樹木希林さんの事

女優 樹木希林さんが亡くなったそうです。
私は 13年前に亡くなったテレビ演出家 久世光彦の弟子ですので
希林さんは 師の盟友と言うことになります。

私は残念ながら希林さんとちゃんとお仕事をすることは叶いませんでした。
ただ、一つだけ 強烈な思い出があります。

それは久世さんが亡くなったお通夜での事。
私は若手でしたので 斎場となった護国寺の外で車両誘導係をやっていました。
なにしろテレビ界・文学界から様々な大物がやってきます。
ベンツは普通、キャデラックだのなんだのがドンドン押し寄せてきて
それはそれは気を遣う誘導でした。

3月2日に師はなくなったので お通夜も3月初頭 まだ寒いとき、
そんなお通夜も終わりに近づき、ほぼほぼ、参列者もいなくなった頃に
一台のもの凄く小さくて ボロい軽自動車がフラフラと護国寺に
迷い込んできました。

「ああ、関係者の車かな」と思ってスルーしようとした瞬間
車窓から 希林さんが一人で運転している姿が見えました。

あ!希林さんだ!
師の盟友中の盟友が、駐車場とは違う所に走って行ってしまう!

私は思わず駆け出しました。

と、

次の瞬間!

ブチっ!

大きな音がして左ふくらはぎから激痛が!!

そうです、寒いところで長時間立っていて いきなり駆けだしたので
肉離れを起こしたのです。

それでも何とか必死に車にたどり着き

「うっ!あっ!えっ!・・・・おっ!お足元にお気を付け下さい」

と言ったら

「アンタこそ足大丈夫か?」

と希林さんに言われました。

それが昨日のことのように思い起こされます。


故人のご冥福をお祈りいたします




# by AWAchampion | 2018-09-16 23:37 | Diary | Trackback | Comments(0)

あのNHKの子ども番組「おかあさんといっしょ」がなんと映画になりました。

で、私は在野の 子ども番組の演出家の中では結構な本数を重ねているオーソリティーを
自認していますから、コレは見なきゃダメだ!と張り切って公開初日の午前中に見に行きました。
そうしたら張り切りすぎて、平日の昼間にお子さんを連れてこられるお母さんがあまりいないという
事に気がつきまして・・・
日曜日の昼間に もう一回、こんどはお子さん連れがたくさんいる状態でも見てみました。
多分 おひとりさまで この映画を3日間で2回みているのは、スタッフの方以外だと私だけでは?
と思います。

この作品は 実写パート「おかあさんといっしょ~のりもの旅」が約30分
アニメ『ガラピコぷ~ 初めての大冒険」が35分
それからインターミッションが6分など 全部合わせて大体70分強の映画でした。

この映画に関して 多分大人からのちゃんとした批評というのは中々無いと思われますので
志を同じくする私が、きちんと語ることで このジャンルの映画が日本でしっかり根付くことの
手助けになればと思い、ちょっと長めに語ってみたいと思います。

まず大前提として、この子ども番組を映画館で流す企画を立てて、それを採算に乗せるべく
がんばったNHKや日活など 製作委員会の方々に最大限の敬意を表したいと思います。
前例のない映画なので、どうなるか?分からないなかGOサインが出されたことは、後に続く
我々にとってとても大きな励みになりました。

また前提として 私が子ども番組のいろはを教わった「セサミストリート」は基本的に
対象年齢3歳~6歳の 識字教育番組であり、「おかあさんといっしょ」は乳児~3歳を対象としていて
私の番組とは若干カテゴリーが違うと言うことも述べておきます。

■キッズファーストの仕掛け
まず私が素晴らしいと思ったのは 明らかに「映画館デビュー」である乳児とお母さんに対して
最大限の配慮がなされている点です。
1)映画館ではあるが真っ暗にしない(予告編ぐらいの明るさでした)
2)そんなに爆音ではない
3)しっかりと画面から話しかける。
4)一緒に踊る場面があり、その後画面から話しかけがあって ちゃんと席に戻るように促す
5)アニメの中でも『一緒に声を出してね』という仕掛けがある
6)手裏剣が飛んでくるような構図がある
7)エンドロールで 子供がスクリーンと一緒に写真が撮れるようになっている

