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今日、1971年(私が生まれた年)の名作
「八月の濡れた砂」(藤田敏八監督)のDVDを見てました。

内容自体は、高校を中退して若さをもてあまし、
暑い夏を湘南の海で過ごす不良少年達と、別荘地の美人姉妹との
不思議で、暴力的な関係を描いた、非常にいい映画です。

低予算なのですが、藤田監督のセンスがビンビンに尖っていて
今見てもカッコイイ映画でした。


で、この日記の本題ですが・・・。

映画の本編を見終わった後、何気なく特典の
人物紹介やら 公開データーを見ていたら、こんなことが書いて
ありました。


■クランクイン  1971年7月14日
■クランクアップ 1971年8月20日

■初号試写    1971年8月23日
■封切公開    1971年8月25日

・・・・・・ん?

お気づきでしょうか?

クランクアップから3日後に すでに映画が完成していて
量産プリント体制に入り、5日後には全国で公開している
んですよ!

これ映画ですからね。

何時編集して、いつ音入れたんですか!

連続もののテレビドラマだって、撮影終了から1~2週間は
後処理にかかりますし、そもそもビデオ収録とフィルム収録では
編集の大変さが10倍ぐらい違います。
だって、クランクアップした日のフィルムを即日
現像したって、1日ぐらいかかるはずですからね・・・。

え?


ホントかな?


そんなことが可能なんでしょうか?
当時 日本映画は斜陽とはいえプログラムピクチャー制度で
毎週2本 封切されていたのですが、に・・・しても
撮って出しすぎませんか?


私、映画研究会出身ですが、意外とそういう当時の製作現場
状況には疎いです。もしご存知の諸先輩方がいらしたら
当時の映画のポストプロダクションの様子など
教えていただきたいです、
by AWAchampion | 2010-03-12 01:09 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

ヘンテコ映画3本立て

今日はお休みだったので、ヘンテコ映画ばかり見てました。

●「不良番長 口から出まかせ」(1971年 東映)

梅宮辰夫と山城慎吾のご存知バカ映画シリーズです。
不良番長梅宮が、不良仲間と海を漂流していると
女ばかりの漁村に流れ着き、いきなりなぜか清川虹子率いる
女村長に、強引に乱交祭りに誘われるという
オープニングからして、もうバカです。

昔の東映東京・大泉学園の撮影所はこんなエログロナンセンス映画
ばかり撮っていたんですよねぇ・・・。

だって途中で、宿がなくなって動物園で寝ていたら
メスゴリラに襲われたので、梅宮辰夫がパンツを脱いで
男性のしんぼるを見せ付けたら、メスゴリラがメロメロになるって
シーンがあるんですよ。
今ではあり得ないでしょ?

いやぁ、東映の3本立ての脳みそ空っぽ映画って、
変な味がありますネェ・・・。

●「でんきくらげ」(1971 大映)

名監督にして、大映テレビの基礎を築いた増村保造監督の、
キャリア後年 不遇の時代の代表作です。
市川雷蔵や勝新太郎で大もうけした大映も、71年の倒産前後は
エロス映画に乗り出していました。

この作品は「いそぎんちゃく」「でんきくらべ」「しびれくらげ」
といった軟体動物シリーズと呼ばれる作品群の一つです。

私は昔 大井町の大井武蔵野館で4本立てぐらいで見たので
あまり覚えていなくて、もう一度見直してみました。

すると、単なるエロ映画かと思っていたのですが、意外な
拾い物のいい映画でした。

渥美マリ演ずるサトミは、場末のバーのホステスの母と、その
情夫と3人暮らし。洋裁の学校に通う貞淑な19歳でしたが、
ある日、母の情夫に手込めにされます。逆上した母は、情夫を刺し
刑務所へ・・・。
サトミは生きていくために、母がいたバーで働くこととなります。

その後サトミは、その魔性の肉体と度胸で銀座のホステスへとのし上がり政財界の大物を転がす「でんきくらげ」となるのです・・・。

でも彼女の心は、彼女をいつも守ってくれる川津祐介演ずる
バーのマネージャーのもの。でも商品である自分に惚れてくれない
葛藤で、彼女はいつしか恐ろしい計画を思いつきます・・・。

