんですよ。
だが、この時期にあえて・・・・というところが凄い。

つまりこの曲を生み出すには はっきりと
「今度はロシア民謡テイストで!」と思わないと出来ない曲なんです。
普通に作ってたら、出来ちゃいました・・・という曲ではありません。
そこがすごいです。

ただ・・・・
ここまで 曲に個性があるのに、どうしてPVは無個性なのでしょう?
別にコサックダンスをやれ・・・という事を言うつもりはありませんが、
例えば、衣装にもう少し スラブっぽいイメージをつけるとか
PVのアートワークスを、少し 1920年代の ソビエト アバンギャルド風にするとか
ちょっと工夫するだけで、全然違うと思うんです。

曲もティンパニーから入って、相当弦やらなにやらも入ってるじゃないですか?
例えばですよ、ロシアっぽいオーケストラが 演奏している会場で、
ボリショイサーカスっぽい モーニング娘。が踊っている・・・なんて
ことだっていいわけですよ。
それはとにかく 変なイメージですから 絶対世間に刺さりますし、
海外のファンも喜ぶでしょう。

もっと言ってしまえば・・・・。
ロシア民謡は、労働歌でもあり、また抵抗歌でもあります。
この時期にこういうタッチの曲を作ったつんくさんの頭の中にも
「冬」→「さむい」→「ロシア」→「ソビエト」 という思いも当然あったでしょうし、

『巨大帝国AKBに対して、今、ハロプロ人民軍は決起した!』という
事を思わせるような、PVだっていいわけです。
それこそ「戦艦ポチョムキン」みたいなPVで、
チェックの制服を着た政府軍を倒す 少女人民軍が、
ハロープロジェクトの旗を高らかに振る。みたいなPVだったら、すご~~~く話題になると思います。

タイトルも 「女と男のララバイゲーム」だと、どうしても
「男と女のラブゲーム」っぽい 年末向け演歌なのかしら?と思うじゃないですか?

これが、例えばですよ・・「愛のスパシーバ!」ってタイトルなら 
いいかどうかは別として、心に引っかかると思うんですよ。
アートワークスやら、全体のプロデュースにどこまでつんくさんが関わっているのか
分かりませんが、
これはいくらなんでも惜しい!

この冒険が、たんなる 「なんか古臭い曲だね」で終わってしまうのは
ディレクションの失敗ですよ。
がんばって!!
by AWAchampion | 2010-11-16 17:43 | 歌謡曲考察 | Comments(0)