そして何よりビックリしたのが
8)30分実写パートが終わった後、6分間のインターミッションがある。
  (インターミッション中はフィラー映像のような景色だけが流れています)
この8)は私としては「さすがに長すぎるし要らないのでは?」とさえ思いましたが
Twitterを見ると、「インターミッションがあって助かった。」という声が多くあり
なるほどなぁ・・・とこれはさすがだなぁと感心しました。
6分も正直「長いのでは?」と思いましたが
子供がトイレに行くにはこのぐらい必要なんですね。

これらの子供への配慮は長年の経験則から導き出されたものでしょうし
他の「アンパンマン」や「しまじろう」の、乳児対象のアニメ映画にもない独自のものです。
これは素晴らしいと思いました。

■前半「のりもの旅」
うたのおにいさん  花田ゆういちろう
うたのおねえさん  小野あつこ
たいそうのおにいさん 小林よしひさ
たいそうのおねえさん 上原りさ

ゲストおにいさん 満島真之介

このブロックは基本的に 「おかいつ」いつものメンバー4人が、千葉の田園地帯でバス 
「おかあさんといっしょ」号にのって、歌いながら バス→電車→飛行機→江戸時代のかご→バスという
順番で乗り物を楽しむという内容です。

そこで私がまずビックリしたのが、「おかあさんといっしょ」がロケに出た際に
もの凄くリアルに事を進めるという点です。

「リアルな表現」

リアルと言っても二つ意味があります
一つ目は「リアルなサイズ感」です。
ダンスや歌が中心のコンテンツですが
基本的に4人の「FFサイズ」(頭から足まで全身入るサイズ)が基本で、動きをちゃんと見せる
サイズの中で進行していきます。
これは、昔のMGMミュージカルでも基本になった、ダンスを撮る際の古典的かつ基本的な
サイズです。
近年はやはりダンスシーンを細かくパーツごとに撮って素早く編集することで
視聴者をダンサーと同じ空気、同じ動きの軸の中に入れる事が流行っています。
映画『CHICAGO』などはその典型でしたが、
もちろんそうしないのは子ども番組としては正解だと思います。

ただ、私が驚いたのは、例えばバスに乗ったお兄さんたちが「あ、窓の外を見てご覧」
と言うと、流れる風景が『隣の窓越し』に映されます。
(もっと映像を派手にするなら、それこそ運転席からの見た目とかにすると思うのですが・・・)

千葉のいすみ鉄道沿いで撮影されたようで、クレーンとか
ドローンとか使いたくなる素敵な田園風景なのですが、あくまで頑なに『リアル』なサイズで
映像を構成しているのです。

私がセサミに入った時、確かに「子供にはモンタージュ理論は効かない」という事を
言われたことがあります。
映像体験が少ないので、大人なら絵の組合わせで想像出来る事も、子供には分からないので
極力物事の因果関係が分かるように撮れという事でした。
だから回想シーンとかが「セサミ」に極端に少ないのもそういうことです。

しかしそれ故にセサミの場合は「クッキーモンスターがクッキーを画面に向かって飛ばす」
「エルモが金魚鉢を覗くと顔がゆがんで 面白い顔になる」みたいな 一枚の絵の面白さを
追求せよという事が言われました。
この映画を見るとそうではなく、明らかに「子供が混乱しないように子供が実際に見るサイズで
丁寧に紡ぐ」という事が徹底されています。これはこれで経験則から出た映像の作りなのでしょう。
いわば 先に挙げたキッズファーストが映像の組み立てにも反映されているといえるのです。
映画の中でもそれを守ってきた事に、まずビックリしました。

二つ目は「表現のリアル」です。
特に『飛行機体験』のシークエンスにそれが顕著です。「飛行機に乗ろう!」と勇んで
走って行ったよしおにいさんとりさお姉さんが、向かった先は羽田空港!
そこでJALの飛行機を見て、そしてその飛行機を操縦体験するために
フライトシュミレーターで体験するというシーンが出てきます。

私だと多分、飛行機自体をパペットにして、飛行機が「僕にお乗りよ」とかしゃべって
歌い出したり、よしさんとりささんを、合成で紙飛行機の上に乗せて空に飛ばしたり・・・と
子供に魔法をかけることで、子供達に夢を見せて、話に引きずり込むことを考えがちですが、
「こどもに対してリアルに向き合う」という事が徹底されているのでしょう。
キャンディーコートをした表現にしない事に かなりビックリしました。

