カテゴリ:映画・演劇など( 125 )

いやぁ・・・・

すごいですね・・・。

ホントに・・・。

久々に言葉を失いました。

と言うのは yahooのトップページに
大人AKBさんが握手会に出たという記事が載っていたのです
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140511-00000009-mantan-ent

この記事を見て 開高健 原作 増村保造 監督作品の
『巨人と玩具』という映画を思い出しました
http://youtu.be/tioJLZXnYSo

これは 高度経済成長期の昭和30年代後半
二つの大きなお菓子メーカーが 存亡をかけて激しく争っていた
時の話です。

片方のメーカーの若手宣伝部員がある日
『わざわざ スターを使わなくても 自前でスターをでっち上げて
そのスターにCMをやらせればいいのでは?』という案を思いつき
学生だった 歯の欠けた ちょっとおブスの女の子を
企業の力で ごり押しし、雑誌や新聞、CMにいきなりバンバン出して
スターを作り上げます

作戦は大成功
昨日まで貧乏学生だった女の子は、急にメディアスターになり
その子をCMに起用した お菓子メーカーはライバルを出し抜きます

しかしやがて、その子は本当にスターになり始め
ライバル会社の仕掛けもあり
宣伝部員の手を離れて暴走し始めるのです・・・・。

という話で、本当に面白い映画です

で、今回の大人AKBさんですが
要するにグリコの大人向けポッキーか何かのCMのための
企画なのです

まさに『巨人と玩具』じゃないですか!

なんですけど、昭和30年代と平成26年の違いは
今回の場合、雑誌にグラビアページに載ってスター扱いされるとか
彼女のメインのCMが流れるとかそういう事もないまま
いきなり握手会に入っているのです。

つまりまだなんでもない無名の人が、無名の人と
握手をしている様子を カメラが捉え ネットで報じられる・・・。

こんなアバンギャルドな事があるでしょうか?
さすがの開高健も思いつかなかったでしょう。

要するに 『ある日急にアイドルになる』というシンデレラストーリーの
【イメージ】だけをCMにしているのです。
だから なんとなく辻褄はあっているんですけど
冷静になってみると 握手している人は「この人なに?」
握手会に出ている 塚本さんも「何を話せばいいのか?」

そこに人はもう 関係ないんです
【イメージ】CMですから・・・。

凄い話です。

こんなにエンターテイメントについて 醒めた目でCMを作る
というのは 本当になんか そこにある虚の深さに
ただただ 立ちすくんでしまいます。

久しぶりに 『はじめ人間 ギャートルズ』のエンディングテーマを
聞きたくなりました

♪ なんにもない なんにもない まったく なんにもない・・・・
by AWAchampion | 2014-05-12 00:14 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

今日、東京芸術劇場のプレイハウス(500人程度の中劇場)で
スイスを拠点とする パフォーマンスユニット
Zimmermann&de Perrotの 『ハンスはハイリ』を見てきました

これは私のFB仲間である 道化師のYAMAさんが
(道化師 YAMAさんHP http://balloon-circus.com/yama/
おススメしていたパフォーマンスで
ダンスとサーカスと大道芸を足して3で割ったような作品だという事でした


行くと、多くの四角の枠が舞台上においてあります
その枠を通して いろんなパフォーマンスが
行われるのですが
途中で黒い枠が取れると 後ろに 巨大な 4つの部屋が現れます
それは セットごとぐるぐると360度回転するようになっていて
回転する 枠のなかで翻弄される人間の生活・営みを
コミカルに表現していました

まあ見てもらった方が良いでしょう



劇場で見ると相当スペクタクルがあって
ドキッとしました
シルク・ド・ソレイユじゃなくても こういう事できるんだっていう
いい刺激になりました

客層はとても不思議で
小さい子供連れ 3割・創作ダンスを見るような難しい客 2割・外国人 2割
中年カップル 3割と言う感じでした

内容は コミカルで誰にでもわかるとパントマイムが主流でした
でも、意外とセクシーな描写・・・それも男同士何かも多くて
非常に不思議な90分間でした
by AWAchampion | 2014-05-11 18:39 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

