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カテゴリ:映画・演劇など

  • 「コーヒープリンス一号店」を見ました
    [ 2012-04-22 01:06 ]
  • 「The Artist」を見ました
    [ 2012-04-15 11:46 ]
  • 「曽根崎心中」見ました
    [ 2012-01-23 02:18 ]
  • 「モテキ」見ました
    [ 2011-11-12 00:01 ]
  • 「ツリー・オブ・ライフ」を見ました。
    [ 2011-09-24 00:11 ]
  • 俳協若芽公演 「リアリティ・ショウ」を見ました
    [ 2011-08-24 23:49 ]
  • 「日本春歌考」・・・そのカッコよさ
    [ 2011-07-04 21:54 ]
  • 宝塚歌劇団の傑作「ノバ・ボサノバ」について
    [ 2011-06-12 15:52 ]
  • トニー賞がらみの件でご相談があります 追記
    [ 2011-05-17 09:18 ]
  • 団鬼六氏 死す
    [ 2011-05-08 00:30 ]

「コーヒープリンス一号店」を見ました

今日、青山劇場でミュージカル「コーヒープリンス一号店」を見ました。

この作品は韓国ドラマの大ヒット作 「コーヒープリンス一号店」を
「テニスの王子様 ミュージカル」の演出・振付で知られる上島雪夫さんが演出された作品でした。

私はセサミストリートでお仕事をご一緒した 振付家の井口綾子さん(セサミのメグちゃん役でした)
が、上島さんといつも仕事を一緒にされている関係で 大人気作品の千秋楽ではありましたが、
とてもいい席で拝見しました。

ストーリーは イケメンばかりのカフェに潜り込んだ 男勝りの女の子と、社長の勘違いから
始まった恋の顛末・・・という作品で、韓国ドラマらしい甘くて情熱的なお話でした。

主役は 「レ・ミゼ」のマリウス役などの経験のある 山崎育三郎さんと
「ピーターパン」の高畑充希さん
また脇を尾藤イサオさんと、中尾ミエさんの重鎮が支えるという感じでした。

テレビドラマシリーズのミュージカル化なので 若干展開が早すぎて
戸惑ったところもありましたが、
逆にキャラクターがしっかりと、そしてブレがなく生き生きとしていたので、
後半はドンドンのめり込んで面白く見ました。

やはり、物語は、ストーリーもさることながら キャラクターなのだということを強く感じさせられました。

多分上島さんはそれほどギュウギュウに締め付けるタイプの演出家ではなく
キャラを生きて、キャラから生まれる自然な言葉を役者に求める感じの方だとお見受けしました。
ですから、若い役者さんたちは 相当伸び伸びやってらして、
そこがとても好感が持てました。

正直舞台装置などは、ちょっと見ていて位置関係が混乱したところもあり、
「この人がどこに住んでいるのか?」「この人は何故、この人の家に遊びに行ったんだ?」みたいな
ところで 意味がわからなくなるところはありました。
それは 色々改善の余地があるとは思います。

でも、全体的にとても肩の力の抜けた、愛すべき佳作だったと思います。

ただ、一点・・。
着地点は ちょっと長すぎた感じはしました。
もっと手前でバシーンと終わっても 同じ感動があったんじゃないかな?とも
思います。韓国ドラマって、妙にヒロインとかを一回海外に出したがる傾向がありますよね?
でも、この作品に限っては 別にその前で終わって、もっと早くウンチャンに
女性の格好をさせたほうが きれいに落ちたのでは?と思いました。
まあ、多分原作がこうなっていて、ドラマではそこそこ尺が取られているので
変えられなかったというのは十分考えられますけどね。

なんか、見ていてとても青春の匂いのする、清々しい作品でした。

あと、中尾ミエさんの歌を久々に生で聞きましたが
すごいですよねぇ。
いやはや、やはりあの頃のナベプロでトップを張っていた凄玉ですよ!彼女は。


「The Artist」を見ました

さてさて、今年の第84回アカデミー賞の作品賞を獲得した
「The Artist」を見てきましたよ!

なんと第1回アカデミー賞作品以来 83年ぶりにサイレント映画が
作品賞を取ったというまさに快挙でしたね!

例によってネタバレしますので、見ていない方は早く逃げて!!