子ども番組を作る上で、子供のごっこ遊びなどを利用して空想の世界を広げるという
一派に私は属していますし、それが基本だと思っていましたが、私とは明らかに派閥が違います。
【極力リアルな世界で、等身大の人間を描く・・・】
【夢見がちな子供にこそ、リアルを見せる】
「おかあさんといっしょ」の中にある考え方の一端に触れた感じがしました。
これはこれで、なるほどなぁ・・・と勉強になりました。

★「踊りへの誘い」
「おかあさんといっしょ」は基本的に「一緒に踊れる曲」でつないでいく番組です。
なので、テレビの時と同様 当然のように「子供達が画面の前で一緒に踊っている」事を
前提として話が進んでいきます。

なんですけど・・・子供達にとっては初めての映画館。さらにお母さん達の中にも
「映画館では静かに見ましょう」的な刷り込みがあって、前半の実写シーンで
説明のないまま曲を歌い出して、それに
子供達が一緒に自発的に踊り出す・・・というのはちょっと無理がある感じがしました。

アニメも終わって、一番最後にキラーチューンである「ブンバ・ボ~ン」が流れて
そこで初めて「ああ よしおにいさんと一緒に いつもみたいに踊って良いんだ」と思って
子供達が踊り出していました。
それはそれは感動的なシーンで、劇場で子供達が夢中で踊っている姿は 
同じ子ども番組演出家としては 泣きそうになる光景でした。

だからこそ・・・
多分、「ブンバ・ボ~ン」がド頭でも良かったんじゃないかな?と思いました。

いや、もちろん普通のドラマツルギーで言えば、
「登場人物紹介」
「場所紹介」
「設定紹介」
「歌い出し」
で合ってるんですよ。私だってそう構成します。

でもこれはやってみないと分からない事で、子供達にインタラクティブに踊らせるなら
知ってる曲・シチュエーションを提示して とにかく踊らせた方が良かったですね。

★「満島真之介おにいさんの登場」
満島真之介さんは 18歳から6年間 学童保育の先生をされていたそうで
「おかあさんといっしょ」に出るのが夢だったそうです。
で、今回とても良い味を出していました。

のですが・・・ちょっと気になったことがありました。
彼が おにいさんたちを「いじめる」忍者として出てきて、それが実はお殿様で
おにいさんたちが『お殿様をみておびえている』シーンが出てくるので
子供達がちょっと 満島おにいさんに対して 怖がってる節がありました。
更に言うと ハイテンションでデカい声を出すので
その声のデカさにもビックリして 泣きそうになっている子供達もいました。

これはもったいない。

正直大人から見れば 満島おにいさんはメッチャ良いと思いました。
それがちゃんと子供に受け入れられるために、
それでいてスジとして面白く入れるにはどうすれば良いのか?

例えばですが 多分ゆういちろうおにいさんとかと、めっちゃくちゃ仲良くなるシーンが
必要だったんじゃないかな?とか
お殿様になった後、バカみたいな変顔とかをもっとバンバンした方が良かったのでは?
と思いました。

■後半 「ガラピコぷ~ 初めての大冒険」
普段テレビ番組の中では、着ぐるみ人形劇であるガラピコぷ~が、絵本調のアニメになって
普段と違う星を探検する話になっていました。

これに関しては上に書いたことでは無く、ちゃんとアニメらしい構図と
キャンディコートされた表現が用いられていて、むしろアンパンマンの映画などに近い表現だと
感じました。

途中で2箇所登場人物が「ねえ、劇場の君たちも 一緒に大きな声を出して!」とお願いする
所があるのですが、それが非常に効いていて ちびっ子達が大騒ぎしているのは
とても楽しかったです。

★着ぐるみ劇とアニメの地続き感
ちょっと見ていて思ったのが、通常着ぐるみ劇である「ガラピコぷ~」が
いきなりアニメキャラクターになったときに、声は同じでも、それがいつもの
ガラピコたちなんだと言うことが 分からず混乱していた子供がいたようです。

ちょっとだけでも いつもの着ぐるみを出して、
「それじゃあ 旅にしゅっぱ~つ!」とか言うと アニメにメタモルフォーゼするという
感じの演出が必要なんだろうなぁ・・・と思いました。

アニメの動きも、着ぐるみを意識して、頭の振りむき方だったり
歩き方だったがとても工夫されていて、もの凄く頑張っている事だけに
一工夫あれば もっと良かったなぁと思いました。

