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タランティーノ監督、ブラピ主演の新作映画
イングロリアス・バスターズを見ました。

例によってネタバレしますので、見る予定の人は逃げて!




一言で感想を言うなら、
「単にストーリーとしてはおもしろいが、タランティーノは頭がおかしいクソ野郎だ!」です。

物語はナチ統治下のパリで、ジューイッシュ・ハンターと呼ばれるドイツゲシュタポの将校と、テネシー出身の気違いアメリカ軍人に率いられた亡命ユダヤ人部隊の攻防を縦糸に、
パリの小さな映画館の館主にして、逃亡中のユダヤ人である若い娘に
恋したナチスの戦争の英雄にして素朴なドイツ青年の、一方的な
恋の顛末が横糸に進行します。

しかしとにかく気が狂っているサディズムな人ばかりが出てきます。
ブラピはその、テネシー出身のナチハンター部隊長で、とにかく
恐怖を与えるために、ドイツ軍人を無差別に攻撃して
バットで撲殺して、頭の皮をはぎ、100枚を目標にするという
サイコな役で、まったく正義のかけらもないアメリカ人です。

とにかく 15人いる部隊なら、14人までをバットで撲殺して
最後の一人だけ、額にカギ十字の疵をナイフで彫り付けて
逃がすという悪辣さ。
ほんとにそんなことしたらジュネーブ条約にバリバリ違反しているわけですが、そんなのお構いなし!
しかも映像表現も露骨で、頭の皮をはいだり撲殺したりと言うところを
まさにジョージ・A・ロメオも真っ青のグロ表現で描きます。

もう、舞台設定だけ「ナチ」「ユダヤ」「パリ」を借りてるだけで
要は13日の金曜日みたいな映画なのです。

ただ、タランティーノは、観客と登場人物に
「AかBか?どちらも行き止まりだが、どちらを選ぶのだ?」
という選択を迫るシーンが多く、
しかもその状況がホントによく出来ています。

だから、どうしても話は面白く感じてしまうのです。

しかし・・・、いくらクソ野郎のバカサイコアメリカ人と言っても
描いて良い事と悪いことがあります。
私がいやなのは、これをみたバカアメリカ人高校生が、そのまま
貧しさゆえに軍隊に入ると
「ナチは悪人だから頭の皮をはげばいいんだ!」みたいな
ジュネーブ条約もクソも関係ないバカ軍人になりそうな気がします。

いやホント 面白いといえば面白いが頭おかしいです。
とにかく子供連れとかデートでは見ないほうが良いです。
by AWAchampion | 2009-11-22 04:31 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

水之江滝子 死去

松竹少女歌劇団SKDの戦前の大スターにして、レビュー界の巨星 ターキーこと水之江滝子さんが
今日なくなられたそうです。94歳の大往生でした。

彼女は男装の麗人として一世を風靡したスターで、レビューを国民劇にした立役者でもありました。

その後映画プロデューサーに転じ石原裕次郎を発掘、「狂った果実」で彼を一躍スターダムに
のし上げたのはご存知の通りです。

考えてみればその「狂った果実」もですよ、当時新進の小説家だった石原慎太郎に映画用に原作を書かせ、中平康という素晴らしい若手映画監督にメガホンを取らせ、
さらに「太陽の季節」では端役でしかなかった石原裕次郎にいきなり主役を
させただけでなく、同じくほぼデビュー作の津川雅彦と組ませたという、キャスティングの妙が光る作品です
から、本当にプロデューサーとしての手腕があったのですね。

文化と言うのはとかく、「最新のものがいい」と思われがちですが、
戦前には、レビューが東京で一世を風靡し、
戦後には、こんな素敵な映画が封切られていたということで
ターキーこそ日本の 西洋風メインカルチャーを体現してきた、かっこいい女性だったのでしょうね。

you tubeには、彼女の歌声が残されています。



この写真は本当に男装の麗人として美しいですね。
のちにベルばらを演出することになる宝塚歌劇団の植田紳爾先生が、学生の時にターキーの大ファンだった
そうです。
そう考えると、彼女のこの「薔薇のタンゴ」がまた味わい深く聞こえてきます。


巨星 水之江滝子さんのご冥福をお祈りします。
by AWAchampion | 2009-11-21 10:11 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