>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
はい、
ここからは もうこの映画をご覧になった方々だけですね?

第一印象は ほかの方もみんなそうですけど
これしかないですよね。

「企画の勝利」

いやほんと、このアメリカ ハリウッドの サイレントからトーキーへ変わる時の映画という
アメリカ映画界のいわば 心のふるさとみたいな題材を

フランス人の、テレビディレクターさんが、
サイレント映画で、モノクロで 
作り上げた・・・。

これが全てです。
いやほんと よくやりました。 この企画を通したミシェル・アザナヴィシウス監督
トマ・ラングマン プロデューサーの勝利です。

日本の、映画学校出身者ではあるが 一介の映画ファンでしかないディレクターさんでさえ
「やられた!」と思いましたよ。
これは、アメリカの全映画人が 「うわぁぁぁぁぁぁ!」と思ったんじゃないでしょうか?
悔しいはずですよ。悔しくないはずないじゃないですか。

その悔しさを抑えて ちゃんとアカデミー賞を上げるところが
アメリカの映画界の素晴らしいところです。

内容ですが
ストーリーは ヴァレンティンという ヴァレンチノを思わせるラテン系のサイレントムービー俳優が
自分のファンであった ペピ・ミラーという女性を偶然後押しして
スターにするのだが、トーキーの訪れとともに、ヴァレンティンは落ちぶれ、ペピは大スターになる
というお話です。

ストーリー自体は 監督ご本人がオスカー受賞の際
「私は お礼を言いたい映画人が3人いる ビリー・ワイルダー ・・・ビリーワイルダー ビリーワイルダー!」
と言っていたように 本当にビリーワイルダーや
その師匠筋であるエンルスト・ルビッチが好きなんだろうなぁという
素敵な アメリカンジョークに満ち溢れた ウェルメイドの物語で
まさに 日本で言えば水戸黄門を見ているような
安心してみられる流れでした。

そこに演出が、
例えば 撮影所の中で クビになったヴァレンティンと主役になったペピがすれ違うシーンで
チャップリンの映画に出てくるような 3階建ての階段輪切りセットをつくって
見せたり
ヴァレンティンとペペが情を交わしていくシーンを キスシーンなどを直接見せず
犬の表情で見せるなど、とにかく サイレント映画をよく研究したセット&モンタージュで
見せてくるわけですから
そりゃ 嫌いになれるわけないですよね?

すでに多くの方が書いていますが
ペピが 初めてヴァレンティンの楽屋に忍び込み 彼の燕尾服を使って
愛を語るシーンはとても美しいシーンに仕上がっています。
あれをやっただけでも この映画が パロディでなく クラシックを狙った映画だということが
分かりますよね。

監督は もちろん ビリー・ワイルダーとルビッチを多くご覧になったそうですが
他にも 「カリガリ博士」などでお馴染み ムルナウの作品などもご覧になったそうです。

そこはヨーロッパの監督さんですよね。ムルナウ・ワイルダー・ルビッチ みんな ドイツ系の監督さんで
当時 1920年代後半~30年代は ドイツは表現主義真っ盛りでした。

ここがとても重要なのですが もともと 映画の父 セルゲイ・エイゼンシュタインが
1924年に 有名な「モンタージュ理論」を発表します。
これは ハードカバー10冊分の長い理論書ですが 超端折ると
「映像で感情を表現する場合 Cというカットで感情を表現するなら AとBには こういう対立した
カットを持ってくるべきである」という理論です。

有名な話ですが お腹をすいた感情を表現するのに、顔芸で「お腹すいた」とやるよりも
「無表情の顔」+「空のお皿」とカットをつないだほうが より分かりやすい・・・という事です。

このモンタージュ理論は そもそもドイツで起こった表現主義に端を発する「記号論」に
強く影響を受けています。
ですから サイレント映画の黎明期、ソビエト連邦とドイツが その映画表現の先端を
行っていたことは間違いの無い話です。

ソビエト連邦の映画はその後 政治的な色合いを濃くしていきますが
様々な理由でドイツからアメリカに逃れた ドイツ系映画人たちは そこで娯楽作品の中に
どんどん 表現主義的な手法を用いて モノクローム映画を豊かにしていくのです。

そこの所をきちんと踏まえた 良い感じの映画になっていたのも 素晴らしいなぁと思いました。


褒めすぎなので いくつか問題点も

まずは 時間設定ですね。 出会いが 1927年  スタジオから解雇されたのが1929年
やけになってしまったのが1932年というのは あまりに短いのでは?と思いました。
まあ、もちろん「金融恐慌!」というストーリーを挟んでいましたが
もう少しタイムスパンがあっても・・・。
いくらなんでも 3年前の大スターを街の人が覚えていないってことはないでしょ?