★対象年齢の難しさ
多分私たち大人や、5歳以上の子供達にはこのアニメはとても響いて
友情の大切さなども伝わった、キッズコンテンツとして良く出来たアニメだったと
思います。

のですが・・Twitterを見ると『アニメはうちの子には早かったかな?』的な
書き込みも散見されます。
「おかあさんといっしょ」の対象年齢である U-3 というのは
基本的に世界が「母ー子」の1:1の世界に近いと言われています。
良く幼稚園などで「ともだち」の概念を教えるのも 大体年中さん(4歳)
からじゃないですかね?
さらに社会ルール「順番守る」「静かに話を聞く」などは5歳からだと
思われます

この年代の人に 色々複雑なことを言うのは難しいです。
もちろん同じ対象年齢の「アンパンマン」は結構複雑だよと言えば、
そうかもしれませんが、あんパンがバイ菌を殴ってやっつけるという
極めて簡単な解決方法だったりします。

もう少し簡単な内容でも良かったかな?とは思いました。
これもやってみないと分からない問題なんですけどね・・・。


と言うことで、しっかり堪能させてもらいました。
スタッフの皆さんに 心から敬意と連帯の意を表したいと思います。

いつの日か私も「だい!だい!だいすけおにいさん the MOVIE」とか作りたいと思います。
やっぱりその時は、「ブンバ・ボ~ン」のように
劇場で子供達が踊りまくる光景が見たいですね。

















# by AWAchampion | 2018-09-15 22:39 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

池袋の大型書店 ジュンク堂書店で買い物をしたあと、ふらっと歩いていたら
「ヒトカラ」という看板を見かけました。

ヒトカラ=つまり一人カラオケ専門店です。

いや、私、ひとり暮らしが長いですから 普通のカラオケ屋さんにひとりで行くのは
全然へっちゃらな人なんですが
「一人カラオケ専門店」となれば 中がどうなってるんだろう?とか気になりません?

なっちゃいまして・・・

行ってみました。

中に入り受付をすますと カードキーを渡されます
廊下を歩いて行くと・・・
おや?

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なんか自習室みたいな部屋が並んでますね?

そこから覗いてみると・・・

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ほ~~
中に入ってみると
何て言うか、私たちのテレビ制作で使う ナレーションブースみたいな
部屋になっています


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で、中に 例の通信カラオケの機械があるんですね。
これは 必ずヘッドホンorイヤホンを使用する事になっていて
ホント レコーディングとかナレーション収録みたいな感じになるんです

つまりこう!

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いやぁ・・・面白い体験でした

# by AWAchampion | 2018-09-14 00:34 | 散歩 | Trackback | Comments(0)

抹茶ラテ大騒動

都心にある日比谷公園は都会のオアシスです。
今日は霞ヶ関にある中日新聞東京支社内にある、東海テレビ東京支社さんで打ち合わせだったのですが
30分ほど前についたので、ちょっと歩いてリニューアルした日比谷図書館にきてみました。

もともと助監督さんだった頃、いまよりインターネットが発達していない時代でしたので
日比谷図書館は何かというと資料を調べに来た場所でしたが
リニューアル後は初めてでした。

当時大好きだった地下のレストランなども全部、新しくなっていて
一階にカフェが入っていました。

12時半でしたが 数人が並ぶ程度でそれほど混む感じではありませんでした。

30分しか時間が無いので、一寸甘い飲み物だけでもと思ってメニューを眺めていると
「抹茶ラテ」がふと目に入りました。

ああ、抹茶ラテかぁ・・・

「すみません、抹茶ラテ ホットで」

すると・・・・

ドリンクを作る係の、明らかに新人のアルバイトであろう
丸くてポニーテールの大学1年生ぐらいの女の子が、

「まっ!抹茶ラテっ!! しかも ほっ!ホットっ!?」

小声ながら素っ頓狂に、明らかに不測の事態!!

まず辺りをぐる~~っと見渡し、

涙目になり、

レジ係の先輩にひそひそ声で何か囁き、

冷蔵庫から抹茶ペーストを取りだし、

なぜか 電卓を取りだして なにやら計算しはじめ

なぜか 定規でなにやら測り出しました。

「え?オジサン悪いことしちゃった?」

とにかくあまりにその彼女が一大イベントを始めるので
いつしかカフェには長い行列が・・・。しかもみんな「どうしたの?」と見つめる中
12分が経過

ついに・・・

「おっ!お待たせしました!!」

これがその 新人アルバイトさんが苦心の末作り上げた
渾身の抹茶ラテホットです

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列に並んだ人々からは拍手が起こりました。

「ごめんね~なんか オジサン変なの頼んじゃって」

「いえ、すみません!」

で、 お味は・・・


ん~~~ こ、粉っぽいかなぁ?









