カテゴリ:映画・演劇など( 132 )

新文芸座で久しぶりに

私が東京にやってきたのは1990年のことでした。
大学で映画研究会に所属して、それから浴びるほど4年間映画を見まくったわけですが
ホームグラウンドは 名画座と呼ばれる2~3本立て映画館で
特に 銀座の並木座・池袋の文芸座・大井の大井武蔵野館には足繁く通いました。
並木座は黒澤・市川崑・溝口健二・小津安二郎など巨匠の映画
大井武蔵野館はカルト日本映画
そして文芸座はゴダールらフランス映画、フェリーニらのイタリア映画
タルコフスキーらのロシア映画など何でもかんでもここで知りました。
大島渚監督の特集上映なんかもここで見たのです。

でも最近はとんとご無沙汰しておりました

で、今何やってるのか?と思ったら
「日本のアクション快作特集」というじゃないですか?

で、今日は何と東映エログロ暴力映画の金字塔
池玲子の「不良姐御伝 猪鹿お蝶」(鈴木則文監督)と
杉本美樹の「0課の女 赤い手錠(ワッパ)」(野田幸男監督)じゃないですか?

見に行っちゃいました・・・

「0課の女 赤い手錠」は私が大学時代に既に「絶対見るべき映画」の一つとされていて
私は大井武蔵野館で、ボロボロのプリント状態のものを27年ぐらい前に見ました。

そして「不良姐御伝 猪鹿お蝶」は かのタランティーノが大好きな映画として
知られていて、私は今回初めて見ました

1970年代初頭は 日活が「にっかつロマンポルノ」で隆盛を極めていましたが
実は東映も東映東京撮影所は基本「東映ポルノ」を量産していました。
正直 ヤクザ映画でならした東映は
ポルノはポルノでも 暴力と結びついた異色の作品群で
レイプされてからの復讐・・・みたいなのが多くて
今の感覚では「ひ・・酷い」という話が多いです。
この2本も基本そういう作品なんですけど、表現がかっとンでいるので
後生まで残ったというわけです。

特に鈴木則文監督は私が物心を付いた頃は既に
「伊賀野カバ丸」だの「パンツの穴」だの、見ると大体糞尿が垂れ流しになる
作品を撮っていて、「下品こそ、この世の花」というご本人の名言があるとおり
スゲぇ事になっていましたが
この「不良姐御伝 猪鹿お蝶」のスタイリッシュさはビックリしました。
元々こう言う作品を作られる方だったんですね・・・。

とにかく久々にエログロ暴力の映画をじっくり見ました
これはこれで、何か懐かしかったです。



by AWAchampion | 2018-01-22 01:26 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

はい、これは台湾に行ったときなんですが
飛行機の中で見ましたよ「キングスマン・ゴールデンサークル」
話題になってますね。
結構評判も良いじゃ無いですか?

まあ結論から言うと
バカバカしくて面白かったです。
007の「ゴールドフィンガー」とか「007は二度死ぬ」みたいな
イギリス紳士のいやらしさと、ヒミツ道具が満載のスパイ映画で
しかも敵がほどよくアホらしいという
コメディアクションとして、良く出来たというか・・・良く出来ているわけじゃ
無いとは思いますが 面白かったです。

「007は二度死ぬ」が一番近いかなぁ?
あれは日本が舞台で、ジェットスキーがそのまま空を飛んだり
スペクターの基地が阿蘇山の噴火口にあったり
忍者が日本の女エージェントを毒殺したり、ファンタジーあふれる
作品でしたが、この作品も お色気が少ないオールド007みたいでした



とくに本人役で出てるエルトン・ジョンの怪演は
なんかもう、なんていうか、凄かったですね。



by AWAchampion | 2018-01-22 01:00 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