次に ヴァレンティンの奥さんの描写がちょっと意味不明です。
どうせなら あの冒頭に出てくる ヒロインが奥さんでも良かったんでは?

最後は オチなんですが、
いやぁ・・・。タップをやるところまでは分かります。
同じ題材の「雨に唄えば」のオチも 「タップをやればいいんだ!」でしたから。

しかし せっかくヴァレンティンの声が最後に聞けるのに
「always pleasure」だけじゃねぇ・・・。 これって 返事ですからね。
ここは ビリーワイルダーをリスペクトして
「No one is perfect」に匹敵するような ピシっと決まった言葉で
終わったほうがよかったですよ。

メル・ブルックスが やはり、パントマイムの神様 マルセル・マルソーを
使って映画を作ったとき それまで一言も話さなかった マルソーが
最後にアップで 「no」と一言だけ言うという映画がありましたが
そこは頑張らないと!!!

まあでも 本当に愛すべき映画だと思いました。

主役の ジャン・デュジャルジャン氏が ずっとジーン・ケリーを意識して演じているのも
微笑ましくてよかったです。
で、オスカー表彰式を見ましたが、ご本人はめっちゃくちゃ フランス訛りの英語で
それはそれで大笑いしました。

実際 イタリア系だったヴァレンティノも、日本人の早川雪舟も 英語が訛っているから
トーキーのスターになれなかったわけで、
最後の一言が バリッバリにフランス訛りでも面白かったかも?です。

あ、あとひとつだけ!
英語の字幕が消えるのが早いっす!!
だって3行が4秒とかよ?それは もっと優しくして!


「曽根崎心中」見ました

仕事で増村保造監督 「曽根崎心中」1979年を見ました。

主演は徳兵衛が宇崎竜童でお初が梶芽衣子です。

いやぁ、面白かった。

とにかく増村保造監督は、イタリアのチネチッタに留学していたという経歴の持ち主で
大映に「情念とエゴがぶつかり合う映画」を持ち込んだ張本人です。

それまでは大映はどちらかというと、三隅研二監督にせよ 森一生監督にせよ
スタイリッシュな画づくりが得意な監督さんが多い印象ですが
とにかく増村さんは、男と女が本能のままに貪り合うようすを
まともに描き出す名匠です。

大映はいまでもその伝統で「大映テレビ」がその路線を引継ぎ、独自の不思議な世界を
作り出していますが、もともとは増村監督の影響なのです。

この映画も 初めからお初も徳兵衛もパワー全開!
ガッツンガッツン ぶつかり合います。もう人間が剥き出し。
最近 こういう映画を撮る方がいない事もあり 本当に爽快感があるぐらいの
情念のぶつかり合いでした。

しかし、そうはいっても今村昌平監督ほど 泥臭くないんです。
音楽の選び方とかも、ちょっと洒落ていて、まったく時代劇っぽくないですし
色調にしても 南イタリアを思わせる 鮮やかなピンクや水色がふんだんに使われていて
そこに 増村さんらしさが溢れていました。

とくにお初が徳兵衛の事情を知り、床下にかくした徳兵衛に、「一緒に死のう」と決意するところは
徳兵衛が、泥だらけの手で お初のふくらはぎをギュッと泣きながらさする、名シーンです。

いやぁ、絶対増村監督はもっともっと再評価されてもいい監督ですよ!


「モテキ」見ました

かなり評判が良かった映画「モテキ」をようやく見ました。

私は深夜ドラマの「モテキ」を見ていないので、ドラマとの連結とかはちょっとわかりません。
単純に初見での感想を書きます。

公開が終わりそうな映画だから ネタバレしてもいいよね?