# by AWAchampion | 2018-09-13 02:27 | Diary | Trackback | Comments(0)

「スゴ~イデスネ視察団」は、もともと4年ほど前 12月もクリスマスを迎えようか・・・
 もう今年は仕事納めかしら・・・何て思っていたときに 旧知だった共同テレビのSプロデューサーから
「岡田さん、助けて」と電話があり、12月25日にチームに入ってみたら1月4日からのロケの
台本どころか取材もろくにしていない状態で、12月26日に局と元請け制作会社の方に初めてお会いしたら
いきなり怒られまくって、そこからスケジュールを切ったりロケの流れを作ったりして
なんとかかんとか濁流に巻き込まれるように仕上げたのが 最初でした。

 そんなバタバタで、ぶっちゃけ全く上手く行かなかったので、さすがにもう無いかな?と思っていたら
プロデューサーの稲垣さんに「次もお願いします」とお声がけいただき、そのままズルズルと?いや喜んで番組に入れていただいて 今に至っています。
で、9月1日放送の回が久々に番組に入れていただいたので、旧知を温めると言う感じで稲垣さんと
何度かサシ飲みさせてもらいました。
 元々 立命館大学の映画研究会の方だったというのは知っていたのですが、ゆっくり話してみると
私より少しお若いのですが、私も早稲田大学映画研究会の部長でしたし、なんというか非常に懐かしい感じのする映画マニアでした。
 聞けばぴあ・フィルムフェスティバルに呼ばれて 対談トークショーをするそうで
(9月16日 17時15分からだそうです 詳しくはPFFのHPをご覧下さい)
そんな映画マニアと飲めば 当然のように映画の話になります。
特に9月1日の放送は 黒澤明だの小津安二郎だのが出てきた回です。そりゃそんな話になります。

で、そんな中で彼が「最近ベルイマンを見返したんですが、『仮面・ペルソナ』を見て、ああこんなに
刺激的な撮り方をしてた人なんだなぁと思いました」とおっしゃるものですから
見に行きました・・・

東京は「ベルイマンの作品が見たい」と思ったら スッと見られる 素敵な町ですね。



私は もちろんスウェーデンの巨匠 イングマール・ベルイマンの作品は何本か見ていますが
「野いちご」「処女の泉」「第七の封印」「夏の夜は三度ほほえむ」辺りの初期作品が
メインで、その頃の彼の作品は かなり端正な映像というイメージが強く
決してアバンギャルドな感じはしませんでした。
(よく見ると『野いちご』なども バーンアウトしての回想入りとか 無人の町の表現とか 
 いろんな格好良い表現があるのですが、内容の強さが印象的でした)

で、『仮面・ペルソナ』ですが
舞台上で言葉を失ってしまった有名女優と、彼女の担当になった若い看護婦との対話劇が
90分にわたって ほぼ二人だけ,ほぼクロースアップで構成された画の中で展開されます。

が、・・・そうです、片方は言葉を失っているのです
だからほぼ独白で構成された 作品と言うことになります。
しかもモノクロ作品なんです。

ただベルイマンはそれを、二人の構図や影などを利用して
考えに考え尽くすことで 独白が誰の独白なのか?
しばし混乱させようとします。
光と影、構図 それらを突き詰めまくった結果、もの凄く劇的な効果を上げていました。

また、その映画の中で主題として語られる 女優の自意識自体が、実は映画の中で語られている
物に過ぎない・・・と暗喩させる表現も数多く出てきて、それがアバンギャルドの粋を尽くしている
表現なのです。

顔にこだわる映画というと シネフィルならまずはカール・ドライヤーの作品
『裁かるるジャンヌ』が浮かぶでしょう。 ジャンヌダルクの進撃から裁判、そして火刑までを
彼女の顔だけで表現した 映画黎明期の記念碑的作品です。
ベルイマンの頭の中にこの映画があったことは間違いないでしょう。