さて、そしてずっと見られなかった
「スターウォーズ8 最後のジェダイ」をようやく見ることが出来ました。

実は年末、公開の週に 新日本プロレスの事前煽りVTRのナレーション撮りがあり
ナレーターのバロン山崎さんが、メチャクチャ話したそうにしていたのに
「いや、ネタバレしないで下さい!!!」ってお願いしたり
世界力2のプレビューで 構成で入られていた共同テレビの松木創監督も
「倫ちゃん、見たよみたよ!あのさぁ!」と話したそうにしていたのに
「お願いします!やめてぇぇぇぇ」とお願いしちゃっていまして、
さらに、ツイッターでバンバンネタバレしていた 元セガのゲームディレクターで
早大映画研究会の先輩 五百蔵容さんをミュートしちゃったりと
スターウォーズを見ないことで 交友関係にヒビが入りかねない事態でしたので
まさに遅すぎるタイミングでの鑑賞でした。

しかし、はっきり言ってもう見る前から分かっていました。
評判悪いですよ。今回のスターウォーズは。
エピソード1並みの評判の悪さ。
しかし、エピソード1と決定的に違うのが、あのルーク・スカイウォーカーが35年ぶりに
かえって来るという所なのです。
ルークっすよ。マーク・ハミル!
だって、スターウォーズってルーク・スカイウォーカーの物語じゃん!

で、見てみました

う~ん。

まず良いところを言います。だってスターウォーズ好きだから。
とにかくルーク・スカイウォーカーがあのジェダイの服で出ていて
ミレニアム・ファルコンの中でR2D2と会ったりする映画を
嫌いになれますか?
イヤマジで、ルークまんせー!の映画で良かったんですよ。
ルークが新たなジェダイマスターとしてレイを鍛える・・・
このストーリーで何でダメだったの?

まず、あんなうじうじしたルークを見たくなかった。
百歩譲って贖罪の意識に駆られているとしても、第1話(エピソード4)の
オビワン・ケノービとルークの焼き直しのようなスタイルで
ルークが新たな希望レイを鍛えれば良かったじゃない?
なんでレイがいきなりあんなに強いのよ?

で、もっと問題なのは レイアが宇宙空間に投げ出されても生きていたり
ルークが念力で何でも出来ちゃったり、逆に何でもお見通しのはずの悪の首領スノークが
メチャメチャあっさり死んじゃったり・・・
フォースの使い方というか理解が違うんじゃねぇの?という感じでした。
何でも出来る魔法じゃないからね?フォースは。

それに、反乱軍と帝国軍がもの凄く 局地戦というかみみちい戦いで
雌雄を決しているのが気になりました。
そもそも反乱軍の戦略がアホ過ぎます。
旧日本軍のインパール作戦とか、旅順攻略戦ぐらいノー工夫の戦い方で
そりゃ、負けますよアレじゃ。

スターウォーズの「ウォーズ」の部分があまりにおざなりなのでは?という
感じがしましたね。

あと人間ドラマでも、あの天童よしみちゃんのラストは、あれはないでしょ?
フィンが特攻して巨大ビームを壊そうとしていたら、横から体当たりして
「だって好きな人を救いたいから」と腕の中で死んでいくわけですが、
観客が望んでいるのは「天童よしみちゃんの献身的な努力でフィンが助かり
さらに、反乱軍にも良いことが訪れる」です。
しかし反乱軍をピンチに陥れてどうする・・・。

とにかく、脚本がクソですよ。どうなっているんですか?

でもね・・・嫌いになれないの

なぜ?

だってルーク・スカイウォーカーが戻ってきたんだよ?
ルークだよ?
ルークから全ては始まったんですよ?この映画は。
そりゃ嫌いになれるわけ無いじゃない?

ってなことで、そりゃ語りたくなる映画ですよ。分かる。
ごめんなさいバロンさん、松木さん、五百蔵さん・・・。




by AWAchampion | 2018-01-22 00:34 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

映画を久々に固めて見ています
20日の土曜日に 打ち合わせの後渋谷で時間が空いたので
道玄坂のユーロスペースで アキ・カウリスマキ監督の新作
「希望のかなた」(Outside of the Hope)を見てきました



ネタバレもしますけど・・・・どうします?
これから見る人は逃げて下さいね。

はい 
良いですね?
アキ・カウリスマキ監督はフィンランドの方で、1990年代に
「レニングラードカウボーイズ・ゴー・アメリカ」で一躍有名になりました
これは、実在するロシアのカントリーロックバンド「レニングラードカウボーイズ」が
色々アメリカ文化を勘違いしたスタイル、そのままに本場アメリカ南部に乗り込むという
物語で オフビートなユーモアがズバズバ決まる素晴らしい作品でした。

