たまたまテレビをつけたら、スマップの中居くんを特集した「情熱大陸」を
やっていました。

話は、全国を回った「私は貝になりたい」のキャンペーンに密着しつつ、
「中居正広」と言う人物が、どういうことを考えているのか?という
事を語ろうとしていました。

地方に行けば 地方局で分刻みでニュースからバラエティまで出ずっぱり。
だけど気さくで、都内のスチール撮影の合間に、父親が尋ねてきて
スタッフに紹介したり、地方での記者会見では、記者たちを近くに呼び寄せて
車座で話をする、近寄りやすい等身大のスーパースター・・。

そんなイメージの映像が綴られるのですが、「私は貝になりたい」という
シリアスな映画の感想を語る上で、彼は何かのコピーの裏に書いたメモを
何度も何度も読んでいる姿が映し出されます。

そのコピー用紙はナンなのか?
スタッフは中居と3時間 ロングインタビューを敢行して、
その秘密に迫ります。

そこで彼は「僕は撮影現場で感じたことを、書きとめたんです。嘘はつきたくないんで」
と真摯なコメントを残します。
最後までそのコピー用紙に書かれた内容は明かされないまま・・・。

そこまでなら、まあ普通のドキュメンタリーなのですが、番組は不可解な終わり方をします。

制作会社スローハンドのディレクター 茂原さんは、彼に
「実はこれで終わりではない。」と告げると、中居君は「え?これ以上何撮るの?
結構深い話したよ。」と当惑した表情を見せます。

番組はその後、コンサートツアーの告知をした後、
中居君が「さっき渋い話したの、全部うそですから。僕うそつきですよ。」とテレながら
言って去っていくところで終わります。


これは、私がディレクター目線で見ると、多分演出家の茂原さんが、
取材の過程で一番感じたのは「素を見せない。中居と言う人物と、その事務所」という
所だったんじゃないかと思います。
かなり、語れなかったところの多かった取材だったので、
「語れないことが有るんだ」という事を感じて欲しい、と
観客に問うような構成になっていました。
(まあ結構情熱大陸はそういう回が多いですが)

その中で、撮れなかったところで、演出家が感じた真のメッセージは、
「真剣な事を言っている所も、実は虚なのだ。
中居という人物は、大いなる虚しさである。」と言うところだったのでは?と思いました。

彼はロングインタビューの中で「僕は何者でもない。MCが出来るといわれているが
本職ではないし。お笑いでもない。歌や踊りだって一流じゃない。
北京オリンピックのときにはじめて
活舌の練習をアナウンサーの人に教えてもらった・・。」と言っていた事や、
地方の女子高校でのサプライズを自分で演出したという、その事の
ものすごい浅さに、彼の焦燥感を描こうという意図が感じられました。

「ロックスターやアーチストがよく、『充電期間を持ちたい』と言うが、『充電』って
何なの?一晩寝れば充電は出来るんじゃないの?」というコメントを
かなりキーに持って来ていました。
これは、「彼がそれだけエネルギッシュな男なのだ」と言う風にも取れますが、
直前に「僕は何者でもない」というコメントを彼自身がくっつけているので、
『つまり僕は何も放電していないんだ』というメッセージだと、
少なくとも番組関係者は捉えて、このコメントをキーに持ってきたんだと思います。

この番組から、なぜか彼の世界全ての、驚くような軽さを非常に強く感じました。
「僕はこういう人間だ」という芯が持てないまま、存在だけが巨大になってしまった男。

別に僕は、中居君に対して悪意も何もありませんが、番組を見た感じでは
それを同じテレビ演出家として、この作品から感じました。

多分その、一番の原因は、この番組の企画自体が「私は貝になりたい」の
プロモーションとして企画されたがゆえに、中居くんの活動の映画のプロモーション
部分のみを抽出して取材を許されたからだと思うのです。