私がレギュラーでやっているテレビ番組で
今度スタインベックの小説を取り上げることになりました。

そこで、彼の事を考えると、やはり代表作として挙げられるのが
『エデンの東』です。

もちろん私は映画ファンとして この映画が本当に本当に
凄くものすごく大好きです

名匠エリア・カザン監督の代表作で
ジェームス・ディーン主演 第一作として名高いこの映画は
本当にプロになればなるほど学ぶべきところの多い作品です。

エリア・カザンはのちにレッドパージでハリウッドを追われますが
つまりそれだけ 映画理論の先進国だった 旧ソビエトの映画・演劇などにも
通じていて、
アメリカにスタニフラフスキー・システムを持ち込んだ アクターズスタジオにも
創立当初から深くかかわっていました

今見ると、映画モンタージュ理論の確立者 セルゲイ・エイゼンシュタインが言いたかった事が
『エデンの東』に非常に分かり易く盛り込まれています
私がもし映画学校の先生なら この映画はものすごくいい教材になると
生徒に進めるでしょう。
(実際ADさんたちにも 見ることを勧めています)

私はその後テレンス・マリックの『BADLANDS』などに強い強い影響を受けましたが
あの映画は 考えてみれば『エデンの東』と『アメリカングラフティ』などの
本歌取りみたいな所があり・・・
やはり 『エデンの東』の素晴らしさにたどり着くのです。
by AWAchampion | 2014-05-10 16:56 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

「アナと雪の女王」ですが、ビジュアルイメージの素晴らしさは
本当に心から楽しみましたが、お話が良くわからないというコラムを書きました。

ストーリーをおさらいします

①エルサとアナの姉妹は仲良く暮らしていました。
二人は王国の王女で、姉は王女になるべき人でした。

②エルサには触れるものを雪にする能力が備わっていました。
しかしある時 エルサは間違って雪の能力を頭にアナに当ててしまいました。

③王はあわててエルサとアナを、山に住むトロール族の所へ連れて行きました
トロール族の長老は、頭を凍らせたなら治るが、心を凍らせたら治らないと
言いました。
トロールの長老はアナの記憶を消す代わりに、雪の魔法を解きました。
また、次第に強くなるエルサの能力を恐れ、エルサを隔離することにしました。

④時は流れ、アナとエルサは大きくなりましたが、
記憶を消されたアナと、年々強くなる雪の魔法を恐れ隔離された姉は
以前のように親しい姉妹ではなくなってしまいました
エルサは父の言いつけを守り、閉じこもってしまったのです。

⑤そして両親が同時に亡くなり、姉妹は二人きりになりました。・・・・・・
やがて・・・・・・・・
姉、エルサの20歳の誕生日。彼女が国の王女になる日が来ました
それまで 父の命令でお城が開け放たれ、戴冠式が開かれます
そこでアナは初めて人々と出会い、運命の人ハンス王子と出会います

6)アナとハンスは恋におち、エルサに「結婚する」と言い出します。
その突然の事にエルサは怒り、そして人前で隠していたあの雪の能力を示してしまいます

7)エルサは魔法が使えるとばれて、山に逃げ込みます
そこで 初めて「ありのままの自分でいられる」事に気が付き、山の奥に
理想郷 氷の城を作って閉じこもってしまうのです

8)一方王国は雪で閉ざられてしまいます。アナは姉に術を解いてもらうように山に向かいます

9)山でアナは、粗野だけど優しい男 クリストフと出会い、一緒にエルサの城を目指します

10)たどり着いたエルサの城で、アナは再開しますが、自分の術を恐れるエルサとの交渉は決裂
「夏にする方法を知らないの!帰って!」と叫ぶエルサが出した雪の魔人に襲われてしまいます。