というような、まさに大映テレビのパターンの映画なのですが
そこはさすが増村保造。きちんと登場人物のキャラクターを描いて
いるので、今の日本映画のなかに入れたら、確実にキネ旬10位には
入るであろう出来でした。
こういう映画が、いわばエロ映画として消費されていたんだから
日本映画は活気があったわけですよ・・・。


●「俺たちフィギュアスケーター」(2004年 ドリームワークス)

真央ちゃんの活躍などがあったので、気がついたら借りていました。
この映画はご存知の通り、もともと男子シングル フィギュアの
スター同士が、試合会場で乱闘騒ぎを起した事から、スケート界を
追放され、
仕方なく法の網目を潜り抜けて、男性同士のペアーを組んで
再び金メダルを狙うという、ストーリーです。

この話はロッキーや、レスラーのような負け犬映画フレーバーの
バカ映画だったので、非常に感情移入しやすく、
爽快なバカ映画として、レベルの高いものでした。

やはりハリウッドは、この手のバカ映画でもきちんとストーリー
アナリストがついて、しっかり脚本を練っているので
普通に楽しめる映画になっていました。




やはり、脚本をしっかり練らないと
いい映画にはなりませんし、逆に言うと 登場人物のキャラクターや
動機付けがしっかりしていると、バカ映画やエロ映画でも
非常に見ている人の心を掴むことができるんだナァ・・・。と
再確認しました。
by AWAchampion | 2010-02-28 23:54 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

今日、日テレで「崖の上のポニョ」を見ました。

私は封切り当時にMIXIに、ポニョについて思うところを書きましたが、
今回こちらに転載します。

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>以下2008年 8月6日付日記の転載

今日、渋谷で午前中に打ち合わせを済ませた後、11時50分からの回の
「崖の上のポニョ」を見ました。


以下ネタばれします。見てない方は、今のうちに逃げてぇぇぇぇ!




見た率直な感想を言えば、
「素敵な初恋のストーリーだが、確かに大人向けかも?」という
事でした。

ストーリーは ジュール・ヴェルヌの小説「海底2万リーグ」で、
潜水艦ノーチラス号に乗っていた、少年フジモトが、海の聖なる母性
グランマンマーレに恋に落ち、人間であることをやめ、海の代弁者となって大人になった時代の話・・。
彼が海底でくらげの養殖を始めているところから始まります。

フジモトとグランマンマーレの子供たちは、魚のポニョと妹達。
そのうちポニョは外の世界が見たいと家出します。

家出した先でポニョは5歳の少年宗介に出会い、恋に落ちます。

一度は戻されますが、「宗介にあいたい」一心で彼女は人間に
姿を変え、また陸を目指します・・。


といった話です。

もちろんベースにはアンデルセンの「人魚姫」があったりして、
大人にとっては、知識があればあるほど、楽しめますし、
フジモトの目的が「地球と海ををもう一度デボン紀のような、命あふれる時代に戻したい。そのためには人間が邪魔である。」と思っていたり
する心も、大人であればこそ分かるのです。

今までの宮崎映画を見ている人にとっては、彼のテーマである
「自然との共生」のベクトル上の話なんだということが、大人であれば
ニヤリとしてしまうほど分かりやすく展開します。


で、ポニョはもう理屈なしに好きになった男めがけて、一目散に
会いに行くわけです。
山口智子が「ポニョに女の本性を見た」と言っているのが非常に
的を得ていて、理屈抜きで宗介を追っていく様子は、ちょっと
近松の登場人物を思わせて、大人から見ればかなり性的にも思えます。

この映画は、画面上に無数にちりばめられた引用や
隠喩を紐解く知識を持った上で、
「どうしても逢わねばならぬ人がいる」という
本能的な体の疼きが分かる、高校生以上の人には、非常に響く素晴らしい作品だと思います。

が!