また、ニューヨークインディ映画の巨匠 ジョン・カサベテスの『フェイシス』も
こんな主題の作品でした。ジーナ・ローザンスが、とある舞台の稽古のあいだに自意識と役との
間で揺れ動く様を、こっちは揺れ動く手持ちカメラで徹底的に顔を中心に追うという作品で
明らかに「ああ、この映画の影響があるんだなあ」と改めて感じました。




ウッディ・アレンは昔からベルイマンへの愛情を公言しています。
でも「野いちご」とか「処女の泉」には ウッディ・アレンがどこから影響を受けたのか?
一寸分かりにくい所がありましたが、この『仮面・ペルソナ』は なるほど~~
こういう作品を作りたかったのね?と腑に落ちる物がありました。

意外に『マンハッタン』は『仮面・ペルソナ』なんじゃないか?と思ったりもしました。
あの作品は 40歳の作家が、17歳の高校生に恋をして、様々のことを教えているつもりが 
自分の自意識を彼女に意識させられて、最後彼女から「あなたは大人になるべきよ」と
諭されるという、なんともウッディアレンっぽい映画ですが
あれを17歳の女の子にしたのは、やっぱり 語り続けることで、
逆に自意識に気づかされるという構図を作りたかったんでしょうね。
やっと、22年前に読んだ彼の自伝「Woody Allen on Woody Allen」の意味が分かりました。









 

# by AWAchampion | 2018-09-12 09:19 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

さてさて、iphoneをお持ちの方!
Apple Musicになんと 私の作詞した「デーモネンの歌」「ト・ドウ・フ・ケンケン・GO!GO!」が
収録されてるじゃありませんか!

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是非みなさんダウンロードして
ガンガン聞いて下さい

そしたら 夢の・・・印税生活も?
むふっ!


# by AWAchampion | 2018-09-10 14:32 | 告知 | Trackback | Comments(0)

最近読んだ本

さてさて 最近読んだ本について
ご紹介しようかと思います

『ロードムービー』 辻村深月
今年の本屋大賞も受賞した、今一番脂がのっていると言っても良い 直木賞受賞作家
辻村深月の初期作品です。
彼女は『島はわたしと』など学生の「本当の心」を描かせたら天下一品!
この作品でも小学生から高校生までの、揺れ動く自意識や釣り合わない心と体のアンバランスなどを
本当に的確に描いていきます。
御本人の言葉に「聞き分けの良い大人になんて なってたまるか!」と言うのがありますが
ホントに彼女の心理描写は素晴らしいと思います。
それにリーダビリティ(読みやすさ)が高く,ハッピーエンド!これが良いじゃないですか?
やっぱりエンタメ小説はハッピーエンドを読みたいんですよ!
初期から辻村深月は辻村深月でした。

『道化師の蝶』  円城塔
SFの世界から芥川賞を取った円城塔の、まさに芥川賞受賞作品です。
私はもともと円城さんのファンで、なんというか「今まで読んだことがない小説」を
見せてくれるのが素晴らしいです。
(私は大島渚監督のファンと言うこともあって、ヘンテコな作品が好きなんでしょうね)
この作品も、表題作『道化師の蝶』は、
世界中を旅しながら各国の失われつつある言語で物語を記し続ける
謎の男と
国際線の飛行機の中で、人々の着想を捕まえる網を降り続ける巨大な女の
追いかけっこを描いた作品です。
さらに『松ノ枝の記』は、日本と英語?二つの言語を使う作家が互いの作品を
デタラメに翻訳しあうことで、別の作品が生まれる・・・?という作品。
どちらも読むと修辞の渦、着想のヘンテコさに翻弄される作品ですが
それが良い!
中身にスッキリ・・・ではなく「本を読むこと」自体に刺激がある
まさに純文学と言った作品でした。

『若鷹武芸帖2』岡本さとる
もともと、最終盤のテレビドラマ『水戸黄門』の脚本をされていた岡本さとるさんが
作家に転身して人気時代小説シリーズを幾つも書いています。
私も以前『宮崎美子のすずらん本屋堂』で 時代劇評論家ペリー荻野さんに
「いま一番来てる時代小説家のひとり」と紹介された事がありますが、
今作も面白い!
若鷹武芸帖は 江戸時代終盤に将軍家斉によって
「失われつつある武芸諸派を記録せよ」との命を受けた若き旗本 鷹ノ介が
武芸を知る内に人も知っていくと言う作品で
まさに勧善懲悪!スターシステム!往時なら雷蔵とかがやってそうな
スッキリはっきり 良い人が悪い人をたたき切る作品!
いやぁ 面白い!基本時代小説は 登場人物が感じと言うだけで
あとはアクションムービーみたいな物ですから、皆さんもストレスが溜まったら
時代小説を読みましょう!