そのヒットでその後、彼の代表作「マッチ工場の少女」なども公開され
私が大学生のときには、アメリカのジム・ジャームッシュと同様
オフビートスタイルの映画の第一人者でした

私自身は「過去のない男」(2003)以来、彼の作品を中々見る機会が無かったので
さて、どんな感じかな?と楽しみに見ました

今回の映画「希望のかなた」は、フィンランドの首都ヘルシンキが舞台。
シリアからの難民カーリドが、貨物船で密航してくるところから始まります。
英語が堪能なカーリドは、警察で難民申請をして難民収容所に入れられます
しかし、シリアの彼の故郷は空爆に遭っているにもかかわらず「戦争状態」とは
認められず、強制送還されそうに・・・。
そこで収容所を逃げ出してたどり着いた先が、しがないレストラン。
そこでオーナーの目に触れて 働かせてもらうことになるのですが・・・。

というお話です

昔からカウリスマキ監督の映画はそうなんですが
この映画も 武藤敬司のプロレスみたいに 前半は延々 超静かな展開が続きます
「やばい!寝る!」私は何度も見ていてそう思いました
しかし、後半 急に物語が動き出してからの面白さたるや・・・
緩急の妙はまさに名人芸!いやぁ良い映画でした。

しかもオフビートギャグの切れ味はますます増しています。
日本がらみのギャグもあったので場内爆笑!
テーマ自体は 難民を受け入れる側のコミュニティーの監督が
難民を取り上げるという極めて重いテーマなのですが
それがジンワリ温かく伝わってくる快作でした。

さ、さすがだ カウリスマキ監督・・・。
相当おすすめですよ!



by AWAchampion | 2018-01-22 00:10 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

「リュミエール」

そしてこの映画も見ました

■「リュミエール」
 これは1895年に映画を発明した フランスのリュミエール兄弟の「シネマトグラフ」1000本あまりの
中から105本を厳選して90分につないだフランスの記録映画です

 映画の発明者は映画学校などでは普通この、フランスのリュミエール兄弟として語られます。
確かその少し前 発明王エジソンが「キネマスコープ」を発明するのですが、これは連続写真を
のぞきからくりみたいな風に見せるというのもので、映写方式ではありませんでした。
もしかしたらアメリカの映画学校ではこっちを元祖にしているかも知れませんが、私が教育を受けた
日本の大学とイギリスの映画学校では リュミエール兄弟が映画の始祖として習いました。

 映画学校では当然「映画の始祖」として習うのですが、そこで習うこと、そして見せられる
映画は大体決まっていて「シエタ駅への列車到着」という作品です。
便利な時代ですね。
この作品は「シエタ駅(シオタ駅)に列車が到着した」という50秒の作品ですが
これを見た当時の観客は「列車がスクリーンから飛び出してくる!」と思って逃げた!
というエピソードで有名です。

基本習うのはこれだけで、この後は時間を割いて
この直後にフランスで現われたマジシャン ジョルジュ・メリエスがトリック撮影の
始祖で、彼がオーバーラップ・ストップモーション・スロー・逆再生などを開発した
という事が教えられ
この作品を見せられることになります
そう「月世界旅行」(1902)です

でも、この「リュミエール」を見ると、実は1895年から1905年までの
10年間で すでにリュミエール兄弟が、逆再生・空撮・移動撮影・カラー映画などを
発明していたと言うことが分かります



これは本当に驚きました
それどころか、リュミエール商会のカメラマンはフランスを飛び出し
イギリス・アメリカ・ベトナム・エジプト・中国・そしてなんと日本にも
撮影に来ていたんです!
日本は京都で剣道の試合を撮影していて、まさにチャンバラの始祖とも言えます。

いやあビックリしました
そもそもリュミエール商会の作品が 一本50秒のもので、それが1000本以上も
くっきり美しいネガの状態で残っているというのが素晴らしい話です

本当に元映画青年としては本当に楽しめました

で、気になって日本で現存する一番古い映画・・・と検索したら
この作品だそうですね

1989年? 歌舞伎座の庭で撮影された「紅葉狩」という作品で
当時の歌舞伎役者が演じ、制作は吉沢商会です

これもスゴイ 
メリエスより前に日本で日本人の手によって撮影されていたとは!