劇場を埋めた半数の 5~9歳の子供達は、
見た後みんなでっかい「?」マークを
頭から噴出していました。

その理由は非常に明確に2つあります。

一つは、ポニョはすでに魚の時点で「ポニョ、宗介好き!」としゃべれているので、
子供からしたら、別に人間だろうがしゃべる魚だろうが、
あまり変らないのです。
子供はアニミズムの世界で生きています。だから人間の姿を持つ
事の重要性をあまり感じないばかりか、「魚としゃべれて素敵」と
逆のことを思ってこの映画を見ている事もあると思います。

なので、「最後にキスをすれば、人間になれる」というフックが
あまり効いていないのです。
ポニョが人間になることは、子供達にとって
必ずしも完全なハッピーエンドとは言えない場合もあるのです。
これは、「魚のときはしゃべれない」としておけば随分違ったと思います。

二つ目は、「ポニョを人間にするための古い魔法」とは、男の子の
変らぬ愛情のことだと思います。
本当は、「異形のものであるポニョを、それでも君は愛せるのか?」
「モチロン、愛は永久に・・。」というやり取りがあって、
おもむろに王子のキスをささげるという流れなのでしょう。

が!ラストはアクシデントでポニョからキスしてしまうので、
子供達からすると、「宗介は結局なんにもしないで、話聞いただけジャン」と思ってしまうと思います。
さらに、その話も「ポニョが魚だったことは知ってますか?」という
話に「うん」というというものでした。
これは観客の誰もが、既に知っていることなので、特に子供はハードルに感じないでしょう。

だから「失敗すると泡になってしまう」というフックが全く効かないままいきなり終わってしまった感じがありました。

大人の目から見ると、「ポニョの初恋の純粋さ」に胸を打たれるラストですが、子供の目から見ると、ひねりすぎた気がしました。

宮崎さんが「子供の反応が薄い」とおっしゃっていたそうですが、
私が見る限り、理由はかなりはっきりしていたように思います。

これは高校生がみたら、胸を焦がして何度も見返してしまう作品だと
思います。今の子供がDVDで何度も見て、何年か後のある日不意に本当のメッセージに気がつく類の映画でしょうね・・。

それとは別に・・・。

車で走っているときに、よそ見してソフトクリームをなめたり、
助手席の子供がシートベルトをしなかったり、
退避勧告を無視したりするシーンは全て、テレビでは考査の対象になり、普通は放送できません。
テレビドラマで同じ事をすれば、全て台本段階でカットを要請される
かなりNG度の高い事柄ばかりです。

日テレはこの映画を放送できるのでしょうか?
ちょっと心配になりました。



>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>引用ここまで

1年半たって、
2度見ると、この映画にふんだんにまぶされている、引用や暗喩に
気がつくことも多いです。

しかし、それでも私自身100%分かったとは言いがたいです。
やはり ポニョの父 フジモトは、ヴェルヌの小説を読んでいない私にとって、
映画全体を通して、統一した立場で様々な行いをしているように見えないです。

また この映画がヴェルヌの小説を下敷きにしているという、説明はやはり
映画の中に、私は見つけられませんでした(上記の文章は、パンフレットを読んだあとに書いています)

まあ私が無学といえば、それまでなのですが、5歳の子供はもっと知らないと思うのです。
う~む。やはり この映画を100%楽しむためには 監督本人の注釈がたくさん必要な気がします。

それから日テレは 私の心配をよそに バリバリノーカットに近い形で放送しましたね。
by AWAchampion | 2010-02-05 23:22 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

奇才スパイク・ジョーンズ監督の新作
「かいじゅうたちのいるところ」を見ました。

例によってネタバレしますので、見る予定の方は
逃げてぇ!!














原作は非常に有名な絵本だそうで、特にアメリカで2000万部も
出ている本だそうです。
ただ、私は未読の状態で見ました。

ストーリーは12歳の男の子 マックス君の日常からスタートします。
夢見がちで自宅に箱庭を作るのが大好きなマックス君は、
いつも冒険を夢見て、その世界のなかで王様ごっこを一人でしています。

でも実際には高校生のお姉ちゃんやお母さん
が自分の事を見てくれないと、寂しくなってしまう男の子。

そんなマックス君がある日家出をします。
そしてたどり着いたのがかいじゅうたちのいる島。そこでマックス君は
待望の王様となってかいじゅうたちをまとめていくのですが、
人間関係に翻弄されて 大人になっていくのです・・。

という話です。

私は見る前はもっと幼児寄りの話なのかと思いましたが、
大人が自分の子供時代を痛々しく振り返るような映画で、
すこし「狼の血族」なんかを思い出しました。

スパイク・ジョーンズと、雑誌の編集者 エッガーズさんという
映画の長編脚本を書くのは初めてというコンビが、
合宿してブレストを繰り返しながら書いた脚本は
非常に会話として洗練されているのですが、洗練されすぎていて
子供向けの会話ではなく、ウッディ・アレンの映画か?
と思うような大人っぽいもので
かいじゅうっぽくないなぁ・・。という
印象を持ちました。

