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演歌と任侠界

これを書くかどうか迷いましたが、
どうしてもちょっと違和感があるので書きます。

今年の10月に暴力団に対する法律が変わり、
NHKでも 過去に暴力団とつながりのあった 演歌歌手の
紅白への出場取りやめなどを検討しているそうです。

確かにわたしも 暴力団、任侠界の人々と興行界に深いつながりがあるのは
恥ずべきことだと思います。

それが前提でお話をします。

もともと 演歌の前身とも言える 浪曲・浪花節の興行や
新内流しの興行などは、旅芸人方式で行われ
神社仏閣の境内などで 興行を打つことが多くありました。

日本各地には的屋と呼ばれる、お祭りでの縁日などを仕切る人々が
それぞれの土地を縄張りのようにして 移動販売や 旅芸人 それに
大相撲の地方巡業などの
便宜を図り
それがいつしか 興行主として大きな力を持つようになりました。

更に博徒系であった 神戸の山口組も2代目組長 山口登氏が
西日本の浪曲の興行権を取得。ロードマネージャーとして機能し
土地々々では 地元の的屋組織が世話を見るという
スタイルが確立しました。

演歌は昭和30年代 浪曲の衰退と入れ替わるように
発展した新しいエンタメで、その地方巡業スタイルは 過去の浪曲のものを踏襲しました。

多分 今いる演歌の歌手の方は
新人の時にレコード会社に所属して キャンペーンを始めた時点で
任侠界の方がやっている 地方興行主の様々な庇護のもとに活動を始め
お世話になっているはずです。

それは 彼らがどうのということではなく
既に確立したシステムに組み込まれないと活動ができなかったわけですから、
選択する余地なんてなかったはずです。

今後はともかく 過去のことで
演歌歌手本人に対して 任侠界・・ヤクザとの付き合いを一方的に非難するのは
間違いです。

それを言うなら レコード会社は絶対知っていたはずです。

過去は仕方がないです。
だって、システムがそうなっていたわけだし、もし「ヤクザのシステムに乗りたくない」と
言った人がいたとしても、その人は 今 紅白なんて出てないですよ。

過去は仕方がないです。
そりゃ 色々と地方でお世話になった興行主のご家族の結婚式とかに
出たことがある人だっているでしょう?

1年の猶予を与えるべきです。
既に契約がされている興行は そこにお客様がいる以上 断れないコトだって
あるでしょうから・・・。

その上で それぞれのレコード会社が、演歌歌手を守って
利益が暴力団に流れない形の 新しい地方巡業スタイルを作るしかありません。

2012年の年末になって、まだ 古いスタイルの巡業を続けている
レコード会社や演歌歌手がいるなら・・・。

そのときに初めて非難されるべきだと私は思います。
by AWAchampion | 2011-10-18 15:44 | 歌謡曲考察 | Comments(0)