11)そのころ、ハンスはアナを探して、エルサの城にたどり着きます。
そしてハンスはエルサをとらえ お城の地下牢へと閉じ込めます

12)エルサと会ったアナは、その時に氷の術が心に当たり、その力がじわりじわりと蝕んでいきます
トロール族に助けを求めたアナとクリストフは「アナが真実の愛に触れた時、術が解ける」と聞き
お城のハンスのもとへ急ぎます

13)お城でハンスと再会したアナ、しかしハンスは実は王国奪取を狙う悪党でした
アナに殺されそうになる姉妹。
しかしアナは雪だるま君に助け出され、エルサは自力で逃げ出します

14)エルサを殺しに行くハンス、実は真実の愛はクリストフにあると知って
クリストフを探すアナ。
そこでハンスがエルサに襲い掛かるところを見てしまったアナは 
身を挺してエルサを守ります

15)完全に氷になったアナがハンスを倒しますが、アナは動きません。
と・・・エルサの涙がアナを溶かし、王国の雪の術も解けるのです
真実の愛。それは姉妹の互いを思う愛情の事でした



と言う内容です
私は4から5に行くところで まず「おや?」と感じました
ちょっと展開が急すぎますよね? 父の教えを守ったまま父が死んだら
戴冠式にも出てこないんじゃないか?
アナは閉ざされたお城で一人きりだったんじゃ?と思ったら実はめっちゃ家来が
いたじゃん!
そもそも記憶消されたら、姉の事忘れてるんじゃねぇの?などなどの疑問点を
そのままぶっちぎって話が進行します

そして7でエルサの「ありのまま」が歌われれるところで、さらにおや?と
思いました。山に来て ようやくありのままでいられる・・・?
あれ?人に追われて山に逃げてきたんじゃないの?

10の雪の魔人はまあ、分からなくもないですが
妹を殺そうとする魔人を放置している時点で、エルサは敵っぽくなりますが
そうでもないんですよね?

それに12のトロール族も、王様を昔知っているわけで、当然アナも知ってるはずです。
しかしどうみても初見って感じのリアクションで、不思議です。
そもそもクリストフは子供の頃にアナを見てるわけですよね?
なんかそこの辻褄が全くあってない感じがしました。

これぐらい積み残しがあると、ちょっとストーリーには入っていけないですよね?
結局クリストフはうろうろしてただけですし、エルサも何にも変わってないわけですよ
というのも、
もともとのキャラクター設定が 姉エルサは 引っ込み思案&思慮深い&聡明
妹アナ 人懐っこい&直情的&心で動くタイプなので
どちらかと言うと別にアナは元からオープンハートですから、エルサに愛情を与えても
そりゃそうでしょ?って感じですし、
更にエルサは戴冠式の時点でアナに 親しげに話しちゃってるので
「もともと親しいんじゃん」っていうつっこみを受けますよね?

そりゃ真実の愛もなにも、もともと親しい姉妹が、妹の危機で気持ちが高まった・・・って事だと
ちょっと弱いんじゃないかなぁ?と思いました。

ストーリーについては私は どっぷりと入っていけない映画でしたが
ビジュアルイメージはとても良かったですよ。
ただ好みとしては「美女と野獣」「アラジン」辺りの方が好きかなぁ?
by AWAchampion | 2014-05-02 01:58 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

今非常に話題になっている 「アナと雪の女王」を見てきました。
ネタバレしますよ!さぁにげてぇぇ!





いいですか?
いいですね?

はい、「アナと雪の女王」の吹き替え3D版を見ました。
まず良いところから言うと、ビジュアルイメージの素晴らしさには
圧倒されました。
技術的にもすでに3Dアニメーションは、全く実写と遜色ないところまで
来ていますね。
水の表現の凄さには圧倒されました。変な話実写でプールを使って撮るよりも
本物らしい表現になっていて、仰天しました。

アートワークスのいちいち素晴らしく、気の利いた感じがしました。
この辺はさすがディズニーです。
更に吹き替え版の神田沙耶香さんが素晴らしい。彼女は元々
良いミュージカル女優ですが、彼女の起用は大成功でしょう。