原作が分からないので、原作がそういうテイストなのかも知れません
から、それが良い悪いではなく、この映画のテイストを
幼児向けではなく大人向けに見せている大きな要因だと思いました。

つまり洗練というのは、いかに省略の技法を使っているか?という
事なのです。
宮崎駿さんの映画も非常に大人っぽい台詞が出てきますが
あちらは子供が見ても成立するけれど
大人の知識があれば更に深まると言う意味で、洗練ではなく
過剰というべきなのですが、
この映画の場合はとにかく
大人の豊富な文学的体験があってこそ100%伝わるという
感じがしましたから、子供がどう感じるかは、ちょっと
興味が湧きました。

で、とにかく着ぐるみの造型が素晴らしかったです。
聞けば あのセサミでおなじみ ジム・ヘンソンスタジオが
巨大パペットとして制作したそうで、中に人が入りつつ
表情筋を機械で動かしているのだそうです。

結果としてCGではなく実写の持つ温かみが出て、
さらに実写ですから、手持ちでブンブンカメラをぶん回せて
非常に素敵な映像表現になっています。
夕日やマジックアワーの中で 駆けずり回る
かいじゅうたちは本当にビックリするほど生き生きしています。

ここまで生き生きしているからこそ、ドロドロとした
人間関係も描けるんでしょう。

なんか書いていて思い出したのですが、映画の印象としては
テレンス・マリックの「天国の日々」に似ているかもしれません。

だから、映画としては相当クオリティが高いと思いましたが、
子供向けではないでしょうから、
ネットなどでの評判は必ずしも高くないのがちょっと残念ですね。
by AWAchampion | 2010-01-24 04:14 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

「カールじいさんの空飛ぶ家」を見ました。
また、例によってネタバレしますので、見るつもりの方々は
今すぐ逃げて下さいねぇ!









というわけで、ピクサーの最新作、「カールじいさんの空飛ぶ家」を
見てきました。
これは、「モンスターズ・インク」の監督で、「ウォーリー」の
原案者でもあるピート・ドクターが原案・脚本・監督を務める
オリジナルストーリーで、冒険に憧れたおじいさんが、老境に
さしかってひょんなことから本当の冒険に出かけるという
物語でした。

宮崎駿監督が、この映画への宣伝文句として「わたしは回想のシーン
だけで満足してしまった」というものがありましたが、
まさにそういう映画でした。

映画が開始して15分ほど続く、カールじいさんと亡き妻エリーとの
人生を語る回想シーンは、それだけで泣けてくるすばらしい
物語です。
が、その後、物語はカールじいさんと少年ラッセルとの
出会いから、急にマッチョな大冒険譚へと変わります。
なんだか後半は じいさんはランボーみたいな大活躍ぶりで、「ん?」って感じでした。

正直言って、二つの物語が合体したような作品で、
それぞれよく出来てるのですが、全体としてはあまり誉められた
映画とは言えないかも知れません。

しかも回想シーンにすばらしいパワーがある分、もう少し
ちゃんとカールとエリーの物語を描いて、家が空を飛ぶところで
話を終わりにするぐらいの方が良かったのでは?と思いました。

確かにピクサーとディズニーですから、これぐらいのジェットコースタームービーにしなくてはいけないのかもしれませんが、
私がまずこの映画のビジュアルを見て期待した、「枯れた老人の
空想が実体化するような、泣ける物語」の方向で頑張った方が
絶対いい作品になったと思うのですが・・・。

いろいろと欲しがり過ぎちゃった作品かなぁ?という気がしました。


>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
追記ですが・・。

劇場でのみ見られる 短編
「晴れ ときどき くもり」(Partly Cloudy)は
最高の映画です。本当に心が温まる
ディズニーらしい名短編でした。これは必見です。

この短編とカールじいさんの前半15分で、十分元は取れます。

でもカールじいさん もっと泣ける話になったんだろうにト思うと
ちょっと惜しいですねぇ・・。
by AWAchampion | 2009-12-12 05:40 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

今日、マイケルジャクソンの、幻となったロンドンツアーの
リハーサルの様子を記録したドキュメンタリー「This is it」を
見ました。

歌舞伎町の600人入る映画館は、下は20代前半と思われる
ヒップホップ好きの男の子から、上は50代と思われる
熟年夫婦まで幅広いファン層で、平日の19時の回ながら
いっぱいでした。


以後例によってネタばれします。見るつもりの方は逃げて!!