でも、これから見るつもりの人は、逃げてくださいね。





さて、まず第一印象は
同世代のテレビマン 大根監督カッコイイなぁ・・・。ということでした。

いや、面白かったですよ。ホントに。
それに私の世代の人がやりたい事を実現している、「道楽が嵩じて映画になってしまいました」
という感じがとても良かったです。

ボクはテレビマンが作る映画って、こういう事なんだろうなぁ・・と思ってみてました。
テレビ演出をする際、ドラマであろうが、バラエティであろうが、ドキュメンタリーであろうが
子供番組であろうが、まず叩き込まれるのは
「画の間を埋めろ」ということです。

特に日本では テロップやSE などの情報量を 画面いっぱいに詰め込む事で
誰にでもわかるように盛り上げる事を求められます。
それが進化して、今ではそこに作家性が一番反映するともいえます。

逆に映画は 引きの美しい絵に詩的な表現を込めて、より大きな隠喩にするために
抑制した語り口を積み重ねて行くようなことが求められます。

映画「モテキ」は、映画としてはとても変化球な表現方法で、過剰表現ですが、
テレビマンが自分の作家性を出すには、変にアングルにこったりするのではなくて
こういう テロップ処理やナレーション、CGみたいなことだろうと思いました。

そして実際 彼の作家性は十分に そういう表現の中に現れていたと思います。

ですから テレビマンがテレビの手法で面白い映画を撮ったという意味で
とてもカッコイイなぁと思いました。


キャラ造形は、もともと漫画がベースですので
漫画っぽいです。特に長澤まさみは ものすごく魅力的で
僕もその可愛らしさにクラクラ来ましたが、
冷静に考えると、あんな子いませんよ!(笑)

あれこそ ここで語られる童貞サブカルの妄想です!

大根監督も「実際の女性はこっちなんだよ」という造形として 仲里依沙と麻生久美子を
出しています。
まあ、でも・・・長澤まさみに持っていかれますよねぇ。
だって可愛いもの。

あとperfumeが出てくるところは笑いました。
ウッディ・アレンの「世界中がアイラブユー」みたいだなぁと思いつつ
あの、超魅力的な 殺人兵器みたいな 長澤まさみの10秒後に出てきた
のっちもかしゆかもあーちゃんも、ちゃんとピカピカしていたのに感心しました。


おしゃれサブカルの話ですよ。これは。
私が好きなプロレス由来のサブカルは もっと泥臭いですが
でもとても楽しめましたよ。

在日ファンクがいきなり出てきたのも笑ったし
瀧さんが、いかにもの役で出てきたのも笑いました。


ももクロちゃんの事を出すときに
あの名演 tokyo idol festival 2010 のパフォーマンスを出してきたのは
唸りました。

ただ、できればアイドルから 
アイドリング!!!の「モテ期のうた」を出して欲しかったですねぇ。
どう考えても ぴったんこの曲だと思うんですけどねぇ・・・。


私はこの映画を池袋のレイトショーで見て
初めから最後まで ゲラゲラ笑いながらも

身の丈に合わない女性を好きになって、自分の小ささに悔しくなったり、
一旦別れてから、寂しくなって 駆け出して告白したりしたなぁ・・と甘酸っぱくなりましたが、
見終わったあと 結構な数のカップルが
「あれって、どういうことなんだろう?わからなかった」みたいな事を
話していたのも ちょっとショックを受けました。

リアルに充実している人生を送っている人は
もしかして 結構この描写がわからないことが多いのか?と思うと
かなりのショックでもありますね。


「ツリー・オブ・ライフ」を見ました。

今月半ばに テレンス・マリック監督の「ツリー・オブ・ライフ」を見ました。

私の周りでも賛否両論で、良いという人は「人生の一本だ!」
ダメだという人は「寝た」と言う 作品で、いかにもテレンス・マリックらしいなぁと思い
見てきました。

ちなみに シニフィアン・シニフィエでおなじみ 蓮實重彦さんは 
相当この映画に怒っているそうです。

しかし私は テレンス・マリック監督のデビュー作「Badlands(地獄の逃避行)」を
アメリカ映画10傑の一つに入れているほど好きな作品なので かなり期待していきました。

ということで このあと ネタバレしますが、
正直この作品は 言葉で聞いても 大したネタバレにはならないと思います。


が、これから観る方は 一応逃げてください。





さて、いいでしょうか?