# by AWAchampion | 2018-09-04 04:36 | 書籍・マンガなど | Trackback | Comments(0)

さてさて、9月1日の18時半から2時間半SPだった
『スゴ~イデスネ視察団』 ~外国人が尊敬する日本人ベスト50~という
番組で少しだけディレクターをやってました。

この番組では50人をランキングでご紹介して
短いVTRを作っていく物だったので
ディレクターさんも10人ほどいて なかなか大変でした。

で、私は一番最後にお声がけいただいたので
まあそんなに有名な人は残っていないのかな?と思っていたのですが
放送されてみると・・・・
結局一番長いVTRを担当していました。(エッヘン)

ただとにかく大変でした・・・
今はただちょっと休みたいって感じです
わはははは



# by AWAchampion | 2018-09-04 04:15 | 告知 | Trackback | Comments(0)

最近 児童文学もちゃんと読まなきゃ・・・と今更ですが
色々読むようにしています

そこで古典的名作の一つ 『エヴァが目覚めるとき』ピーター・ディッキンソン(1988)を
読みました。

これが衝撃的な話でした。
舞台は遠い未来。地球上が殆ど人間による人工的な環境に作り替えられてしまった時のこと。
霊長類研究所の研究員夫婦の一人娘 エヴァが
ある日大きな自動車事故で身体がぐちゃぐちゃになり、瀕死の状態になりました。

そこで両親はエヴァの脳の記憶を司る部分だけを、少女のチンパンジーに移植。
エヴァは人間時代の記憶を持ったチンバンジーになりました。

というスゲーハードSFなんです。

で、この話のすごいところは、「少女がチンパンジーになった」という現象を面白がる部分は
前半にさっさと終わってしまって、後半の殆どが「本能と知性の間で、『私は一体誰なのか?』」
という哲学的な問いに悩むという、エンタメの一歩先まで行っているという点です。

結局最後は彼女は人間の実験施設を離れて
チンパンジーとして子を産み、育てることを選択します。
そして母チンパンジーとして、次世代のチンパンジーたちに知性を伝えようとするのです。

いや・・・これ10代向けなの?と
ビックリしました。

普通にこれを図書館で借りて読んでる中学生?高校生ってすごいなぁ・・・と
感心しました。
私はそういうタイプの知的な高校生ではなかったですからね。








# by AWAchampion | 2018-08-27 12:47 | 書籍・マンガなど | Trackback | Comments(0)

先日、『スゴ~イデスネ視察団』の演出家のお一人である
テレビ朝日の近藤ディレクターから
「いやぁ~、倫太郎さんに前もらったDVD、うちの子供達が毎日 なんと2年間も見てますよ」と
嬉しいお話を伺いました。

どうやら近藤さんのお宅には4歳と2歳のお子さんがいて
二人ともリレーでずっと見て下さってるとのことらしいのです。

うっ!嬉しい。
ちなみに差し上げたのは私の代表作の一つとも言える
2007年制作 「サンリオぽこあぽこ」の『ハローキティのマジカルあいうえお』ですね。
コレはマジで今でもNETFLIXでもAMAZON PRIMEでも流れている
サンリオきっての大ロングセラーとなりました。
11年経って 未だサンリオの看板コンテンツだって ちょっとすごくないですか?(自慢)




わはははは。

半年前には『映画・中村勘三郎』でお馴染み 共同テレビの松木創監督が
電話をかけてきて、何事か?と思ったら
「NETFLIXにあったから うちの娘に見せたら釘付けだよ!
 しかし君は相変わらず濃い口の作風だなぁ」と褒めてるんだか文句言ってるんだか
分からない電話でした。

むふふふ

そりゃそうでしょ?

私はキッズコンテンツに関しては 麻薬みたいにずっと見ちゃう作品を作りますよ。
セサミストリート日本版で色々 リサーチに参加させてもらったので
子供に届く作品ならちょっと自身ありますよ。ムフフフ。


# by AWAchampion | 2018-08-26 23:17 | Diary | Trackback | Comments(0)