さて、映画は幻のコンサートのセットリストにあわせて
進行していきます。
このコンサートはマイケル自身が「This is it」・・「これでおしまい」と「これが決定版」という二つの意味をかけたタイトルを冠し、
ファンの前でも「今回はみんなが聞きたい曲を全部やる!」と
宣言しただけあって、本当にヒット曲ばかりが目白押しの
すばらしい構成でした。

一曲目は「スリラー」の一曲目でもあった
「Wanna Be Startin' Something」。
いきなりノリノリです。

その後も「スリラー」も「ビートイット」も「ビリージーン」も
勿論出てきますし、
なんと、ジャクソン5時代の「I want you back」
「I'll be there」なども唄います。

そしてマイケル自身がバンドメンバーに何度も言っていたように
「始めのレコーディングと同じようにするんだよ。みんなが
思っているそのままのイメージを、まず再現して欲しい」というだけ
あって、本当にマイケル世代の心をわしづかみにするような
サウンドが続きます。

そして、マイケル自身が、あの伝説的なPVの踊りの数々を
ダンサーと共に再現していくわけです。
しかし、考えてみてください。マイケルは当時50歳。
「スリラー」のPV撮影当時は24歳でした。
しかし、本当に当時と全然見劣りしないどころか、むしろ
ちょっと上手くなったんじゃないか?ぐらいのクオリティで
踊って見せるのです。

すげぇ、マイケル。

ただただ本当に仰天です。

プロレスラーの武藤敬司が「だれも思い出には勝てない。若いときの
動きに勝てるわけがないのだから、レスラーは年をとると存在感で
勝負するしかないのだ。」という名言を吐いています。

しかしマイケルは、本当に一人だけタイムカプセルに入っていた
かのように、軽やかに、あの頃と同じように軽やかに踊って見せるのです。

もちろんリハだから本意気ではないのでしょう。本人もそうもらす
シーンがあります。しかしそれでも驚愕のパフォーマンスであることは事実なのです。

またスタッフ達の思いもビンビンと伝わってきました。

マイケルを支えるダンサーは全世界から数百人もの人々の中から
選ばれた精鋭中の精鋭たちでした。
彼らにとってマイケルは「生まれて初めて、本当にカッコイイと思える
物を見たのがマイケルの踊りだった。」
「マイケルは僕の人生の全てだ」と語るほど、1980年代生まれ
の20代のダンサーにとって、巨大な存在であるわけです。
ですから、ダンサー達の気合もすばらしく、それだけで泣けてきます。

さらにバンドメンバーも全米のすばらしい精鋭を集めているのです。
かれらは30代後半から40代後半ですが、彼らにとっても
マイケルジャクソンは、憧れのエンターテイナーだったわけで、
だれの心にも「いま自分はキャリアの頂点にいる」という
思いがあるのです。

そんな一流の面子が超本気モードでいる中、マイケルは本当に冷静に
的確に、そしてやさしく一つ一つ問題を解決し、120%の
パフォーマンスに持っていくのです。

これを見るまでは、マイケルは変な人だというイメージがありましたが、
かなりまともで、普通にいい仕事をするやさしい職人と言う
感じがしました。生前にもっとこういう姿を見せればよかったのにと
思いましたよ。


で、スタッフもみんな マイケルに憧れた青年期を過ごしているわけです。
そんな人々の前でマイケルは アンコールの一曲目として
彼の代表曲「ビリージーン」を一人で唄い踊ります。

あの頃のままの歌声とダンスで踊るマイケル・・・。
光る手袋をしているわけではなく、生身のマイケルが
最高のパフォーマンスをして見せるわけです。
ダンサーもスタッフもみな、最前列に陣取って食い入るように見ます。

そして曲が終わると、何時までも鳴り止まない拍手が・・・。



マイケル 最高でした。



どうかこの映画は最後の最後、スタッフロールの最後まで
見てください。


歌舞伎町の映画館でも、スタッフロールが終わり、客電が上がった時
客たちから大拍手が起こりました。

本当に king of popに圧倒されます。

是非映画館で見てください。


ただ、一つだけ思ったのは、僕が大好きな「off the wall」から
一曲も歌われなかったのがちょっと残念でしたね・・。
「Rock with you」とか「Off the wall」って最高の曲じゃないですか?
by AWAchampion | 2009-11-25 00:06 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

タランティーノ監督、ブラピ主演の新作映画
イングロリアス・バスターズを見ました。

例によってネタバレしますので、見る予定の人は逃げて!