中居君だって、ドラマをやったり、コンサートをやったりすると時の顔はもう少し
クリエイティブなのかもしれませんが、映画のプロモーションそれ自体は
「消費される」行動でしかなく、彼が主体的に活動をする事はありません。
そこで一本「情熱大陸を作れ」といわれた、製作スタッフの
戸惑いの心も少し見えた気がしました。



CM

もう数年前に,
たまたま見たテレビ番組について書いた日記ですが、
どうやら今でも目に留めてくださっている方々がいるようです。
そこで、CMをくっつけちゃいます!
私 子ども番組などを中心にやっているディレクターなのですが
個人的にインターネット上のチャンネルとしてRino Kids TVと言うものをやっております。

そこには パペットショーなどがアップしてあります。
色々あるのですが、今回はその中から キッズバラエティ【ルルララ・ノンノン♪】シーズン02の第4話を
ご覧いただきます。
7分少々の映像ですので気軽にご覧下さい。


by AWAchampion | 2008-11-30 23:46 | Diary | Trackback | Comments(0)

昨日ようやく『おくりびと』を見に行きました。

なるほど、いい映画でした。
感想でいえば端正なつくりの映画でした。

もともと監督の滝田洋二郎さんは、にっかつロマンポルノ時代も
新感覚派の作風で、彼の90年代初頭のコメディ傑作群を見ても
どちらかというと、カットの多い、テレビ的な演出をする
方という印象が私にはありました。

ところが、時代がさらに進み、テレビドラマのなかにバラエティ的な
「登場人物が劇中で触ったもの、見たものは、必ず強調する」という
メソッドが確立した感がある、今になると、実は滝田監督も
大きな画面で育った映画的な演出をしている事が良くわかりました。

どうしても納棺にまつわる芝居の場合、カットを割りたくなるのですが、割ると、例えば「お葬式」のように少しコミカルな印象の
モンタージュになってしまうのですが、引けるだけ引いて
詰まった構図の中に登場人物を詰め込む事で、緊張感を出す
演出方法を試みています。

しかし、そこで「雪の山形」を舞台に選ぶ事で
背景を飛ばして、非常に演劇的な空間を作り出すのに成功しています。

また脚本は、非常に良くできています。
難をいえばちょっと妻役の広末涼子の造型が少し「出来すぎた妻」で
有るとは思いましたが、これが映画の脚本初執筆であるはずの
小山薫堂氏は、さすがに放送作家の第一人者としての実力を発揮していました。

そして、なにより役者陣が非常にいい仕事をしています。
主役の本木雅裕は、
脇役に個性的な人物が集う中で、主役では有るが傍観者という
タイプの役を非常にうまく演じています。
彼は、徹底的に事前にリサーチをして、役に挑む俳優として
知られていますが、特に今回は自分がこの企画を持ち込んだ事もあって
非常に思い入れ深く演じていました。

キネマ旬報1位になるタイプの映画ではありませんが、
非常に端正でいい映画でした。
by AWAchampion | 2008-11-30 22:30 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

TBSが昼の時間帯の「ピンポン」「2時っちゃお」と、
昼ドラ 花王「愛の劇場」の打ち切りを決めたそうです。

どんどんテレビが縮小していく感じがします。
特に「愛の劇場」は数々の名作などを生み出した枠で
花王がそれこそ、宣伝部に「愛劇担当プロデューサー」を置いて
大切にしていたドラマ枠でした。

TBSは、実は赤坂に膨大な土地を持っていて、それが
赤坂サカスとしてオープンして、博報堂なんかが越してきた
関係上、かなり儲かってるはずなんです。

民放キー局のなかでは、視聴率は悪いですが、営業成績は決して悪くない
TBSが番組の打ち切りを次々と決めている事に、危機感を感じます。

日テレが昼の枠から、みのさんの降板を検討中との未確認情報もあります。

テレビはどうなってしまうのでしょう?
by AWAchampion | 2008-11-27 23:04 | Diary | Trackback | Comments(0)