ただ・・・・

正直脚本はどうでしょう?色々省略しすぎなんじゃないかと思いました。
多分ですが原作は
『王位を守るために人を信じず、父のいう事だけを信じて心を閉ざす姉』と
『人が大好きで、コミュニケーションが上手い妹』がいて、
心を閉ざした姉が、雪の力で自分の城を作って籠ってしまったがゆえに、
人心は荒廃し、文字通り雪が全てを包み込んでしまった。
その閉ざされた心を開放するのは、妹の愛、人のぬくもりだけだ・・・って
話なんじゃないか?と思います。

だからこそ、姉は雪山に自分の城を作るところで
初めて「ありのままの自分でいて、自由でいられるの」と歌い上げるわけです。
だったら、アナが来た時のエルサの対応とかはもっと
「あたし、ようやく自分が自分らしく生きられるの。あんな人の目を気にするお城なんてまっぴら!
あたし人間嫌い!雪は裏切らないわ!」的な事を言っちゃたりするような気がします。

そしたらその心を溶かすのは、アナ、クリストフと、トロールたちだったりするんじゃないか?と
思いました。特にトロールは、エルサが心を閉ざす時に立ち会っているわけで
良く知ってるわけですよ。トロールの長老だって覚えているでしょう?

今の感じだとアナにクライシスがかけられますが、それはちょっと意味不明な感じがしました
本来変えなければならないのはエルサの心です
原作がどうなっているのか分かりませんが 本来は 一人きりで過ごしているエルサの
心が凍ってしまう・・・・ってな話なのでは?と思いましたが?

ビジュアルイメージとしてはなんとなくつながっていますが
台本としては色々雑な感じがしました。
雰囲気としては、もしこの映画を基にミュージカルが作られるとして、その場合すでに
ストーリーの詳細を全世界が知ってるから、かなり省略した・・・的な脚本です。
もう少しこまやかに描かないと、超一流の映画とは言えないと思います。

色々ミュージカルの構造としては、悪くないですが感情が繋がっていないのは
やはり気になります。
伊集院光さんが「毒にも薬にもならない映画」と言ったそうですが、そこまで酷いとは
思いませんが、やはり脚本に穴が結構いっぱい空いてるだけに、子供の方が混乱するのでは?
と言う気がしました。
by AWAchampion | 2014-05-02 00:51 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

今、話題になっている映画「ゼロ・グラビティ」を見ました
ネタばれになりますから、例によってまだご覧になっていない方は
さっさと逃げてください!










いいですね?
ここから先は見た方ばかりですよね?
いやぁ・・・面白かった!
3D映画として素晴らしい出来だったと思います。

主演はサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニー
というか、基本その二人ぐらいしか出てきません。
彼らは宇宙飛行士、シャトルの船外作業でハップル望遠鏡を修理していたら
ロシアの古い人工衛星爆破の影響で、その破片が大量に襲いかかってくるという
事故に遭遇
船外作業中に宇宙空間に放り出されてしまいます。

その事故でスペースシャトルは大破
彼らの希望は近くにいるISS(国際宇宙ステーション)に辿り着き
そこにあるソユーズを使って地球へ帰還すること。
しかし彼らには僅かな酸素と、一人分の方向転換用の微弱なロケット噴射機しかない。
二人は生き延びることができるのか?

というお話です。
このお話を、監督のアルフォンソ・キュアロンは徹底的な長回しによって
あたかもカメラもふわふわと浮かんでいるかのような、
誰も見たことがない3D空間を作ってみせました。

しかし無重力状態を長回しで、しかも引きの状態からよりの状態まで
カメラもゆらゆら動きながら撮影するって、いくらCGを使うと言ったって
限度があります。
どうやら照明とカメラごとぐるぐる回して光源で上下を表現して
宇宙服へ地球の映り込みなども全て後にCGでかいたらしいです。
モーションコントロールカメラやら何やら色々使ったんだと
思いますが、もう映像のプロの端くれである私にも
どう撮ったのか?まるでわかりません(笑)