物語はいくつかの レイヤーに分かれて進行します。

具体的に言うと
まず ある日 オブライエン夫妻のもとに 次男がわずか19歳で戦場でこの世を去ったという
訃報が届きます。

続いて、その兄 ショーン・ペンが数十年後 
その出来事を思い出しながら 現代のニューヨークをさまよい歩きます。

そのさまよい歩きの中で
父 ブラッド・ピットとの確執や 母への思慕の想いなどを思い出します。

と、同時にその思いは ミクロの人々の営みを超え マクロの 地球の営み全体に
隠喩として投影されるのです


・・・・と文章で書いてもわかんないですよね?

まあ、見てくださいとしか言いようがありません。


もともと テレンス・マリックは 田舎の人々の生活を、自然界全体の中のサイクルのひとつとして
描くのが得意な作家です。
有名な「天国の日々」もそういうお話で、
撮影も 人工的な光を極力避けつつ、幻想的な雰囲気を出すために
天才カメラマン ネルトール・アルメンドロスによって 「マジック・アワー」での伝説的な撮影が
行われたのです。

私が好きな「地獄の逃避行」も、ボニー&クライド的な物語を
アラバマの自然をバックに 描くことで、とても詩的で美しい作品に仕上げています。

で、今回私は 2つのことを思ってみていました。

まずミクロの場面・・・つまりブラッド・ピット父や母と子供たちのシーンは
素晴らしかったです。
美しいジョン・カサベテスみたいな 感じ?
リアルなんだけど、とても抑制の効いた物語が進行していきます。
このレイヤーはびっくりするほど良かったです。

ただ、マクロのレイヤー 地球の営みを描くところは
ちょっと好みではなかったです。
1970年代初頭に コッポラが撮った「コヤニスカッティ」という映画があるのですが
なんかそれみたいで、
要するにちょっと 自然の描き方に 昔の映画作家の眼差しを感じてしまいました。

私の感想としては
いい映画だと思いましたが
やはり「Badlands」の衝撃にはかなわないと思いました。


というわけで 「Badlands]のトレーラーを貼っておきます



この話は 実際にアラバマ州であった話なんですが田舎の名門高校に通う
ピアノの好きな少女と、23歳のごみ回収車のドライバーが恋に落ち
少女の父を撃ち殺し、家を焼いて
二人で逃避行を重ねます。

そしてツリーハウスをつくり 二人だけの生活を始めるのですが
警察の追っ手が迫り・・・・という作品です。

是非見てください。
これはマジいい映画です。
アメリカン・ニューシネマの系譜にいる作品ですが、本当に美しい作品です。

ちなみに 「コヤニスカッティ」もトレーラーを貼っておきます


俳協若芽公演 「リアリティ・ショウ」を見ました

先日、俳協の若手声優&俳優が出演する 「リアリティ・ショウ」という作品を見てきました。

これは 鴻上さんの戯曲を、俳協の岩尾万太郎さんが演出された作品で、
1ヶ月間 ひとつ屋根の下に閉じ込められるという番組に参加した
劇団員たちとアイドルの 人間模様を描いた作品でした。

ここに、セサミストリートのエルモこと 松本健太くんが、出演していたのです。

彼は今26歳。本当にエルモがそのまま大人になったみたいな
好青年で・・・(付き合いが深いので改めて書くのは ちょっとムカつきますが、まあ本当のことなので)
見た目も、なんだかパペットっぽいせいで、今までは ちょっとドジで誠実な好青年の役が
多かったのですが、今回はなんと、ゲイで芸達者ないぶし銀という役で
劇中劇の「ロミオとジュリエット」で 乳母やら神父やら たくさんの役をまとめてこなすという
難しい役でした。

しかし、彼も成長するんですねぇ・・。なかなかうまくこなしていました。
もちろん まだ そういう役が「はまり役」とまではいきません。でも一生懸命やるのが彼のいいところですから
とても良かったと思います。


で、このお芝居、実は私はスケジュールが厳しくて行くつもりがなかったんですが、
同じくセサミストリートで 演出を一緒に担当させていただいていた
共同テレビの 植田監督から電話を頂いて「絶対見るべきだ!」と背中を押され
見に行ったというわけだったのです。

