宝塚歌劇「忘れ雪」を見ました。

宝塚歌劇団は常時30人以上の座付き作家がいて、
毎月オリジナル作品を出し続けて95年になる
ものすごく特異な商業劇団です。

若い演出家の方もたくさんいて、
4年ほど前に舞台稽古を拝見したときにお会いした稲葉さんは
既にデビューされていますし、最近児玉さんという若い演出家の
方とお知り合いになりました。

そこで彼女が作・演出をした「忘れ雪」という作品を
日本青年館に見に行きました。

原作が新堂冬樹氏で、舞台はなんと、現代の東京・世田谷。
幼くして両親と死別し、親戚の家を転々としている
小学生の女の子が、ある日子犬を拾います。
その子犬は怪我をしていて、途方にくれた彼女の前に
獣医の家の長男坊の高校生が現れ、何かと世話を焼いてくれます。
女の子は初恋をして、一方的に「7年後、あなたが獣医になったら
私をこの場所に迎えに来てプロポーズをして!」と言い、
彼女は京都の親戚にもらわれていきます。

それから7年後、獣医となった長男坊はモテモテ男になっているのですが、本人は動物にしか興味のない、唐変朴。
あのときの女の子が素敵なレディーになって、彼の病院を訪ねてくるのですが、全然気がつきません・・・・。

そこに、親友・長男坊を慕う看護婦・女の子の婚約者などが入り乱れて
話は韓国ドラマのような展開を見せ、
最後に、女の子は両目を失明し、主人公はヤクザにリンチにあい、女の子の胸の中で絶命します。




という、お話でした。
う~ん・・・・。時代は変わったんでしょうか?
確かに毎回、ロシアの皇太子とプロシアの皇女の悲恋物語ばかりでは
ネタが尽きるのかもしれませんが、どうなんでしょう?

昔は宝塚の物語の美学としては、
「悪役も、悪役なりの正義のために戦っていて、それ同士の利害が
ぶつかり合う」というところがあったと思うのです。
ところが、多分原作がそうなっているのだと思うのですが、
動物を虐待する看護師やら、金のために結婚を迫る男なんかが
バンバン出てきて、相当世知辛い話になっていました。

それでいて、一応主人公は性的に純真で、
女の子の登場人物もみんな一途に恋をするような性格だったり
するという「スミレコード」は生きているので、
なんだか、ちょっと題材に乗り切れないところは、正直ありました。

う~ん・・・。
私は不思議なんですが、今の宝塚の30代以下の若い作家さんは
何かと言うと、主人公を殺したがるし、バッドエンドにしたがる
傾向があるのでは?と思います。

宝塚歌劇って、やっぱり「キャンディーコートされた物語」で
良いのでは?と思うのですが・・・。
愛の力が全てを超えて良い世界観なのになぁ・・・。と
ちょっともったいなく思います。

同じような世界観を持った、ディズニーは
「愛すれば、夢はかなう」という物語を突き詰めまくっていて、
ジャンコクトーの、一見猟奇的にも見える作品
「美女と野獣」をあんな大エンターテインメントに仕上げたり
しています。
是非、若い宝塚の作家さんも、
夢を紡ぐ仕事だという事を忘れないでいて欲しいと、
ちょっとオジサンは思いました・・・・。
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by AWAchampion | 2009-01-28 23:01 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)