『ル・ポワゾン~愛の媚薬』を見ました

2月20日 日曜日に 名古屋は中日劇場で行われた宝塚歌劇団の公演を見てきました。

お目当ては、1990年に初演されて、父 岡田敬二の代表作として知られる
「ル・ポワゾン~愛の媚薬」の21年ぶりの再演です。

ちょうど前日が父の70歳の誕生日と言うこともあり、非常に良い一日でした。

正直言って長男が、父の代表作について論評するのは非常に難しい事です。
ただ、逆に色々な思い出を交えて書ければと思っています。

もともと 父が「ジュテーム」からはじめた事になっている ロマンチック・レビューシリーズですが
実際には第3作の「ラ・ノスタルジー」の成功により、この路線を意識したというところがあります。

この「ラ・ノスタルジー」は、それまでの岡田敬二の特徴であった、パステルカラーで1950年代の
アメリカを強く意識したショーから、はっきりと 今のロマンチックレビューの特色である
抑えた色合いの色調に統一し、バレエや過去の伝説から題材をとるようなシーンを多く
取り入れる構成を取り入れ、当時非常に話題になりました。

この路線は もともと「魅惑」あたりから萌芽し「ジュテーム」で手ごたえを感じて、
(父が今でもベストシーンに上げる 故大浦みずきさんのバレエシーンはこの「ジュテーム」です)
「ラ・ノスタルジー」で結実したといえます。

そのときのスター剣幸は父と相性が良かったらしく、その組で更に ロマンチックレビュー路線を深めて
行った作品が、この「ル・ポワゾン」なのです。

当時 シャネルから「ポワゾン(毒薬)」と言う名の 相当癖の強い香水が発売開始されたところで
ちょっと話題になっていた時期でもありました。
タイトルはそこからきているのでは?と思われます。

何しろ「毒」ですから、美術大橋氏、衣装任田氏、照明勝柴氏とは「大人の香りのするレビューを」
という話し合いがあったのでしょう。
レビューの伝統にのっとった クラウンの手引きにより、物語は始まります。

黒燕尾の裏地に紫を使い、それでいて 良く見るとフリルがついた、フェミニンではあるけれど
大人の印象の男達の踊りのなか、香水に入ったスターが現われる・・・というOPです。
全場アーチは 紫のイメージからか、ぶどうを模したもの。
シーン全体は 黒と紫に統一された孔雀柄という 非常にコンセプトが統一されています。

第二章も夜のシーン
しかし 白鳥や王子のモチーフで衣装はが基調です。

第三章はナイトクラブのシーン
禁断の実 りんごをたべた ナイトクラブの男と女が
エピキュリアンのごとく 悦楽の踊りを踊ります。
悪徳が栄えるナイトクラブは やはり黒が基調の 夜の世界です。

オリジナルではこの後、仲間を失った空軍パイロットが酒場で飲んだくれるという
シーンにはいるのですが、これも夜のシーン。

と言う風に、明らかに夜をイメージしたレビューなのです。
これは結構 「清く正しく美しく」の宝塚にあっては、当時は相当チャレンジ企画だったそうです。
(今はそうでもありませんが)

で、中詰めで 一転して白ホリに、白とピンクの紗がかかった 淡い色彩のセットに変わり
そのなかを 水色の衣装を着たダンサーが踊ります。

これこそ、まさに全体を狙った構成でしょう。
ここで 一気に朝が来たような開放感を味わいます。
その後は エンディングまでまっしぐら。
非常に色彩や 構成にメリハリを考えられた内容となっています。

コンセプトや構成が分かりやすいと 各部署では仕事がしやすいものです。
その狙いがズバリとはまった作品といえましょう。

特に今回見て感心したのはオープニングの構成です。
どうしても香水のセットのために、舞台中央付近にある大セリを使う関係上
レビューのオープニングに不可欠な奥行きのある演出が出来ないという
問題がありました。

そこで、今回 メインテーマのアレンジを、非常にメリハリの利いた構成にしました。
中ほど スターが歌う箇所のアレンジが いきなりアルゼンチンタンゴ調になったり
ブレイクを設けたりと、一つのストーリーのように構成されていました。
それにあわせて、照明も青いサスを入れたりして、
とにかく 相当しっかりした構成のもとに 会議が行われた様子が見て取れました。

もちろん他のレビューにおいても基本ともいえる事ではあるのですが、
意思を徹底させるという事が非常に上手く行っている作品だと思いました。

今回 音楽著作権の関係でクイーンの「We are the champion」が使えず
前述の パイロットのシーンがなくなっています。
代わりに 「ナルシス・ノワール」で日向薫と紫苑ゆう という90年代を代表する
二人のスターが演じた 闘牛士の光と影のシーンが入っていますが、
私は正直、こっちの方が良かったと思います。

同じく音楽著作権の問題などがあったので
思い切って今回は 「ナルシスノワール」「ジュテーム」などのテーマソングを幕間に使用して
【ロマンチック・レビュー 傑作選】に仕立て上げています。
こういうことをすると、「また岡田さんは リバイバルで手を抜いた」的な事を言う人も
いますが、私はこれでいいんだと思います。
それに長男としては 泣きそうになりましたね。
それらの作品をリアルに見ていたとき 父は50代 私は20代になるかならないかの頃でした
色々思い出しますよ。そりゃ。

「ナルシス・ノワール」も 非常に評判の良い作品でしたから
今回はお得だったのでは?と思いました。

見終わった後、私の後列に座っていたご夫人が
「はぁ・・・楽しかった!」と吐き出すようにおっしゃっていたのが、とても印象的で
ちょっと父親を誇らしく思いましたよ。本人には言えませんが・・・。


全然関係ないですが 正塚先生の作品がコメディタッチだったころもあり
星組スターの 柚希礼音さんは、ちょっと往年の名スター 瀬戸内美八さんに似てるなぁ・・。
と思ってみていました。
瀬戸内さんは、80年代を代表する コメディに強いスターでしたからね。
「ミル星人パピーの冒険」という 非常に記憶に残る作品を演じています。


CM

というわけで、ここまでお付き合いいただいた皆様。
せっかくですから あと8分ほどお付き合いください。
私自身は子ども番組の演出家なんですが、権利の関係で
エルモやキティちゃん、トーマスはお見せすることが出来ません。
ですので、私自身のキャラクターの作品をご覧下さい。

キッズバラエティ 【ルルララ・ノンノン♪】シリーズ02の第一話です。
you tubeでRino Kids TVと引いていただければ 色々出てきますよ。



さらに、まだお暇なら こちらも見てってくださいよ!


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Commented at 2011-02-25 17:29 x
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by AWAchampion | 2011-02-24 10:41 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(1)