植田監督は私が非常に親しくさせていただいていて、しかもとても才能のある演出家さんです。
その彼がここまで言うんだから・・・と思って見に行って正解でした。

客席には セサミのAD経験者の K君とAちゃんが なんだか イチャイチャしながら
見ていましたし、
人形劇団ひとみ座にいた 大江瑞穂さんなんかもいて
旧交を温めた一日でした。

とにかく苦楽を共にした仲間が、成長していく姿を見るのは楽しいものです。
モノづくりにおいてホームグラウンドがあるというのは、そういう良さがありますよね。


「日本春歌考」・・・そのカッコよさ

最近 あまり大島渚監督の映画が上演されなくなりました。

私が大学生だった1990年代初頭は まだ大島監督 ご自身がとても元気でらして
幻の企画 「雪舟」の実現に向けて精力的に動いてらした時でした。

私も文芸座の「大島渚特集上映」に通っては 
世界で一番カッコいい映画たちを ドキドキしながら見たものです。


私が大島監督の中で一番好きなのは
「絞死刑」です。

コレは本当に素晴らしい作品です。
死刑場で死刑囚が死に損なって、生き返ってしまった。
しかし彼は記憶が無い。
罪を認めてこその死刑なのに、罪の意識の無いものを殺せるのか?

そこで刑場にいた人たちが 彼がどういう犯罪を犯したのか?という事を
演じてみせる・・・・という 
なんと一幕モノの作品です。

素晴らしいですよこの作品は!
是非ご覧下さい。


さらに
「新宿泥棒日記」
コレも素晴らしい!
これは打って変わって オール1968年の新宿ロケです。
このころの新宿は 風月堂がまだあって
フォークゲリラが西口にいた頃、
さらに唐十郎さんの赤テントが花園神社にあって ハプニング的な公演をしていた
あの魔都新宿の頃です。

特に誰もいない紀伊国屋書店で
主人公の横尾忠則と横山エミが、本棚を歩いていると
本から チェ・ゲバラが、毛沢東が、マルクスが、
ジャン・ジュネが、ゴダールが
語った言葉がささやきとなって やがて本屋全体に響き渡るシーンの素晴らしさは
ちょっと見てもらわないとダメです!

これは あの映画「ノルウェイの森」の元ネタと言っても良い作品です。
是非ご覧下さい。


そして
「日本春歌考」

この作品は ひたすらかっこよくて
全く意味が分かりません。

しかし 現代音楽家 林光が素晴らしい仕事をしています。

とにかく 当時の予告編を見てください



どうです!この なんだか分からん カッコよさ!
3回ぐらい見ましたが なんだかわかんないところが
素晴らしい!

あ・・・・
ちなみに この作品で 伊丹十三と宮本信子は知り合い、後に有名な夫婦となります。

確実に1960年代 大島渚は世界で最も カッコいい映画監督でした!

ゴダールも良いけど 日本には大島がいるんだよ!!!


宝塚歌劇団の傑作「ノバ・ボサノバ」について

今日、東京宝塚劇場に、あの「ノバ・ボサノバ」を見てきました。

この宝塚の傑作ショー 「ノバ・ボサノバ」は1971年の5月に
夭折の天才演出家 鴨川清作氏の手により作り出されたもので
初演時の主演は これまた 宝塚史上でも最長に近い 13年間もトップスターであり続けた
伝説のスター 真帆志ぶき でした。

ショーとは言っても この作品には 大きなストーリーがあります。
カーニバルを間近に控えたリオに生きる 義賊と盗賊と令嬢の三角関係物語を軸に
作品は進行します。

冒頭 モザイクタイルで描かれた青い波のモチーフが描かれた 全場幕が上がると
そこはもう イパネマ海岸です。

なだらかなスロープになった海岸を 男女が
数人ずつ シルエットでかけていく 印象的なプロローグです。

そこから 一転して 原色があふれるカーニバルの雰囲気が あふれ出す素晴らしい舞台でした。

色んなところが印象的だったので 箇条書きにします。

●音楽 
非常に感銘を受けました。
1971年といえば 当然1966年にセルジオ・メンデスが
全世界にボサノバを広めてから5年経っているので、当然最先端の音楽として
世界を席巻中でした。

