人気ブログランキング | 話題のタグを見る

アイドル親衛隊という文化

アイドル系の話をすると、このブログのPVが飛躍的に伸びます。
それに味を占めて、今回は1980年代の、私が現役でアイドルファンだったころの
文化の話をします。

今のアイドル歌手のフォーマットは 基本的には1970年の天地真理あたりから
確立され、キャンディーズでほぼ今の形になったと言われています。
全国的なファンクラブが結成され、ファンクラブの会員になるとイベントがある・・・的な。

それに歌の途中に合いの手=コールを入れるようになったのも
キャンディーズのファンがほぼ最初です。
彼女たちの解散コンサートのVTRを見ると、すでにBメロで
パン・パ・パン オ~! と揃いの掛け声と手拍子をしている、今でいうPPPHが確認できます。

キャンディーズには「全キャン連」というファン組織があり、全国展開をしていましたが
その後アイドル文化には 「親衛隊」と呼ばれる 事務所公認のファン自治組織が
結成されることとなります。

これは諸説ありますが、少なくとも 石野真子・榊原郁恵・大場久美子あたりの1978年ごろには
「親衛隊」という名前で存在しました。
セサミストリートで一緒にディレクターをやっていた、NHK教育「おどろんぱ」の演出で
知られる小林敬直さんは大場久美子の親衛隊の様子を面白おかしく語ってくれたことがあります。

この親衛隊は ファンの有志が作るものなのです。
で、それはファンクラブとはまた違うんです。
今から考えても非常に独特の文化を持っていたので ここに私が記憶する範囲で
資料を見ずに見たものだけを書きたいと思います。

1986年 私は河合その子の大ファンでした。
そこで見た光景ですが、親衛隊はコンサートの3時間ぐらい前から、ホール前で
そろいの特攻服を着てコールの練習をしています。
親衛隊入隊希望者は、そこで団長に直談判をし、入れてもらうことになります。

彼らには鬼軍曹的な人「支部長」がいて、真っ赤な統制棒(交通整理の赤灯)
を持ってコールを指揮します。

彼らはコンサート会場のもっとも後ろの席に陣取り、
ファンのコールを指揮します。
彼らの掛け声を真似して、他のファンはコールをするのです。

また、ヤジを飛ばすようなファンは親衛隊に怒られます。
私も怒られたことがあります。

親衛隊は、その地方で行われる、そのアイドルのイベントには強制的に
参加します。
さらに、そのアイドルにとって大きなイベントの場合は、別のアイドルの
親衛隊が応援に駆け付けるのです。

そこで、応援に駆け付けた支部長は
「オス!我々水谷真理隊 関西総本部宝塚支部 合計8名 応援に駆けつけました!」
迎え入れる支部長は
「オス!水谷真理隊の皆様!今日は早見優コンサートに駆け付けてくださりありがとうございます!
今日はよろしくお願いいたします!」

・・・・と、やくざ映画よろしく仁義を切るんです。

これ、当時実際に高校の友達にやってもらいましたから本当です。

で・・・駆け付けた別のアイドル親衛隊の隊員は 歌とかコールを知りませんから
ホールの前で3時間ぐらい前からみんなで練習するということになるのです

なんか応援団文化とヤンキー文化がいっしょになったような
不思議な文化でした。

当時【小泉今日子の親衛隊が最強】みたいな・・・何がどう【強い】のか
分かりませんが そんなことを言われていた記憶があります

今、AKB48の親衛隊です・・・ってあまりメディアでも取り上げられませんが
多分ないんでしょう。
物凄く昭和のにおいのする文化でしたからね。

それにナンパな私立高校出身の私は、とてもとてもおっかなくて
親衛隊には入れませんでした。
だからこそ懐かしく思い返されます。

by AWAchampion | 2013-02-26 12:12 | 懐かしいもの | Comments(0)