 

by AWAchampion | 2017-12-01 12:17 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

つづいてこの映画も見ました

■「エンドレス・ポエトリー」
 かのカルト映画「エル・トポ」「ホーリー・マウンテン」を監督したアレハンドロ・ホドロフスキー
監督が86歳になって放った、最新作で、彼の自伝的なストーリー3部作の2部目です
私は前作「リアリティのダンス」を見ていないので、本当に多分大学生の時に「ホーリーマウンテン」を
見て「きもちわりー映画だなぁ」ぐらいの印象しかない状態で ホドロフスキー作品と再会する
事になりました

「エンドレスポエトリー予告編」


 もちろん私は一応文学部の学生ですし、当時1980年代から世界を席巻した南米文学は多少は
読んでいましたし、マジックレアリズムがどういう物か?も知っていたのですが、当時1990年代
初頭はむしろ南米映画よりも旧ソ連下で作られたグルジアのセルゲイ・パラジャーノフとかが
作る「東側のシュールレアリズム」がドンドン入っていて、その抑制の効いた表現と比べて
もっと「死と生と性が濃い」今風に言うと「クセがスゴイ」ホドロフスキー作品は
当時激賞していた人々のようには楽しめませんでした。


「ホーリーマウンテン 予告編」(グロ表現注意!!)
・・・・ね?きっもちわりーでしょ?
大学生当時 確か最後まで見なかった覚えがあります。


 しかし私ももう46歳。さすがに人生の酸いも甘いも分かる年齢になりました
そこで見たこの作品ですが・・・・

いやあ、面白かった!

冒頭 今は寂れてしまった田舎町の商店街に、今のホドロフスキーがたたずみ
「昔は活気に満ちた街だった」と語ると
モノクロの書き割りがバタバタバタ!っと立ち上がり いきなり喧嘩とグロと血と・・・
コビトと・・・みたいな風景が広がってくる そのオープニングから心をわしづかみにされました

最近そういう風に「映画の地平を広げたいと思っている人」の作品って、自分の中では
ご無沙汰だったこともアリ、「こうやって表現しても良いんだ!」という喜びでワクワクしましたね

愛していた母親だけ延々オペラ調で歌っているとか
いろんな表現が86歳になったからなのか?自伝的ストーリーだからなのか?
昔の作品よりも上品さをまして、見ていてとても楽しめました。
(昔のホドロフスキー作品って イメージとしては吐瀉物とウジ虫と死体みたいな感じで
 スクリーンで見ていて気持ち悪くなる感じでしたからねぇ・・・私の勝手なイメージですけど)

あと。。。
日本の状況も変わったんでしょうね
この作品は男性器がボカシもなしに バンバン露わになります
これは昔なら絶対修正が入りました
でももう こういう「芸術作品」は良いんですね?
正直結構ビックリしました

日本で私が男性器をスクリーンで見たのは
私が20歳の頃、なぜか早稲田の雄弁会が「西部進先生から借りたビデオテープの上映会」
という、今だと色々アウトな上映会が なんと大隈講堂でありまして
行ったら、それが大島渚監督の「愛のコリーダ(無修正版)」だったのです。
当然一発目から藤竜也のタツヤがタツヤで・・・そりゃビックリしたのを
覚えています
女性が卵産んだりしますしね・・・

話はそれましたが
今回初めて組んだというクリストファー・ドイル(「恋する惑星」で有名になった撮影監督)
との相性も良く、非常に情熱的なチリの街を生き生きととらえている感じが
素晴らしかったです
あなたが大人であれば、是非・・・。




by AWAchampion | 2017-12-01 11:58 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

最近見た映画をここから3本まとめて 書きます

■「ブレードランナー2049」
 かのカルトムービー「ブレードランナ-」の続編で、今年快作「メッセージ」を発表した
ドゥニ・ヴィルヌーブ監督作品と言うことで楽しみに見に行きました