とにかく無重力の恐怖と宇宙飛行士の孤独を描いた
傑作だと思います。

宇宙飛行士の孤独というと
古くは「2001年宇宙の旅」 近年では「月に囚われた男」などの
名作がありますが、その系譜に並ぶ一作だと思います。

もちろん、まあ観客もバカではないですから、
実際にはちょっとうまくいきすぎてると言うのは分かっています。

そもそもはじめの段階で、シャトルが大破するほどの事故に遭遇して
宇宙空間に投げ出されて、人と人とのランデブー&ドッキングが成功する
という事が、本当はありえないんでしょう。

でもそれはそれ、映画の甘い嘘です。
素直にこの素晴らしい映像表現を楽しもうじゃないですか!
by AWAchampion | 2013-12-21 10:56 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

越路吹雪のマネージャーとして知られ
「愛の讃歌」「サン・トワ・マミー」などの作詞や
多くの東宝ミュージカルの作詞家として知られた
岩谷時子さんが昨晩亡くなられたそうです。
97歳の大往生でした。

岩谷先生はそれこそ 日本の輸入ミュージカル 第一号
江利チエミ版「マイ・フェア・レディ」から訳詞を手がけ
今帝劇でやっている「レ・ミゼラブル」歌詞も手がけるなど
本当に日本のミュージカルの向上に尽力した第一人者として知られます

何しろ『マイフェアレディ』の『踊り明かそう』
 ♪ 夜明けまでも 踊りたいの 夢をのせて
『屋根の上のバイオリン弾き』の『サンライズ・サンセット』
 ♪ 日は上り 日は沈み 時は行く
『レ・ミゼラブル』の『夢やぶれて』 
♪ 夢を見ていたわ のぞみ高く 生きて
などが同じ人の筆で書かれているって凄いことです。

私の父 岡田敬二も何度かお仕事をさせていただいたようで
彼女との打ち合わせには非常に緊張して家を出ていった様子が
今でも思い返さえれます。
特に宝塚で父が演出した ナツメさんの『キス・ミー・ケイト』
カナメさんの『グランドホテル』などでは、ガッツリお仕事をさせていただいていたようで
25年前 すでに70歳だった岩谷先生と、40代後半だった父の
仕事ぶりを想像すると、今や同業者となった私もなんだか緊張してきます。

本当に日本のミュージカル界の至宝でした

ご冥福をお祈りいたします


偶然ですが
昨日行われた『十八世中村勘三郎 一周忌メモリアルイベント』内で
大竹しのぶさんが 昭和五十二年に勘三郎さんと共演した
『若きハイデルベルヒ』の曲を二曲歌いましたが
その作詞は やはり 岩谷時子さんでした。

寂しがり屋の勘三郎さんが岩谷先生を呼んだのかもしれませんね。
by AWAchampion | 2013-10-28 13:39 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

2020年に東京でのオリンピック開催が決まりましたね!

それで早くも開会式の話が話題となり
『嵐だ、SMAPだ、AKBだ』と名前が挙がっているそうです。

しかし私は思うのです
そういう『個』の力があるポップカルチャーの人は
閉会式で、世界の人たちを躍らせてほしい・・と。

やはり開会式は
無名の人たちのマスゲームや、超最新テクノロジーの限りを尽くして
大きな大きな物語を、考えられる限りの巨大な方法で紡ぎだしてほしいのです。

いくらSMAPや嵐が大スターでも
1万人の人々が作る人海戦術にはかないません。

それこそ50年に一度の大イベントですから、
個性に頼らず演出してほしいのです。

その意味では テレビマンや広告マンではなく舞台演出家や
超大作を作る映画監督みたいな人に演出してほしいなぁ・・・と思います。
by AWAchampion | 2013-09-16 22:41 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

「風立ちぬ」を見ました

さて、現在大変話題になっている スタジオジブリ最新作
『風立ちぬ』を見に行きました。
まだ公開4日目ですから、ネタバレを含むこのコラム
どうぞご覧になってから覗いてください。











