「かいじゅうたちのいるところ」を見ました

奇才スパイク・ジョーンズ監督の新作
「かいじゅうたちのいるところ」を見ました。

例によってネタバレしますので、見る予定の方は
逃げてぇ!!














原作は非常に有名な絵本だそうで、特にアメリカで2000万部も
出ている本だそうです。
ただ、私は未読の状態で見ました。

ストーリーは12歳の男の子 マックス君の日常からスタートします。
夢見がちで自宅に箱庭を作るのが大好きなマックス君は、
いつも冒険を夢見て、その世界のなかで王様ごっこを一人でしています。

でも実際には高校生のお姉ちゃんやお母さん
が自分の事を見てくれないと、寂しくなってしまう男の子。

そんなマックス君がある日家出をします。
そしてたどり着いたのがかいじゅうたちのいる島。そこでマックス君は
待望の王様となってかいじゅうたちをまとめていくのですが、
人間関係に翻弄されて 大人になっていくのです・・。

という話です。

私は見る前はもっと幼児寄りの話なのかと思いましたが、
大人が自分の子供時代を痛々しく振り返るような映画で、
すこし「狼の血族」なんかを思い出しました。

スパイク・ジョーンズと、雑誌の編集者 エッガーズさんという
映画の長編脚本を書くのは初めてというコンビが、
合宿してブレストを繰り返しながら書いた脚本は
非常に会話として洗練されているのですが、洗練されすぎていて
子供向けの会話ではなく、ウッディ・アレンの映画か?
と思うような大人っぽいもので
かいじゅうっぽくないなぁ・・。という
印象を持ちました。

原作が分からないので、原作がそういうテイストなのかも知れません
から、それが良い悪いではなく、この映画のテイストを
幼児向けではなく大人向けに見せている大きな要因だと思いました。

つまり洗練というのは、いかに省略の技法を使っているか?という
事なのです。
宮崎駿さんの映画も非常に大人っぽい台詞が出てきますが
あちらは子供が見ても成立するけれど
大人の知識があれば更に深まると言う意味で、洗練ではなく
過剰というべきなのですが、
この映画の場合はとにかく
大人の豊富な文学的体験があってこそ100%伝わるという
感じがしましたから、子供がどう感じるかは、ちょっと
興味が湧きました。

で、とにかく着ぐるみの造型が素晴らしかったです。
聞けば あのセサミでおなじみ ジム・ヘンソンスタジオが
巨大パペットとして制作したそうで、中に人が入りつつ
表情筋を機械で動かしているのだそうです。

結果としてCGではなく実写の持つ温かみが出て、
さらに実写ですから、手持ちでブンブンカメラをぶん回せて
非常に素敵な映像表現になっています。
夕日やマジックアワーの中で 駆けずり回る
かいじゅうたちは本当にビックリするほど生き生きしています。

ここまで生き生きしているからこそ、ドロドロとした
人間関係も描けるんでしょう。

なんか書いていて思い出したのですが、映画の印象としては
テレンス・マリックの「天国の日々」に似ているかもしれません。

だから、映画としては相当クオリティが高いと思いましたが、
子供向けではないでしょうから、
ネットなどでの評判は必ずしも高くないのがちょっと残念ですね。
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by AWAchampion | 2010-01-24 04:14 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)