テレビディレクターがこんな事を言ってはいけないと思いますが、
最近思った事があります。

地デジ移行に伴い、ケーブルテレビなどをつけるご家庭が多いと
思います。

すると、CSのチャンネル数が一気に20も30も増えますよね?
そうなると、地上派のテレビ番組って本当に見なくなりますよね・・・。

その理由を私なりに考えてみました。

地上波のテレビは、無料放送が基本のためCM広告料が収入源です。
その広告料は全て、ビデオリサーチ社の視聴率で計られます。
で、あまりにもその視聴率を取りに行く姿勢が強すぎるので
なんだか見ていて、せわしないというか、画面構成もテロップも
編集のテンポも何もかもが速すぎるのです。

逆にCSは何故か今頃、「高校野球名試合」とか流しちゃったり、
海外サッカーについてダラダラと、でも楽しそうにお話しする
番組があったりと、なんかテンポが落ち着くのです。

どうしても地上波は、テレビの前に視聴者を釘付けにしようと
します。
でも、付けっ放しでも邪魔にならず、それでいてなんだか
見ちゃうというCSの番組に慣れると、かなり刺激が強すぎる
気がします。

「それはヌルイ番組に慣れてるだけだ!」と諸先輩方からお叱りを
受けそうです。
しかし、
「テレビ受像機がでかくなる」
「老人視聴者が増える」
などの事を考えると、
いつまでもロッケンロールばかり弾いていないで、ワルツを演奏
するが如きペースの番組作りと言うのも必要なのでは?
と言う気がします。

NHKが最近調子がいいのも、意外とそういうところに原因があるかも
しれません。
by AWAchampion | 2008-11-16 22:24 | Diary | Trackback | Comments(0)

歌謡曲の埋もれさせたくない名曲を綴るコラム 「歌謡曲スタンダードナンバー」

しばらく渋い1970年代の楽曲が続きましたので、今回は1982年のヒット曲から
中森明菜のデビュー曲である「スローモーション」です。

この年1982年は空前のアイドル当たり年といわれ、
女性アイドルだけでも
前年12月にデビューした ボンドの松本伊代「センチメンタルジャーニー」
ホリプロの 堀ちえみ「まちぼうけ」
芸映の 石川秀美「ゆれて湘南」
サンミュージックの 早見優「夏色のナンシー」
バーニングの 小泉今日子「素敵なラブリーボーイ」
オスカーの 北原佐和子「月曜日のシンデレラ」
など、キラ星のごとく、スターが集中していました。

そんな中、研音の 中森明菜はこの、ちょっと静かで大人っぽい曲
「スローモーション」をデビュー曲に持ってきました。



作詞 来生えつこ 作曲 来生たかお のコンビで書かれたこの曲は
非常に落ち着いていて、当時キョンキョンの大ファンだった僕の耳には
地味すぎる風に聞こえました。

ところが、よく聞くと、いい曲なんですよねぇ。

特に2番
♪ストライド 長い足さき ゆっくりよぎってく
 その後を かけるシェパード 口笛吹くあなた
なんて、夕日の渚の情景がくっきりと浮かんできて、まるで「男と女」のワンシーンのようです。

詞の世界も、恋の喜びを抑え気味に描いていて、当時16歳の明菜ちゃんが歌うには
確かに地味でした。でもアイドルの曲をガキ向けに書かないで、ちゃんと大人の鑑賞に
耐える曲として発注した当時のVAPレコードのディレクターさんは、本当にいい仕事を
したと思います。

明菜ちゃんの音域にもぴったり合っていて、「歌手」として育てられた事が良く分かる
楽曲ですね。

彼女は結局 2曲目の「少女A」 
作詞 売野雅勇 作曲:芹澤廣明(「ギザギザハートの子守唄」チェッカーズでおなじみですね)
いわゆる性典ソングでブレイクするわけですが、
3曲目では、また来生たかお路線にもどり、名曲「セカンドラブ」を発表します。

この曲も アイドルの曲なのに
 ♪ 恋も2度目なら~すこしは上手に 愛のメッセージ 伝えたい
と始まる相当大人っぽい曲でした。

今は彼女はすっかり見ることがありませんが、80年代の歌手として、
非常に重要な位置にいる人だと思います。
by AWAchampion | 2008-11-07 02:58 | 歌謡曲スタンダードナンバー | Trackback | Comments(0)