ということで、ご覧になった方だけ残りましたか?
では・・・。
ストーリーは 第二次世界大戦中 世界一の戦闘機と言われた
三菱ゼロ式艦上戦闘機  いわゆる ゼロ戦を設計した 三菱飛行機の
実在の技師 堀越二郎さんの半生をモデルに、
そこに「風立ちぬ」などを書いた堀辰雄の「菜津子へ」などのラブストーリーを
織り交ぜて描いた作品です。

物語は二郎の心の中で ジャンニ・カプローニというイタリアの飛行機黎明期の
名設計技師との対話を縦軸に 進行していきます。

パンフレットを見ると 演じた野村萬斎さんは「メフィストフェレスだ」と宮崎さん
から言われたそうですが確かに良いことばかり言うわけではない 
案内人という事で言うと そういう感じでしたね。

見た率直な感想ですが
この映画は見る人を相当選ぶと思います。というのは最近の映画では
かなり丁寧に語られる 時間・場所の移動 などが 結構
「当然会話でわかるもの」として バッサリ飛ばされるからです。

つまり例えば 本郷という地名が出れば この人は東大出身
上野広小路と本郷はそれほど 離れていないから歩いて行ける
東京と名古屋は戦前 特急つばめで大体 5時間ぐらいかかる
などなど 知ってると知らないじゃ大違いなのです。

ただ、まあもともと日本映画ってそんなものでした。
特に小津さんとか成瀬巳喜男さんとかの映画って 極自然な形で
そういう事を会話に入れることで 処理していましたよね?
省略の技法がきわめて 古典的で上品な日本映画らしい作品でした。

ラブストーリーが始まり、やがて九式単座戦闘機を設計していく
後半30分は本当に胸躍りました。かなりいい映画だったと
思います。
あのモネっぽい「パラソルをさした女」こと 菜穂子さんは
良いキャラクターですね。彼女が出てきてから 二郎に人間味が
ぱっと広がるところは 抑揚が効いている分 非常に感情移入できて
そこから二郎がいとおしく思えました。
庵野監督を起用して 押えすぎる演出をしたのがそこで生きていたのは
さすがです・・・。

また、大正末期 震災の復興から第二次大戦突入直前の
大日本帝国のもっともよかった時代の東京をジブリが描き出して
くれたのはとても良かったです。

あの姿がどこまでちゃんと時代考証が入っているのか?は
分かりませんが、見る限り 昭和初期の帝都東京は 確実に昭和30年代の
東京より進んでましたね。

ただ、ジブリで育った 20代とかの人がどこまでわかるか?は
相当疑問です。

そもそもゼロ戦がどの程度革命的だったのか?とか
そういうのは もうわかってる物だと思って話が進行しますからね。

まあゼロ戦じたい ほとんど語られず、堀越二郎さんご自身が好きだった
九式単座戦闘機の事ばかり語られますけどね・・・。

要するに当時のプロペラ戦闘機で、非力な三菱エンジンでありながら
とんでもない俊敏な動きをした戦闘機だったわけです。
ただその代償として ほとんど防弾を考えなかった という飛行機だったのです。

それを知っていると、なぜそういう飛行機を作ったのか?が
分かってくるのです。
確かにちゃんと あのすばらしい レクリエーションのシーンで
二郎自身が語ってはいますが、(ゼロ戦ではないですけど)
その辺の知識が全くないと そもそもよくわからないんじゃ
無いでしょうか?