一言で感想を言うなら、
「単にストーリーとしてはおもしろいが、タランティーノは頭がおかしいクソ野郎だ!」です。

物語はナチ統治下のパリで、ジューイッシュ・ハンターと呼ばれるドイツゲシュタポの将校と、テネシー出身の気違いアメリカ軍人に率いられた亡命ユダヤ人部隊の攻防を縦糸に、
パリの小さな映画館の館主にして、逃亡中のユダヤ人である若い娘に
恋したナチスの戦争の英雄にして素朴なドイツ青年の、一方的な
恋の顛末が横糸に進行します。

しかしとにかく気が狂っているサディズムな人ばかりが出てきます。
ブラピはその、テネシー出身のナチハンター部隊長で、とにかく
恐怖を与えるために、ドイツ軍人を無差別に攻撃して
バットで撲殺して、頭の皮をはぎ、100枚を目標にするという
サイコな役で、まったく正義のかけらもないアメリカ人です。

とにかく 15人いる部隊なら、14人までをバットで撲殺して
最後の一人だけ、額にカギ十字の疵をナイフで彫り付けて
逃がすという悪辣さ。
ほんとにそんなことしたらジュネーブ条約にバリバリ違反しているわけですが、そんなのお構いなし!
しかも映像表現も露骨で、頭の皮をはいだり撲殺したりと言うところを
まさにジョージ・A・ロメオも真っ青のグロ表現で描きます。

もう、舞台設定だけ「ナチ」「ユダヤ」「パリ」を借りてるだけで
要は13日の金曜日みたいな映画なのです。

ただ、タランティーノは、観客と登場人物に
「AかBか?どちらも行き止まりだが、どちらを選ぶのだ?」
という選択を迫るシーンが多く、
しかもその状況がホントによく出来ています。

だから、どうしても話は面白く感じてしまうのです。

しかし・・・、いくらクソ野郎のバカサイコアメリカ人と言っても
描いて良い事と悪いことがあります。
私がいやなのは、これをみたバカアメリカ人高校生が、そのまま
貧しさゆえに軍隊に入ると
「ナチは悪人だから頭の皮をはげばいいんだ!」みたいな
ジュネーブ条約もクソも関係ないバカ軍人になりそうな気がします。

いやホント 面白いといえば面白いが頭おかしいです。
とにかく子供連れとかデートでは見ないほうが良いです。
by AWAchampion | 2009-11-22 04:31 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

水之江滝子 死去

松竹少女歌劇団SKDの戦前の大スターにして、レビュー界の巨星 ターキーこと水之江滝子さんが
今日なくなられたそうです。94歳の大往生でした。

彼女は男装の麗人として一世を風靡したスターで、レビューを国民劇にした立役者でもありました。

その後映画プロデューサーに転じ石原裕次郎を発掘、「狂った果実」で彼を一躍スターダムに
のし上げたのはご存知の通りです。

考えてみればその「狂った果実」もですよ、当時新進の小説家だった石原慎太郎に映画用に原作を書かせ、中平康という素晴らしい若手映画監督にメガホンを取らせ、
さらに「太陽の季節」では端役でしかなかった石原裕次郎にいきなり主役を
させただけでなく、同じくほぼデビュー作の津川雅彦と組ませたという、キャスティングの妙が光る作品です
から、本当にプロデューサーとしての手腕があったのですね。

文化と言うのはとかく、「最新のものがいい」と思われがちですが、
戦前には、レビューが東京で一世を風靡し、
戦後には、こんな素敵な映画が封切られていたということで
ターキーこそ日本の 西洋風メインカルチャーを体現してきた、かっこいい女性だったのでしょうね。

you tubeには、彼女の歌声が残されています。



この写真は本当に男装の麗人として美しいですね。
のちにベルばらを演出することになる宝塚歌劇団の植田紳爾先生が、学生の時にターキーの大ファンだった
そうです。
そう考えると、彼女のこの「薔薇のタンゴ」がまた味わい深く聞こえてきます。