埋もれさせてくない 歌謡曲の名曲を綴るコラム 「歌謡曲スタンダードナンバー」

今回はフランク永井さんの「おまえに」です。

低音の魅力がとても有名だったフランク永井は
「有楽町で会いましょう」やジェロがカバーした「君恋し」などのヒット曲が
ありますが、私はこの1977ねんの大ヒット曲「おまえに」が一番心に響きます。

この曲は
作詞  岩谷時子 (いわずとしれた 越路吹雪さんの名曲を手がけられた巨匠ですね)
作曲  吉田正  (青春歌謡を得意とし、「いつでも夢を」「寒い朝」などが有名です)

という、コンビでつくられた、まさに歌謡曲の王道の作品です。



♪ そばにいて くれる~ だけで いい~ 

の辺りのメロディーは泣かせますね・・。

もともとは進駐軍相手にジャズを歌ってらしたそうで、
ムード歌謡を歌っても、どこか洒落ているところが素敵です。

10月27日にフランク永井さんは、お亡くなりになったそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081102-00000011-nks-ent


1985年に首吊り自殺を図り、脳に障害を負ってから、
奥様とお姉さまが介護をされていたそうですが、金銭的な理由やお姉さまの年齢的な
理由から、最晩年は施設ですごされていたそうです。

永井さんの冥福をお祈りします。
by AWAchampion | 2008-11-02 11:43 | 歌謡曲スタンダードナンバー | Trackback | Comments(0)

先日、ラスベガスに行ってきました。

エクスカリバーホテルでは、あのいっこく堂をして
「世界一の腹話術師」と言わしめた、ロン・ルーカス(Ronn Lucas)が
ショーを行っていました。


まあ、百聞は一見にしかず。
見てやってください。



凄いでしょ?

彼は他にもいろんなキャラクターを操る事ができるのですが、一番ビックリしたのは
自分がはいている靴下を脱いで、輪ゴムをくっつけていきなりキャラクターに
仕立て上げて、パペットショーをするのです。

これが凄く生き生きと見えて、「パペット」の不思議を感じました。
by AWAchampion | 2008-11-01 00:23 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

埋もれさせたくない歌謡曲の名曲を綴るコラム 歌謡曲スタンダードナンバー

今回は1971年の名曲 「また逢う日まで」です。

もともとはコーラスグループ ワンダーズの一員だった尾崎紀世彦が
ソロになって2曲目に放った、大ヒット曲です。

これは作詞が阿久悠 作曲は筒美京平という 大ヒットメーカー同士が
がっぷり四つで作り上げた、まさに昭和の歌謡界が生み出した、一つの頂点と言ってもいい
素晴らしい楽曲です。



ちなみにこの映像は、どうやら昭和49年ごろのNHKホールでの映像らしいですが、
舞台演出家が、何故かこの曲のバックダンサーに、アイビー調のチアガール風な
女の子達を入れたことに、テレビディレクターがむっとしたんでしょう。
極力バックダンサーを感じさせないような演出を施しています。
そこで、こんなヘンテコなカット割りになっているんでしょう。

私ごとですが、私が大変お世話になっているプロデューサーさんが、
この頃の尾崎紀世彦のマネージャーさん 三浦さんでした。
当時ナベプロ全盛の時代に、インディペンデントで活躍する歌手が
レコード大賞を取るというのは、まさに快挙だったそうです。

和製トムジョーンズと言われることもあります。

本家トムジョーンズが、ラスベガスのホテルで長期間興行を行っていたように
東京のどこかのホテルが、こういう実力派の歌手を抱えた劇場を持っていれば
もっと東京は素晴らしい街になると思うのですが・・・。


1971年 「また逢う日まで」 尾崎紀世彦  作詞 阿久悠 作曲 筒美京平
by AWAchampion | 2008-11-01 00:03 | 歌謡曲スタンダードナンバー | Trackback | Comments(0)