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名優ニック・ボックウィンクルを悼む

昨日11月15日 日本プロレス界では天龍源一郎が引退した日でしたが
同じくアメリカでは一人の名優がひっそりと人生の舞台から去りました

彼の名は ニック・ボックウィンクル
オールドプロレスファンには懐かしい 元AWA世界チャンピオンです

その昔 アメリカマット界は各州でプロモーターと言われる
興行主が群雄割拠していて、その集合体として
NWA(全米レスリング連合)という団体が結成されていました

これが当時世界最高峰のプロレスのベルトと言われていたのですが
大都市であるニューヨークとシカゴのプロモーターは、そんな
連合に入らなくても十分お金儲けができるために、自分たちだけで
世界チャンピオンを制定していました

その中でシカゴのプロモートを担当していたのが
バーン・ガニアです。
彼はAWAという独自の世界チャンピオンを制定していました。
彼自身アメリカのアマチュアレスリング代表だったという経歴から
このシカゴマットでは、ニューヨークマット界のような 怪人パワー型レスラーは
受けず、南部テネシー州やテキサス州のような荒っぽいレスリングも受けず
中西部ミズーリー州のようなショーマンシップも受けず
まず第一にレスリングが出来ないとダメなエリアでした

そこでガニアの後継者として2代目チャンプとして活躍していたのが
ニック・ボックウィンクルです
彼は日本では『ダーティーチャンピオン』として知られ
のらりくらりと時間切れ引き分けに持ち込む、上手いけどズルい選手として
知られていましたが、1984年ジャンボ鶴田にAWAのベルトを奪われると
最強の挑戦者として、あの史上最強日本人レスラーの一人と言われた鶴田を
レスリングで切りきり舞いさせる 素晴らしいテクニックを見せて
私たちをびっくりさせたのです

彼の言葉に有名なこんな一節があります。

『相手がワルツを踊ればワルツを踊り、相手がジルバを踊ればジルバを踊る』

つまり相手の出方によって自分はどんな戦い方でも出来る
これがプロというものだ・・・・という事です

これはしびれますね

私もフリーランスディレクターとして この言葉をいつも胸に留めています。

どんな戦い方もできるディレクター・・・

憧れます。

私が子供番組から舞台中継、情報番組から囲碁番組まで幅広くやっているのも
この言葉があるからかもしれません。

名優 ニック・ボックウィンクルの冥福をお祈りいたします


by AWAchampion | 2015-11-16 16:06 | プロレス界展望 | Comments(0)