堀越さんが映画の中で寝ずにつくるのが
「ゼロ戦ではない」というところも セリフでもまるで語られず
後になって エンディングで「ああ、あれのあとゼロ戦作ったのね」と
分かるという かなり思い切った省略技法を使っています。

まあ飛行機の形自体が全然違うんですけど、知らない人は知らないですよねぇ。

ジブリのアニメーションは本当によく出来ています。
出来ているんだけど、実写作品と比べて 一枚の絵のなかにある情報量を
監督が絶対的にコントロールできる分、夢とのカットバックで
質感というか 夢と現実があまり変わらないように見えて 色々
混乱しがちでは?と思いました。
アニメーションはもう少し丁寧に説明すべきメディアなんじゃないかな?と
思います。

賛否両論あるエヴァンゲリオン 庵野監督の主人公起用ですが
周りをうまい人で固めたうえで 一人朴訥とした人を入れるというのは
小津さんにおける笠智衆さんという事なんでしょう。
その狙いは 割とあたっていたと思います。後半ラブストーリーのところでは
ちゃんと 庵野さんも芝居してましたしね。

ただ、ラストがねぇ・・・。
要するに黄泉の国で
メフィストフェレスが「どうだった?」と聞くと
二郎は、「自分が良かれと思って2万機も作った 世界最高の飛行機
ゼロ戦は 結局生きて1機も日本に残らなかった 多くの若者にとって
棺桶になってしまった」と嘆くわけです。

そこで死んだ妻 菜穂子を見て
「死んだ若者は それぞれその瞬間 自分を生きたわけだから
設計者のお前がすべてをしょい込むことはない」
「生きよう」

というメッセージが込められて終わるっていう事なんですけど

一回フワッと見ただけじゃよくわかりません。

これには理由があります
九式単座戦闘機の飛行実験のシーンで
その直前に菜穂子が別れを告げていくシーンが入っていて
しかもそれを気が付いていることを暗示させる 二郎の憂い顔が
入っているので、ラストが落ちていないのです。

あそこは満面の笑みで空への喜びを表現して良かったんじゃないかなぁ?
と思いました。

結構ジブリの作品って ラスト「考えオチ」というか 落ち切らない作品が
多く、あの「カリオストロの城」の超名エンディングを考えた
人と同じとは思えないところがありますが、
今回もきわめてフワッと終わります。
その内容について 色々言いたい人もいるようですが 
私は内容については別にどうとも思いません。ただ
エンディングの強度はもう少し強くてもよかったんじゃないか?と
思いました。

それは実は アニメーションとしての宿命もあります
もっと最後の黄泉の国を地獄っぽく描くべきなんです。
だって戦争の地獄なんですから。
火が燃えても なんか美しく見えちゃいけないと
思います。多くの飛行機の残骸を歩いて行きますけど あそこももっと
別の質感で生々しくないと辛いんじゃないかな?と思いました。
でもジブリアニメーションにしちゃうと 美しくなっちゃう・・・。
そこはつらいところですね。

ユーミンのデビュー作「ひこうき雲」は、これ以上ないベストマッチです。
あれも含めて映画だという事であれば、素晴らしいエンディングなのですが、
今をさかのぼる事40年前に作られたJ-POPの古典があれほどエンディングに強く
響くってことは 要するに映画のオチが決まっていないから そこに
全て流れ込んじゃうってことなんじゃないかな?と思いました。
by AWAchampion | 2013-07-24 09:42 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

キス我慢選手権 the Movie

いやぁ、見ましたよ 『キス我慢選手権 the Movie』
素晴らしい。
同業者として、最大限の賛辞を送りたいと思います。

全然ご存じない方のために、『キス我慢選手権』について
簡単におさらいしましょう

発端は2005年 まだ30歳になったばかりの テレビ東京のプロデューサーだった
佐久間宣行さんが立ち上げた、深夜の実験的バラエティ『ゴッドタン』の中で
芸人がセクシー女優からのお色気攻撃に、1時間耐えられるのだろうか?
という、きわめてゲスい企画から始まりました。

その企画は、普通に深夜のヤケクソバラエティっぽく進行していったのですが
劇団ひとりの番が来た時に小さな奇跡が起きました。
そこに現れた 当時ロリ系AV女優として人気がある・・・ということでキャスティング
されたにすぎなかった一人の女優との出会いが、劇団ひとりの
アドリブ芝居の才能を開花させたのです。
その女優の名はみひろと言いました。

