「スパイナル・タップ」を見ました

いやぁ・・・まさかねぇ
あの映画が今更 初公開とは・・

え?

何がって?

それは・・・

「スパイナル・タップ」ですよ!!

あ?

ご存じない・・・

では御説明しましょう

事は29年前 私がまだ早稲田大学映画研究会の頃にさかのぼります
当時早稲田界隈にたくさんあった 古本屋に行っては
田舎の高校生では知り得なかった たくさんの「日本未公開作品」やら
「カルトムービー」紹介本を読んでいました。
それはたぶん若き日の町山智弘さんらの文章だったのかも知れません。

その中には ジョン・ウォーターズ「ピンクフラミンゴ」みたいな下手物作品
テレンス・マリック「BADLANDS」みたいな超レアデビュー作
「ファントム・オブ・パラダイス」「リトルショップ・オブ・ホラーズ」
「ロッキー・ホラー・ショー」みたいな歌って踊れるオフブロードウェイ的ムービーなど
たくさんありました

で、その中でも「落ち目のロックバンドの全米ツアーを取材したドキュメンタリー・・・に
見せかけたアホムービー」として音楽ファンらを虜にしていたのが
この「This is SPINAL TAP」だったのです。

いわゆるフェイク・ドキュメンタリーの最高峰としてその名を知られていた
「スパイナル・タップ」は その後BSなどでは放送されていたようですが
日本で劇場公開されることはありませんでした・・・

ところが何故か先週の土曜から新宿武蔵野館で いまさら!日本劇場初公開じゃないですか!
そりゃ見るでしょ?29年も期待が膨らんでいるんですから

で初日に行ってきました。
劇場は私みたいなシネフィル(映画マニア)とがちのロッカーみたいな人たちで
満席!



いやぁ 面白かった!
「スタンド・バイ・ミー」などで知られる監督 ロブ・ライナーの初監督作品なのですが
70年代のビートルズやらローリングストーンズらのエピソードをちょっとずつパロディしながら
ダサくもあり情熱的でもあった ロックスターたちの生態を大まじめに描き出しているのです。

ドキュメンタリーは取材されてる人も 取材している人も真面目であればあるほど
中で行われている事の非常識性が浮かび上がります。
それを構造ごとパロディにした ロブライナーの才気爆破つっぷりは素晴らしいです。

といっても本当に撮影自体は地味なのです、ただ中で行われている事がアホ
でも真面目にそのアホイベントを受け止めていると、そのうちに悲しみのようなものが
あふれてきます。

多分この作品は演者と監督がキャラクターについてしっかりと詰めに詰めたあと
ふんわりとしたプロット(というかこれから起こる出来事)を時に真面目に受け止め
時にどっきり風に、要するにアドリブ風味も入れて撮ったのでしょう。

だからちょっと方法としては、ニューヨーク派のジョン・カサベテスにもちょっと似ていて
それでいて アホ全開・・・こりゃさすが キング オブ カルトムービーですわ・・・。

それに今この21世紀から見ると ロン毛・ピチピチパンツのロッカーってダサいですよねぇ。
だから今見て良かったんじゃ無いか?と思いました。

フィンランドのオフビートムービーの巨匠 アキ・カウリスマキは今まで
「コメディだけど 映画としては小津さんの影響が強い」と思ってましたが
もしかしたら カウリスマキは 普通にこの映画のファンだったんじゃ無いでしょうか?
「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」なんて ホントメッチャこの
映画の影響下にありますよ!

いやぁ、ずっと見ていられる素晴らしい作品でした。


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by AWAchampion | 2018-06-18 01:29 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)