大浦みずきさん 死去

また、名花が散りました。

あの宝塚の「ダンスの名手」 なつめさんこと 大浦みずきさんが
肺がんで亡くなったそうです。

まだ53歳だったそうです。若すぎます。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091115-00000086-jij-soci

なつめさんと言えば、「キス・ミーケイト」でスターとなり、また「ジュテーム」で好演するなど
私の父 岡田敬二にとっては忘れられない女優でした。

ご存知の方も多いでしょうが、彼女のお父さんは詩人の阪田寛夫さんで
「さっちゃん」「ぞうさん」などの作詞としても有名で、彼女の事を書いた
「わたしなつめの父です」は宝塚関係の名著でした。

まさに宝塚のフレッドアステアだった名花の死は、本当に惜しい気がします。

you tube からTMP(1986)のダンスシーンをピックアップしてみました。
アステアの「コンチネンタル」と「空中レビュー時代~キャリオカ」を踊っている
まさに全盛期のなつめさんです。



you tubeに、なんと父が演出をした宝塚歌劇団 東南アジア公演(1982)の映像がありました。
当時のスターは平みち 2番手に出てくる 1分10秒ぐらいからのところで唄っているのが
大浦みずきさんです。超貴重映像をお楽しみ下さい。



心から なつめさんのご冥福をお祈りいたします。
by AWAchampion | 2009-11-15 23:39 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

先ほど、色々と昭和40年代の宝塚歌劇団の事を検索しておりましたら
とんでもない、貴重映像が見つかりました。

それがこれです。
35年前(1974年)にNHKで放送された 紅白?の映像です
場所はNHKホール。
7分ほどのショーを 夭折の天才演出家 鴨川清作さんが構成され、
伝説の大スター 真帆志ぶきさん、ベルばらのオリジナルキャスト 汀夏子
後の大スター 順みつき 麻実れいが若手で頑張っています。
これは雪組で、年代を見ると多分 真帆志ぶきさんは専科になられて
汀夏子さんが雪組のトップに成り立ての頃ではないでしょうか?

「シャンゴ」「ノバ・ボサ・ノバ」の直後の脂の乗り切った鴨川&真帆コンビが
普通に見られるなんてyou tubeは凄いですね・・・。



宝塚ファンならこの映像の貴重さは分かっていただけると思います。
現在 スータンさん(真帆志ぶき)の映像はほとんど放送されることがありませんからね・・。
今は宝塚のトップスターは3年ぐらいで入れ替わってしまいますが、
スータンさんは20年近くトップに君臨した、大スター中の大スターです。しかしベルばらよりも少し前だったので、映像があまり見られる
ことが無いんです。
私自身もこの映像で初めて動くスータンさんを見ました。まずその歌の上手さに仰天しましたし
カリスマの魅力を感じました。

またベルばら直後ですので、オスカルをやったばかりの汀夏子さんの躍動感にも打たれましたね。

ミッキーさんとターコさんも若い若い!
まだ麻美れいさんが、入って3年目ぐらいでベルばらに抜擢されつつも
「電信柱」と陰で言われていた頃でしょうね?
順みつきさんは、この後 安奈順さんの後を受けて花組トップになり ますが、
オトミさん(安奈さん)もそうですが、ミッキーさんも
トップ男役でありながら女性の役もキュートだったという、
不思議な魅力がありました。
お気づきでしょうが、最後の「ハロータカラヅカ」で上手にいる女性は順みつきが早代わりした姿です。
それがこの時点で既に、男女役を両方やっているというのも、資料的には非常に重要な映像だと思います。

また「スミレの花咲く頃」「モンパリ」の作詞が白井先生、「幸せを売る男」が高木先生で
「ハロータカラジェンヌ」&「ハロータカラヅカ」が鴨川先生と言うのも泣かせるじゃないですか。
まあ、じっくり見てください。
by AWAchampion | 2009-10-30 10:02 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

「しんぼる」見ました

今日、友人に誘われて
松本人志監督作品「しんぼる」を見ました。



以下例によってネタバレします。見る予定の方は、今すぐ逃げて!