二人は単にキスをするしない・・・というやりとりを発展させて恋人たちの
切なくも悲しいラブストーリーを即興で作り上げて見せました。

ここまでは、まあ『キャラ合戦』みたいな所もありました
ところが、1年後
レギュラー番組となったゴッドタンが満を持して2回目の『キス我慢』を
行います。
前回同様何も知らされていなかった 劇団ひとりの前に
現れたのは、高校生姿のみひろ。

そこで 本当の奇跡が訪れます。
みひろは劇団ひとりにも制服を着せて、二人は即興で学園ドラマを演じて見せます。
攻めるみひろ・答える省吾。
さらに、それをドラマっぽく撮りだす技術陣。
文字通り筋書きのない即興ドラマは、
誰も分からない結末へと突っ走ったのです。

これこそが、テレビ界でも珍しい、即興芝居バラエティが誕生した瞬間でした。
この第2回『キス我慢選手権』をきっかけに
劇団ひとりとみひろは、数々の名作エチュードを完成させます。

このフォーマットの秀逸な所は
かのヒッチコックが『ロープ』で試した、オンタイム・シームレス映像劇を
本当にオンタイム&アドリブで実現してしまったという所にあります。

つまり、ヒッチコックは舞台劇の中継であるかのように
実験をした映画を撮ったのですが、それをテレビマンたちが真顔で
やってみちゃったわけです。

しかもその『やってみちゃった』きっかけさえも
みひろとひとりの、奇跡の出会いに引きずられて決まっちゃったという
全てがまさに偶然の産物なわけだったのです。

その『奇跡の偶然』はついに、テレビ東京の深夜バラエティをスクリーンにのせてしまいました。

この『キス我慢選手権』は
主演男優は何も知らないまま、アドリブで動くという事のほかに
それを 同時におぎやはぎやバナナマンが、見てコメントをしているという
通常の映画の何倍も大変な企画です。

つまり どう動くか分からない主演男優をとらえるべく
20台近いカメラが構えていて、
それが相互に映らないようにしつつ、当然音声マイクや照明も
映らないようにして、
それでいて、その映像を同時にモニタールームに送らなくてはいけないのです。

映像を同時に中継車に送るためには
映画のフィルムカメラと違って、テレビカメラは中継車とケーブルで
物理的に繋がっています。

つまりカメラマンはケーブルを引っ張った状態で
四方八方にいる自分の同僚のカメラを映しこむことなく
どう動くか分からない劇団ひとりを映していたわけです

さらに、当然カメラマンが動けば足音がします。
ケーブルが地面につけば、引きずった音がします。
そんな雑音をカットしつつ、音声をクリアーに録音した
音声マンは、今回奇跡的な仕事をしたと思います。

普通の映画は一カットずつ撮って編集すればいいわけで
カメラはいくらでも逃げられます。
でも、この映画はそうは行かないのです。

それをオールロケで、ほんとに24時間でやりきった
制作・技術スタッフの苦労話は、パンフレットに載っていますが、
正直言って、それも爆発的に面白いです。

この映画は、だれも分からない結末に向かって
運命だけが引っ張っていくという意味で
まさに『お笑い地獄の黙示録』です。

そして『地獄の黙示録』のメイキング『ハートオブダークネス』が
現場の混沌と狂気を描き出しているのと同様、
現場スタッフのコメントからも、同じような 濃厚な狂気があふれ出ていました。

是非DVDにはメイキングをつけて欲しいです。

映画自体のクオリティ云々については、
この作品が 撮影形式における革命性 を持っているという
その一言に尽きます。

なにしろ 映画120年の歴史の中で
『主演男優が何も知らない』
『オーディオコメンタリーを同時に撮影する』
こと自体が無かったことなのですから。

実は手の込んだテレビバラエティをちゃんと作りこむことは
映画を撮るより難しいわけで、
今回 ゴッドタンのすべてのスタッフは、その難題をクリアーして見せました。
その情熱が全てだと思います。

私は同じテレビマンとして、彼らに最大限の賛辞を送りたいと思います。
by AWAchampion | 2013-07-06 21:48 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(1)