菊田一夫先生の下で数々のオリジナルミュージカルを作ってきた、当時でもすでに大御所だった
入江薫氏、後にベルサイユのばらで大ヒットを飛ばす 寺田瀧雄氏、父 岡田敬二のロマンチック・レビュー
全てのチーフとしてもおなじみ 吉崎憲治氏の 作曲家チームは それぞれ伝統的な宝塚の
音楽方法に縛られる事無く 素晴らしいスコアーを作り上げました。

途中まで本当にほぼノンストップで音楽と踊りが進行する素晴らしい構成です。

殺人事件が起きるところなどは ブーガールーだったりするんです。
これは作曲チームや 鴨川先生が参考のために聞き込んだレコードが
MGMミュージカルなどで使われる 「ブラジル」「キャリオカ」のような
古いスタイルのラテンミュージックではなく
マルコス・ヴァーリなどの新しいブラジル人のボサノバだったり、ニューヨークで当時サンバが
咀嚼された上で出来上がったジャンル ブーガールーなどの 最先端の音楽だったということを
非常に強く感じさせます。

宝塚のショーは元々は非常にメロディ先行型の音楽設計をされていますが、
鴨川先生は、70分のショー全体をビートから構成しているような印象を受けました。

特に 24小節ぐらいの短いサンバのシーン 第9場Bは 非常に印象深いシーンでした。


●振り付け
振り付けは メインに「宝塚の燕尾服を最も美しく見せてきた」喜多弘氏
それに 日劇メインで活躍していた 県洋二氏
朱里みさを氏
さらに、当時アメリカから帰ってきたばかりで、その後の宝塚と日本ミュージカル界に巨大な
足跡を残す事になる 「鬼のタカちゃん先生」こと司このみ氏の4人が担当しています。

私はこの作品の中で 3箇所素晴らしいと思ったシーンがありました

★1 第11場から第13場の 殺人事件が起きるところ
★2 第22場AからCの カルナバルのシーン
★3 第24場AとBの 伝説的なラストシーン

★1 はブーガールーの早くて都会的なビートに合わせて 二人の若者と令嬢が
タナトスの香りのする踊りを踊り、やがて 悲劇が起きてしまいます。
男を刺してしまって 苦しむ主人公を押し流すように、ダンサー達が濁流のように
通り過ぎるシーンの 美しさには 気おされました。
振り付けは 県洋二氏  音楽は寺田先生です


★2 はカルナバルの高揚感を 端正な男役の踊りから 一転して
ぐいぐいと盛り上げる 素晴らしいシーンです。
振り付けは 喜多弘氏 音楽は吉崎先生です


★3は 全てが終わった海岸で 男の子が挙げた 鳥の凧を見たソールが
人生の息吹を思い出すという 素晴らしい 本当に素晴らしいシーンです
衣装 音楽 すべてが素晴らしく計算された上で
今まで見たことも無い 情熱的な踊りが繰り広げられます
振り付けは 天才 司このみ氏 本当にタカちゃん先生らしい、狂気をはらんだ
踊り狂う素晴らしいシーンでした

特に最後 鳥が羽ばたき
最後 金の空になるところの 異常な高揚感は 天才鴨川清作の真骨頂とも言えるでしょう。

音楽は中井光晴氏

いやぁ このシーンは本当に凄いです。


●美術
このショーの美術も大変素晴らしいです。
衣装と装置を同じ 静間潮太郎氏という 宝塚を長年手がけてきた方がデザインされているのですが
とにかく リオの熱と日差しを モザイクタイルで表現しているんです
コレがまず凄い 
それに 海岸のシーンが多いので 舞台上に 素晴らしい波型のマスキングを施して
色々な風景を見せてくれます

さらに最後は多分インカ帝国がモチーフの 金色の衣装と金色の空を作り出し
全ての熱を ショーの最後に永遠に閉じ込める事に成功しています


●演出
とにかく素晴らしいの一言です。
視覚上の 青と金  白と原色 
夜と金色の空 

音声設計上の 激しいビートと 無音 波の音

芝居の 聖者と邪なるもの

その対比のつけ方が抜群です。本当に凄いです

しかも トップスターを屑ひろいにして「え~屑やおはらい・・・」ってやらせたりするのなんて
今では考えられないし、真帆志ぶきさんだから成立したわけですよ。

前半戦は菊田節のコミカルな芝居を交えて 人物の背景を 説明的な台詞無しで明示し
後半戦はとにかく 全ての感情を ビートと踊りに閉じ込めるという
素晴らしい 演出をしています。