すでに一部公開されているように、水玉模様のパジャマを着た男が、白い部屋に閉じ込められる話です。
部屋には天使のシンボル=幼児のペニスが無数に突き出ていて、
ペニスに触れると、なにやら物が出てくる。という約束事のうえで話が進みます。

男は部屋から脱出しようと試みますが、出てくる物は帯に短したすきに長し、と、言う所が延々語られます。


が、みていて思ったのは、脚本も演出も詰めが甘いです。
重いツボでペニスを押さえようとする所など、
「重くて持ち上がらないけど、ツボの口が狭くて、中身が減らせない」という笑いを作ろうとしてますが、
ツボのなかに寿司を詰めて重くなったら、倒して転がすか、台車を使えばよくないですか?

ツボに水を入れるのも、醤油差しを使えばいいのでは?

また、ペニスが多すぎて、どれがどれやら分からなくなり、まぐろを目印に置く描写がありますが、
直前に黒ガムテープを使う描写があるので、
「いや、なぜバミるのに最適なガムテープを使わないの?」と気になります。

ほかにも、平行して語られるメキシコの覆面レスラーの話も、
息子が級友から「あんな選手のファンだなんて、馬鹿だ」といじめられるのに、
彼は善玉で「子供たちのアイドル!」とコールされて出てくるのです。

なんか、随所で詰めの甘さを感じました。

あと、たぶん彼は精子で、これから生まれ出ずる事が示唆されますが、
「未来」と書かれた大人のペニスに触れる瞬間に、
暗転してスタッフロールが流れるのはどうかと思いました。

似たようなネタでも、「マルコビッチの穴」の方が分かりやすくて、おもしろくて、毒がありました。

「大日本人」はみてないので、なんとも言えませんが、脚本を何人かで書いたほうが彼の才能は生きる気がします。 なんと言っても日本映画に久しくいなかったシュールレアリズム系の俊英であることは間違いないわけで、 着想は天才的だと思いました。
思いつくという行為それ自体は非常に大変な作業です。
ただ、それが商品としてきちんと昇華できているかというと、今回、映画を見た一観客としては
消化不良だったといわざるをえない出来だったですね。
by AWAchampion | 2009-09-22 05:40 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

宝塚歌劇団が、来年1月に大阪・梅田 ドラマシティと、東京 日本青年館で
「相棒」を舞台化するそうです。

私は、最近の宝塚歌劇団の座付き作家の若手の皆さんや
編成担当の皆さんの路線には疑問があります。

今度「相棒」を舞台化するそうで、他にもゲーム「逆転裁判」やら を舞台に上げ、かなり現代劇の、
しかも日本が舞台のものを多くやられる傾向があります。

しかし、・・・どうなんでしょう?
それでいいんでしょうか?

もともとドラマシティだのバウホールだの公演は
若手の作家&演者の育成公演です。そこでその昔は
谷さんや小池さんは、とても意欲的な実験作を
ドンドン発表していました。
特に小池さんの「ヴァレンチノ」は、まさに
宝塚の小劇場ならではの香りがありました。

ところが最近の宝塚の作家さんは、「耽美の都」宝塚で
何をやりたいのでしょうか?

はっきり言って宝塚の若手の男役が、水谷豊以上のものを
見せられるでしょうか?
全くナンセンスですし、「ああ、男役は男性ではないんだな。」
という事しかいえないのでは?と思います。
演技力も残念ながら、彼らほどあるとは言えませんしね・・。

女性が男性の役をやっている・・これは非常にゴシックな事で、
ゆえに、ストーリーも王子と姫やら、マタドールと貴婦人みたいな
非日常の物語こそがはまるジャンルだと思います。

これを企画・演出するのは 若手の作家さんなんだろう・・・。と
思ってみたら、なんと石田昌也先生じゃないですか!
ベテランですよ。芝居もショーも出来る安定した実力の持ち主です。

それが、どうして?
察するに、そういう企画じゃないと通らなくなってきているのかもしれません。
だとしたら、編成担当者はちょっと考え直した方がいいと思います。
by AWAchampion | 2009-08-14 21:09 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

今日、今年のアカデミー賞 作品賞・監督賞・オリジナル脚本賞など8部門を獲得した
「スラムドック$ミリオネア」を見ました。


以下、例によってネタばれします。ご覧になっていない方は、逃げてくださいね。


監督 ダニー・ボイルは私にとってはすごく思い出深い監督です。
彼の出世作 「トレインスポッティング」はまさに私がロンドンの映画学校にいるときに
発表され、イギリス人の心を捉え、確実に90年代ナンバーワンイギリス映画と言われていました。
(ちなみに70年代最高のイギリス映画は「さよなら夏の光」 80年代は「Withnail and I」とイギリスでは
言われています)

