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文藝別冊「いしいひさいち」

最近ずっと自宅で編集することが多く
久々に新宿まで打ち合わせのために出ました。そこで紀伊國屋書店に立ち寄ったが最後・・。
気がついたら5000円分ぐらい買い物をしていました。

中でも文藝別冊の「いしいひさいち」特集を見つけたのは大収穫でした。

いしいひさいちは、昭和47年の「oh!バイト君」でデビューをした
4コマ界の巨匠で・・・・というか今 朝日新聞の朝刊に「ののちゃん」を
連載している漫画家です。

いわば4コマのメジャーリーガーでありながら、一貫してアバンギャルドな作風を
崩さない孤高の作家でもあります。

朝日新聞の連載は、前任者のサトウサンペイの「フジ山太郎」と違い
時事ネタを全く取り上げない、半径5m以内の物語に終始していますが
あれはセルフパロディで、実は彼はものすごく振り幅の広い作風なのです。

この「いしいひさいち」特集でも、彼の大ファンだという大友克洋が語っていますが
「何度読んでも面白い。オチも知っているはずなんだが・・。」という中毒性は
本当に素晴らしいです。
西原理恵子が「私の作風はいしいひさいちのパクリだっていうことを、いい加減気がつけ!」と
毒ついていたり、
「4コマ王子」こと小坂俊史が、バイト君のその後を書いていたり
カラスヤサトシが、なんといしいひさいちと同じ大学・学部出身だったりと
様々な発見がある 熱い本でした。

さらに、いしいひさいちが植田まさし、長谷川町子、しりあがり寿らについて
語っているインタビューもあり、充実の一冊です。
なにしろキャリア40年で、ただの一度も写真を撮らせていない
沈黙の巨匠です。それが植田まさしについて語るなんて凄すぎます!

で、編集者は新保信長さん。そう、一連の西原理恵子本で有名な方ですね。
さすが素晴らしい出来でした。


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by AWAchampion | 2013-02-11 18:33 | Diary | Comments(0)