いやぁ、ホント ちょっと恐ろしいぐらいの出来でした。


で、パンフレットを見ると
真帆志ぶき 鳳蘭 郷ちぐさ 安奈淳などの
伝説的な大スター達が とんでもない目力で演じているのが分かります。

柚希礼音さんもとても頑張っていますが、是非70年代に見たかったです。


しかしホント、今 こういうショーを作る事は不可能に近いです
でも 頑張ってほしいですよ。稲葉さん、原田さん、児玉さん 
あなた方にかかってますよ!


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ちなみに 某動画サイトで
安奈淳さん版のエンディングを見ました。
すげぇ。凄いです。 鴨川先生が演出されたバージョンですからね。

本当は貼りたくて仕方ないですけど
コレはさすがに 皆さんの共有財産です。
ご自分で検索してください。

安奈淳さんについては 日を改めて 書きたいと思います。
彼女の素晴らしさは なんとなく過小評価されているような感じがするんですよネェ・・・。








トニー賞がらみの件でご相談があります 追記

実は今、トニー賞についての番組を作る事になっています。

そこでこのブログをご覧の方で
古いブロードウェイミュージカルの ポスターのコレクターの方を
ご存知でしたら
是非 ご連絡下さい!


また、その日本版のポスターも探しています。
日本の「輸入物ミュージカル」のポスターコレクターの方も
いらしたら 是非ご連絡を下さい!

宜しくお願いいたします



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おかげさまで なんとかなりました!
ご協力ありがとうございました!

テレビ演出家
岡田倫太郎


団鬼六氏 死す

昨日、官能小説の巨匠 団鬼六氏が亡くなられたそうです。

今、世の中で「どM」「わたしはSだ」みたいな言葉は
小学生でも使う言葉になってしまいましたが、
そもそも サディズム マゾヒシズムなどという言葉は 特殊性癖をさす言葉です。

そして「女王様」といって、鞭を持ったボンテージ衣装の女性と
ブリーフ姿で縛られた男の人を思い浮かべるのも
とても一般的なイメージになってしまいました。

それもこれも 全てこの 団鬼六氏の「花と蛇」シリーズのせいなのです。

さらに言うと その「花と蛇」シリーズがにっかつロマンポルノで 谷ナオミ主演で
超人気シリーズとなり、1970年代には町のいたるところに
縄で縛られた 谷ナオミの写真の横に 「団鬼六 SMの巨匠」と必ず書いてありました。

ですから、当時小学生だった私は、クラスで「あれは『だんきろく』なのか?『だんおにろく』なのか?」と
よく話し合ったものです。

つまりそれほど、インパクトの強いビジュアルと、彼のペンネームだったせいで、
本来 日陰の存在だった特殊性癖が 日本ではものすごくポピュラーになってしまいました。


告白しますが、私は彼の官能小説を一つも読んだ事がありません。
この仕事をしていますから 数本日活ロマンポルノの 「花と蛇」シリーズは見たことがありますが
特にピンと来る事もありません。
私は残念ながら そういう性癖はないようです。

ただ、彼が1990年代初頭に出した 「真剣師 小池重明」という小説は
素晴らしい名作です。

この作品は、スラム街で育った町のごろつきだった 小池重明という実在の人物が
その類まれなる勝負師の勘で、将棋の真剣師(賭け将棋の棋士)となり
町の将棋場から、どんどんのし上がり、最後にはプロにも勝ち、
プロ棋士への誘いも来るのですが、本人の自堕落さゆえ、再転落してしまう・・・・。という小説でした。

これは 本当に胸が熱くなる小説で、私は何度かテレビ企画にしたいと思っていたのですが
なかなか上手くいきませんでした。

悪の道に咲く 牡丹の花を描かせたら、彼の右に出る人はいませんでした。
蓮は泥の中に咲くのです。
その事を教えてくださった、団鬼六先生の ご冥福を心よりお祈り申し上げます。