この「トレインスポッティング」はスコットランドで、酒とパンクとマリファナにまみれたニートが、
何かを突き抜けるために、走り出す・・・・というような作品で、確かにあの国の閉塞感の中では
非常に爽快感のある作品でした。

が、正直言って私自身は、全然好きな作品ではありません。
なんかね・・・。下品なんですよね。
「スコットランド一汚い便所」の便器の中に飛び込んで泳ぐ・・・なんてシーンを作ったり、、
編集のリズムとか、生活観のディティールとか・・・とにかく下品なんですよ。
だからね・・・正直全然ピンと来ませんでした。

同じ感覚派のイギリスの映画監督でも、ガイ・リッチーのほうが数倍才能を感じていましたし、
それは今でも全然変りません。

そういう先入観がある中で見ました。
結論から言って、「なるほど、面白い」と思いました。

下に箇条書き風に書きます。

良かった点。
1)基本ラインをジャマールとラティカの、大ラブストーリーに絞ったので
 正直 ガチャついているストーリーが、終わりになればなるほど加速度的に盛り上がってきて
 素晴らしいカタルシスを呼んでいます。
2)「クイズミリオネア」を日本人もよく知っているので、ゲーム自身の説明は要らないのですが、
 もし知らなくっても、よく分かる構図になっていました。
3)子役は素晴らしいと思いました。本当に子供のときのジャマールはいい感じです。

悪かった点
1)正直、編集は前半戦 やっぱりダニーボイルの悪い癖で 奇をてらい過ぎだと思います。
 あれほどガチャガチャさせなくても、スラム自身に力があるので、もっとちゃんと撮っても良かったと
 思いました。
2)ちょっと・・・、話がご都合主義かな?と言うところが無くも無いです。
 特に悪い奴らから、あんなにさっさと解放されるものでしょうか?
 あと、司会者と警察の癒着はちょっと無理が無いですかね?
3)特に司会者の感情の流れと、兄貴の最後の流れがよく腑に落ちません。
 ちょっと残念ですねぇ・・・。

と言うわけで、もちろんいい作品だと思いますが、
手放しで「大傑作!」という感じではなかったというのが本音でした。

ただ、子供のころ~タージマハルまでの描写は非常に心を打たれましたよ。

あと、これだけは大声で言わせてください。
「ダニーボイルはダンスシーンを取るの下手だなぁ!!!」
by AWAchampion | 2009-05-04 22:33 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

滝田洋二郎監督について

先日、日本映画初のアカデミー賞外国語映画賞を獲得した「おくりびと」の
滝田洋二郎監督について書いてみたいと思います。

かれはもともとピンク映画の向井寛監督門下の獅子プロから出てきたのですね・・。

獅子プロにはわたしの先輩の菅沼隆監督が所属していました。
彼に直接聞いた話では、助監督としてテレビドラマにつくといただける30万のギャラのうち
10万を会社に納めた上で、のこり20万を獅子プロの10人の助監督で分ける・・・というぐらい
辛い修行時代だったそうですが、そこに耐えて、
80年代にデビュー。「木村家の人々」でメジャーデビューしました。

「木村家の人々」はわたしが大学時代にかなり話題になった映画ですが、当時
30代前半だったんですね・・・・。

それから一貫して、軽コメディが撮れる職人監督としての道を歩んできた滝田監督が
取ったというのがとてもいい話じゃないですか・・・。
by AWAchampion | 2009-02-28 11:12 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

「おくりびと」が、日本映画としては初めてアカデミー賞の
外国語映画賞を取りましたね。

素晴らしい話です。

日本人としては、黒澤監督の「デルス・ヴザーラ」(ソ連映画として受賞)以来の快挙です。

そこで、この映画がモックンの持ち込み企画で、10数年かけて
形にしたという事が報道されています。

ここでいくつかモックンのエピソードを思い出しました。
わたしは12年ほど前にドラマの助監督としてモックンさんと
仕事をしたことがあります。

その時、彼は非常に自分の役に
対して研究熱心で、「鉄道が好きな役」だったのですが
きちんと調べてきただけでなく、そこで流されるSP版レコード
についても、別に歌うわけではないのに覚えてきていたり
ほぼ、役についてはリハの段階で、助監督を遥かに超えるほど
調べ物をしてきていた印象があります。

