2016年 12月 08日
『君の名は』について
私は公開2週目ぐらいに見ました
当時 劇場は満杯で 殆どが中学生か高校生のカップル
2割ぐらいそのほかの世代という雰囲気でした
内容については もう大ヒットした映画ですから書きません
私の感想だけを書きます
第一印象はとても美しい映画ですね
実写にとても寄せているのですが 彗星の破片が降るという
表現や この世の終わり感は アニメーションならではの
とても美しい表現だったと思います
また川村元気さんがよくおっしゃっている
「美しい東京」が とても印象的でした
瀧が生きているエリアは私も頻繁に通うエリアですが
あんなに美しい風景を見たことがありません
思春期に見ると一生を決定づけるような映画というのがあります
この映画はそういう映画でしょう
多分18歳ぐらいの人が見ると 何度も何度も見てしまう映画なんじゃ無いか?
と思います
それが私にはよく分かるのです
というのは 昭和46年生まれの私にとって
そういう映画は 尾道にありました
特に1981年の「転校生」は 男女の入れ替わりモノと言うこともあり
この映画と比較されることも多いのでは?と思います
で、この映画をみて 私が思ったのは
「君の名は」は、アニメであることで、思春期の男女の肉体を意図的に
スルーしているのでは?ということです
確かに三葉が瀧と入れ替わって 自分の胸を揉んだり
股間を見たりというシーンは出てくるのですが
結構あっさりその辺が乗り越えられてしまう感じがします
でも本当は 思春期の男女の入れ替わりモノの最も大きなポイントは
「お互いが知らなかったお互いを知る」という所にあります
それは 「君の名は」では田舎と都会という差にさらりと変えられて
いますが、本来 もっともっと汗臭いのでは?と言う気がしてしまうんです
「転校生」で当時13歳だった 小林聡美は なんとパンツ一丁になって
(本当にパンツ一丁ですよ。)大熱演しています
それを見ていると、どうしても「君の名は」を見ると悪い意味で「少年少女向けのアニメだなぁ」
と思ってしまいました。
あと、曲がとても印象的ではあるのですが・・・・
アニメ映画である故にというか 日本語で歌われた歌詞があり、それが
全て新海監督と濃密にコミュニケーションを取って作られたモノであるが故に
合いすぎていると思いました
つまり 野田さんの歌声がナレーションっぽく聞こえるのです
で、瀧君と三葉の物語の中に 明らかに彼らより年上の男性の声で
ナレーションというか心情を先に引っ張るような 歌詞が聞こえるので
どうしても 作者の意図を強く感じてしまって
しかもある意味ちょっとネタバレっぽくもあり
相当気になりました
ここまで ボーカル曲が多くなくても良かったのでは?と
私は思いました
もちろん「それが良いんじゃん」って人も、特に若い人の中には
多いのかも知れません。
確かにたとえば映画「卒業」なんかも
ミセスロビンソンと不倫したところで「Mrs Robinson」がかかったりするので
ところどころは同じなんですけど
全体的にもう少し 歌詞と映画の流れは離れていて、別にスカボロー祭りに
行くわけではありません
歌詞付きの歌を乗せるなら もっと抽象的な内容にした方が良かったのに・・・という
感じがとてもしました
あと、頭でアバンタイトルっぽく 「前前前世」に乗せて
その後の内容が短く 編集されているところがあります
あれは とてもテレビ的だなぁ・・・と思いました
あれ、確かにあるとわかりやすいデスけど
ネタバレっちゃぁ ネタバレですよね?
不思議な構図だなぁ・・・とは思いました
とにかく 全体的に
私にとっては映像の語り方が
親切すぎる感じが少ししました。
話が入り組んでいるので
親切な語り口にしたのかも知れませんね
それがヒットの大きな原因だと思いますが
もう少し「想像」の部分を残してくれていたほうが
私としては好みかも知れません。
by AWAchampion
| 2016-12-08 22:23
| 映画・演劇など
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