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2014年本屋大賞 

本屋さんたちが「今一番売りたい本」を投票する
本屋大賞は、今年で11回目を迎えるそうです

そこで、私がレギュラーで演出している
『宮崎美子のすずらん本屋堂』でも本屋大賞特集をやりました。

そこで演出家としては 色々読まなきゃいけないので
読みました。

本屋大賞の『村上海賊の娘』
村上水軍や、瀬戸内の地形がなんとなく頭に入っている人と
全く知らない人ではちょっと、印象が違うかもしれませんね。
しかし人物造形は非常に映像的で、もともと脚本の城戸賞出身だという
和田さんらしい、21世紀の時代小説という感じがします。

2位の『昨夜のカレー、明日のパン』
人気脚本家 木皿泉さんの小説第一作ですが
ものすごく良かったです。
ちょっと変わった家族に、特に大きな出来事が起きないのに
しみじみと伝わってくるものがある傑作です
私的にはこれが1位です

3位の『島はぼくらと』
直木賞作家の辻村深月さんが、直木賞を取ってから
初めての長編だそうですが、これまた素晴らしい。
ある瀬戸内の島を舞台にした17歳の4人の高校生たちの
今を閉じ込めた傑作です
大林宣彦監督の映画とかを好きな人なら、絶対良いと思います

5位の『教場』
警察学校が舞台の作品なんですが、悪徳が栄える
凄くびっくりする作品です。
え?警察官ってみんなこんなつらい経験をしているの?
と誰もが驚くでしょう

7位の『ランチのアッコちゃん』
番組に出ていただいた三省堂書店・有楽町店文芸担当の
新井さん一押し作品です
彼女が言うように、週末に絶対この本を読んでハッピーになれるという
即効性のある作品だと思いました

8位の『想像ラジオ』
いとうせいこうが書いた、震災後を生きる人々への
作品です。
不思議な作品で、初めはとっつきにくいですが、全部読むと
澱のようにたまっていた何かが、一気に吹き上がるような
感動があります

そして、翻訳小説部門1位 『HHhH プラハ1942年』
ナチス・ドイツの秘密警察 ゲシュタポの長官にして
占領下のチェコのナチス側の責任者であった
ハイドリヒを、ロンドンにあったチェコの亡命政府から
派遣された2人のパラシュート部隊が暗殺するまでを
1972年生まれの著者が、『ノンフィクションを書く私』を題材にした
大傑作です

これは本当に世界小説と言っても良い、凄い良い出来でした
近現代世界史に興味のある方は是非お読みください
高橋啓さんの翻訳も素晴らしいです
多分フランス映画になるんじゃないでしょうか?
おススメです。
                     
by AWAchampion | 2014-04-20 12:18 | 書籍・マンガなど | Comments(0)