さらに、5年ほど前アコーディニストのcoba氏とのトークライブを
見に行ったことがあります。
その時モックンは、「自分はもともとアイドルとしてデビューして、
その後役者に転向したが、今まで自分で何かを表現した事がない。
与えられたものについては、もちろん一生懸命になったが、
自分の心と向き合ったことが無いので、ミュージシャンや
作家の方が心底うらやましい。」
と言ったことを、それこそ思いつめたように訥々と語っていたのが
印象的でした。

そう考えると、この「おくりびと」は彼にとって、
長年「やりたかったこと」であるわけですよ。
彼は、もう一つ自分の中で、やり遂げた感じがしているでしょうね。

素晴らしい受賞です。
おめでとうございました。
by AWAchampion | 2009-02-27 10:13 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

宝塚歌劇団は常時30人以上の座付き作家がいて、
毎月オリジナル作品を出し続けて95年になる
ものすごく特異な商業劇団です。

若い演出家の方もたくさんいて、
4年ほど前に舞台稽古を拝見したときにお会いした稲葉さんは
既にデビューされていますし、最近児玉さんという若い演出家の
方とお知り合いになりました。

そこで彼女が作・演出をした「忘れ雪」という作品を
日本青年館に見に行きました。

原作が新堂冬樹氏で、舞台はなんと、現代の東京・世田谷。
幼くして両親と死別し、親戚の家を転々としている
小学生の女の子が、ある日子犬を拾います。
その子犬は怪我をしていて、途方にくれた彼女の前に
獣医の家の長男坊の高校生が現れ、何かと世話を焼いてくれます。
女の子は初恋をして、一方的に「7年後、あなたが獣医になったら
私をこの場所に迎えに来てプロポーズをして!」と言い、
彼女は京都の親戚にもらわれていきます。

それから7年後、獣医となった長男坊はモテモテ男になっているのですが、本人は動物にしか興味のない、唐変朴。
あのときの女の子が素敵なレディーになって、彼の病院を訪ねてくるのですが、全然気がつきません・・・・。

そこに、親友・長男坊を慕う看護婦・女の子の婚約者などが入り乱れて
話は韓国ドラマのような展開を見せ、
最後に、女の子は両目を失明し、主人公はヤクザにリンチにあい、女の子の胸の中で絶命します。




という、お話でした。
う~ん・・・・。時代は変わったんでしょうか?
確かに毎回、ロシアの皇太子とプロシアの皇女の悲恋物語ばかりでは
ネタが尽きるのかもしれませんが、どうなんでしょう?

昔は宝塚の物語の美学としては、
「悪役も、悪役なりの正義のために戦っていて、それ同士の利害が
ぶつかり合う」というところがあったと思うのです。
ところが、多分原作がそうなっているのだと思うのですが、
動物を虐待する看護師やら、金のために結婚を迫る男なんかが
バンバン出てきて、相当世知辛い話になっていました。

それでいて、一応主人公は性的に純真で、
女の子の登場人物もみんな一途に恋をするような性格だったり
するという「スミレコード」は生きているので、
なんだか、ちょっと題材に乗り切れないところは、正直ありました。

う~ん・・・。
私は不思議なんですが、今の宝塚の30代以下の若い作家さんは
何かと言うと、主人公を殺したがるし、バッドエンドにしたがる
傾向があるのでは?と思います。

宝塚歌劇って、やっぱり「キャンディーコートされた物語」で
良いのでは?と思うのですが・・・。
愛の力が全てを超えて良い世界観なのになぁ・・・。と
ちょっともったいなく思います。

同じような世界観を持った、ディズニーは
「愛すれば、夢はかなう」という物語を突き詰めまくっていて、
ジャンコクトーの、一見猟奇的にも見える作品
「美女と野獣」をあんな大エンターテインメントに仕上げたり
しています。
是非、若い宝塚の作家さんも、
夢を紡ぐ仕事だという事を忘れないでいて欲しいと、
ちょっとオジサンは思いました・・・・。
by AWAchampion | 2009-01-28 23:01 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)