 ネタバレを含むので、ずばっと書いてしまいますが、もともと公開当時は
ルドガー・ハウワー演ずるレプリカントを追い詰める、人間の警察官ハリソン・フォードが
最後に最強のレプリカントを仕留めて良かったね・・・・という作品だったのですが
それから数年後?10年近くたってからですかね?リドリー・スコット監督がエンディングを
変えたディレクターズカットを発表しました。
そこには 闘いを終えたハリソン・フォードが眠りにつくと 彼が電気羊の夢を見る・・・
これはレプリカントの特徴である。というバッドエンディングに変更されていました。

実は原作ものちに読みましたが「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」というのが
そのタイトルですから、実はディレクターズカットこそ原作に忠実だったんですね。

で、今回はもうそれが当然のように進みます

今作を見た感想ですが、この映画単体でメッチャ良い映画です
とても深淵で思索的で、しかも世界観がしっかりできあがっているので、主役の
ライアン・ゴズリングだけでなくホログラムの彼女(アナ・デ・アルマス)の悲しみなども
本当に素晴らしく描けてると思いました。

レプリカントだのホログラムだのを描いているのに「人間」が描けているとは
これいかに・・・ですが、いやホントヴィルヌーブ監督の腕は確かです
「スゴ~イデスネ視察団」の総合演出である 津田さんが以前
「僕はね、ヴィルヌーブ監督作品は全て傑作だと思っているですよ!」と熱く語っていましたが
いやその通りですね。彼がカナダ・ケベック出身で 凄くフランス映画の良いところを
継いでいるのも好感が持てます
監督のタイプとしては もの凄く物わかりの良いテレンス・マリックって感じですね。

でもね・・・
これ、続編感薄くねぇ?

というのが第一の感想です
ぶっちゃけハリソン・フォード要らないでしょ?この世界観の中に。
と思いました

FBで書いたら 放送作家の武田浩さんから「その後に発表された短編とかも見ろ」と
ご指摘を受けましたが、まだ見てないので言い切っちゃいます。
前作の両バージョン見たファン的には
いやぁ・・・これはこれで完結した作品で、ハリソン・フォードは一瞬だけ出れば
良かったのでは?と思っちゃいました

by AWAchampion | 2017-12-01 11:33 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

先日早速話題の映画「アウトレイジ最終章」見てきましたよ!
若干ネタバレするので 見てない方は逃げて逃げて!



さあ、良いでしょうか?
アウトレイジは北野武監督が初めて手がけたシリーズ物の映画で
今回は3作目

第一作は2010年 関東の一大暴力団 山王会の中の権力闘争を描いた
作品で、そのバイオレンス描写が話題と成り、
第二作の2012年「アウトレイジ・ビヨンド」は山王会の権力闘争が
関西の花菱会を巻き込み、謀略が謀略を生むリチャード三世みたいな話になりました

そして第三作は前作から5年の時を経て 花菱会と、韓国フィクサー張との闘いという
事になりました

このアウトレイジシリーズは シリーズと言いながら明確な色分けがあります
第一作目はバイオレンス描写のアップデート 現代日本の最新の暴力表現を追求した作品で
かなりスプラッタな表現も含まれています
第二作目は「言葉の暴力表現」に力点を置き、その中で1作目より遙かに練られた脚本で
じりじりと人間関係に潜む暴力を描き出しました

そして第三作
これは 冒頭の画を見た瞬間に「あ!」と誰もが気がつく仕掛けがあります。
そう、北野映画の最高傑作1994年の「SONATINE」そっくりなのです。

「ソナチネ」は、抗争に疲れたヤクザが沖縄で部下達とまったりとした時間を過ごしながら
死に時を求めていくという、乾いた暴力表現と厭世表現が素晴らしい90年代の傑作です。

つまりこの作品はビートたけし演ずる大友の最後の死に場所探しの映画なのです。
もちろんストーリーとしては 花菱会と張グループとの抗争が描かれるのですが
ビヨンドよりもまったりと、そして緩やかに描かれます。
全ては大友の暴力によって解決するという構図が 明らかに他の2作とは違います
ビヨンドは 結構途中まで大友は目立ちませんでしたからね・・・。

最終章というだけあって、老いたギャングスターが人生の最後の時を探す・・・と言う面で
ゴッドファーザーpart3にも似た風合いがあると思いました

この作品も非常に良い作品だと思いましたが
残念ながら 主要な出演者が皆70歳を超えてしまい すこし肉体表現の激しさに欠けるところは
否めません。
その意味で アウトレイジシリーズはやはり ビヨンドが最高傑作だったんじゃないか?と
思いました。





by AWAchampion | 2017-10-12 05:15 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

