団鬼六氏 死す

昨日、官能小説の巨匠 団鬼六氏が亡くなられたそうです。

今、世の中で「どM」「わたしはSだ」みたいな言葉は
小学生でも使う言葉になってしまいましたが、
そもそも サディズム マゾヒシズムなどという言葉は 特殊性癖をさす言葉です。

そして「女王様」といって、鞭を持ったボンテージ衣装の女性と
ブリーフ姿で縛られた男の人を思い浮かべるのも
とても一般的なイメージになってしまいました。

それもこれも 全てこの 団鬼六氏の「花と蛇」シリーズのせいなのです。

さらに言うと その「花と蛇」シリーズがにっかつロマンポルノで 谷ナオミ主演で
超人気シリーズとなり、1970年代には町のいたるところに
縄で縛られた 谷ナオミの写真の横に 「団鬼六 SMの巨匠」と必ず書いてありました。

ですから、当時小学生だった私は、クラスで「あれは『だんきろく』なのか?『だんおにろく』なのか?」と
よく話し合ったものです。

つまりそれほど、インパクトの強いビジュアルと、彼のペンネームだったせいで、
本来 日陰の存在だった特殊性癖が 日本ではものすごくポピュラーになってしまいました。


告白しますが、私は彼の官能小説を一つも読んだ事がありません。
この仕事をしていますから 数本日活ロマンポルノの 「花と蛇」シリーズは見たことがありますが
特にピンと来る事もありません。
私は残念ながら そういう性癖はないようです。

ただ、彼が1990年代初頭に出した 「真剣師 小池重明」という小説は
素晴らしい名作です。

この作品は、スラム街で育った町のごろつきだった 小池重明という実在の人物が
その類まれなる勝負師の勘で、将棋の真剣師(賭け将棋の棋士)となり
町の将棋場から、どんどんのし上がり、最後にはプロにも勝ち、
プロ棋士への誘いも来るのですが、本人の自堕落さゆえ、再転落してしまう・・・・。という小説でした。

これは 本当に胸が熱くなる小説で、私は何度かテレビ企画にしたいと思っていたのですが
なかなか上手くいきませんでした。

悪の道に咲く 牡丹の花を描かせたら、彼の右に出る人はいませんでした。
蓮は泥の中に咲くのです。
その事を教えてくださった、団鬼六先生の ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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by AWAchampion | 2011-05-08 00:30 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)