巨星 水之江滝子さんのご冥福をお祈りします。
by AWAchampion | 2009-11-21 10:11 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

大浦みずきさん 死去

また、名花が散りました。

あの宝塚の「ダンスの名手」 なつめさんこと 大浦みずきさんが
肺がんで亡くなったそうです。

まだ53歳だったそうです。若すぎます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091115-00000086-jij-soci

なつめさんと言えば、「キス・ミーケイト」でスターとなり、また「ジュテーム」で好演するなど
私の父 岡田敬二にとっては忘れられない女優でした。

ご存知の方も多いでしょうが、彼女のお父さんは詩人の阪田寛夫さんで
「さっちゃん」「ぞうさん」などの作詞としても有名で、彼女の事を書いた
「わたしなつめの父です」は宝塚関係の名著でした。

まさに宝塚のフレッドアステアだった名花の死は、本当に惜しい気がします。

you tube からTMP(1986)のダンスシーンをピックアップしてみました。
アステアの「コンチネンタル」と「空中レビュー時代~キャリオカ」を踊っている
まさに全盛期のなつめさんです。



you tubeに、なんと父が演出をした宝塚歌劇団 東南アジア公演(1982)の映像がありました。
当時のスターは平みち 2番手に出てくる 1分10秒ぐらいからのところで唄っているのが
大浦みずきさんです。超貴重映像をお楽しみ下さい。



心から なつめさんのご冥福をお祈りいたします。
by AWAchampion | 2009-11-15 23:39 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

先ほど、色々と昭和40年代の宝塚歌劇団の事を検索しておりましたら
とんでもない、貴重映像が見つかりました。

それがこれです。
35年前(1974年)にNHKで放送された 紅白?の映像です
場所はNHKホール。
7分ほどのショーを 夭折の天才演出家 鴨川清作さんが構成され、
伝説の大スター 真帆志ぶきさん、ベルばらのオリジナルキャスト 汀夏子
後の大スター 順みつき 麻実れいが若手で頑張っています。
これは雪組で、年代を見ると多分 真帆志ぶきさんは専科になられて
汀夏子さんが雪組のトップに成り立ての頃ではないでしょうか?

「シャンゴ」「ノバ・ボサ・ノバ」の直後の脂の乗り切った鴨川&真帆コンビが
普通に見られるなんてyou tubeは凄いですね・・・。



宝塚ファンならこの映像の貴重さは分かっていただけると思います。
現在 スータンさん(真帆志ぶき)の映像はほとんど放送されることがありませんからね・・。
今は宝塚のトップスターは3年ぐらいで入れ替わってしまいますが、
スータンさんは20年近くトップに君臨した、大スター中の大スターです。しかしベルばらよりも少し前だったので、映像があまり見られる
ことが無いんです。
私自身もこの映像で初めて動くスータンさんを見ました。まずその歌の上手さに仰天しましたし
カリスマの魅力を感じました。

またベルばら直後ですので、オスカルをやったばかりの汀夏子さんの躍動感にも打たれましたね。

ミッキーさんとターコさんも若い若い!
まだ麻美れいさんが、入って3年目ぐらいでベルばらに抜擢されつつも
「電信柱」と陰で言われていた頃でしょうね?
順みつきさんは、この後 安奈順さんの後を受けて花組トップになり ますが、
オトミさん(安奈さん)もそうですが、ミッキーさんも
トップ男役でありながら女性の役もキュートだったという、
不思議な魅力がありました。
お気づきでしょうが、最後の「ハロータカラヅカ」で上手にいる女性は順みつきが早代わりした姿です。
それがこの時点で既に、男女役を両方やっているというのも、資料的には非常に重要な映像だと思います。

また「スミレの花咲く頃」「モンパリ」の作詞が白井先生、「幸せを売る男」が高木先生で
「ハロータカラジェンヌ」&「ハロータカラヅカ」が鴨川先生と言うのも泣かせるじゃないですか。
まあ、じっくり見てください。
by AWAchampion | 2009-10-30 10:02 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)