実は今、とある番組のロケでニューヨークにいます

来るときJAL便を利用したのですが
その飛行機の中で、映画を見ようと色々探っていたら
ワールド映画のコーナーで「Winter in Tokyo」という文字が
どうやら インドネシア映画で 英語字幕が付いているようです

そこで興味をそそられて見てみました

a0054076_11264292.jpg
見始めて いきなり「Winter in TOKYO」のタイトルが乗っている駅の表示が「長岡」と書いてあり
不安な出だし・・・

見てみるとこれが中々の珍品でした

出演者は基本 インドネシアの役者さんなんですが
名前が KEIKOとかKAZUTO みたいな日本風
しかも まず会話の最初は 片言の日本語で「メッチャ寒いねぇ~ 元気~ 」みたいな
感じで始まり その後はずっとインドネシア語
つまり 会話の最初と最後の2ワードぐらいだけ日本語で後は 急に流暢なインドネシア語に
なるのです

で、設定もどうやら日本人設定

内容も、矛盾だらけの 一時期はやった携帯小説みたいなものが延々続きます
(私よりも徹底的に詳しく書いてらっしゃるサイトがあるので
 ご紹介します)
いやぁ・・・とにかく珍しい物を見ました

しかし女の子は可愛いですから
是非JALの国際線をお使いの皆さんは見てみて下さい
日本未公開だそうですが、これは是非日本でDVD化して欲しいです!(笑)
まさにつっこみどころ満載!






by AWAchampion | 2017-09-30 11:33 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

ダンケルク見ました

さて 非常に話題になっている映画「ダンケルク」見てきました
ネタバレしますので まだ見てない人は逃げて下さいね!






さあ、いいですか?
クリストファー・ノーラン監督の最新作は
第二次大戦の緒戦で ドイツ軍がフランスに侵攻
イギリス軍とフランス軍が海沿いのダンケルクに追い詰められて
そこから脱出させる・・・という作戦の映画化でした

映画はいきなり 若い二等兵の元に空からビラが配られたビラが舞ってる
所から始まります。
そのビラには英語で「君たちは包囲されている。投降しなさい」と書かれていて
それだけが状況説明
その他は とにかくダンケルク海岸から逃げ出そうとする兵隊達の描写が
非常にリアルに描かれます
海岸から脱走しようとする兵士達。その中でイギリス軍の二等兵と
物を言わぬ兵士(フランス軍)との友情
対岸のイギリスから 民間の小舟が兵士を救出しようとダンケルクに向かう途中で
難破した船から救った兵士が船の中で錯乱するようす。
ドーバー海峡上空で 英国空軍スピットファイアとドイツ空軍メッサシュミットの闘いと
英国空軍パイロットの孤独。
などが 結構時系列をガンガン無視して 昼夜関係無く奔放にカットバックされる構成で
正直初めはとまどいます

もちろん全て もの凄く簡単なストーリーなので 混乱するほどではありませんが
感情移入という面では中々しにくい映画かも知れません

この映画はそういう「1兵士への感情移入」とか「敵にも事情と大義名分があったのだ」みたいな
従来の戦争映画では無く
ただただ、ひたすら戦場体験型の恐怖映像が続きます
その意味では 結構ゾンビ映画とかに近いかも知れないです

音響や映像、ディティールの素晴らしさなど
映画のクオリティはもの凄く高いですが、皆さんの思っている戦争映画の感情はわき上がりません
むしろ ノリとしては竜巻映画とかに近いかと思いました

ここでふと、同じフランスの海岸で繰り広げられる「史上最大の作戦」を思い出しました
あの映画は遙かにエンタメを意識して作られていますが
とにかく戦後20年ぐらいしか経っておらず、役者もスタッフもみんな戦争体験者であるという
異常なディティールのリアルさがあり、正直ダンケルクよりもリアルに見えました

不思議な物ですね。テクノロジーだけが映画を前に動かすわけじゃ無いんですよね




by AWAchampion | 2017-09-30 10:59 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)