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最近読んだ本

さてさて 最近読んだ本について
ご紹介しようかと思います

『ロードムービー』 辻村深月
今年の本屋大賞も受賞した、今一番脂がのっていると言っても良い 直木賞受賞作家
辻村深月の初期作品です。
彼女は『島はわたしと』など学生の「本当の心」を描かせたら天下一品!
この作品でも小学生から高校生までの、揺れ動く自意識や釣り合わない心と体のアンバランスなどを
本当に的確に描いていきます。
御本人の言葉に「聞き分けの良い大人になんて なってたまるか!」と言うのがありますが
ホントに彼女の心理描写は素晴らしいと思います。
それにリーダビリティ(読みやすさ)が高く,ハッピーエンド!これが良いじゃないですか?
やっぱりエンタメ小説はハッピーエンドを読みたいんですよ!
初期から辻村深月は辻村深月でした。

『道化師の蝶』  円城塔
SFの世界から芥川賞を取った円城塔の、まさに芥川賞受賞作品です。
私はもともと円城さんのファンで、なんというか「今まで読んだことがない小説」を
見せてくれるのが素晴らしいです。
(私は大島渚監督のファンと言うこともあって、ヘンテコな作品が好きなんでしょうね)
この作品も、表題作『道化師の蝶』は、
世界中を旅しながら各国の失われつつある言語で物語を記し続ける
謎の男と
国際線の飛行機の中で、人々の着想を捕まえる網を降り続ける巨大な女の
追いかけっこを描いた作品です。
さらに『松ノ枝の記』は、日本と英語?二つの言語を使う作家が互いの作品を
デタラメに翻訳しあうことで、別の作品が生まれる・・・?という作品。
どちらも読むと修辞の渦、着想のヘンテコさに翻弄される作品ですが
それが良い!
中身にスッキリ・・・ではなく「本を読むこと」自体に刺激がある
まさに純文学と言った作品でした。

『若鷹武芸帖2』岡本さとる
もともと、最終盤のテレビドラマ『水戸黄門』の脚本をされていた岡本さとるさんが
作家に転身して人気時代小説シリーズを幾つも書いています。
私も以前『宮崎美子のすずらん本屋堂』で 時代劇評論家ペリー荻野さんに
「いま一番来てる時代小説家のひとり」と紹介された事がありますが、
今作も面白い!
若鷹武芸帖は 江戸時代終盤に将軍家斉によって
「失われつつある武芸諸派を記録せよ」との命を受けた若き旗本 鷹ノ介が
武芸を知る内に人も知っていくと言う作品で
まさに勧善懲悪!スターシステム!往時なら雷蔵とかがやってそうな
スッキリはっきり 良い人が悪い人をたたき切る作品!
いやぁ 面白い!基本時代小説は 登場人物が感じと言うだけで
あとはアクションムービーみたいな物ですから、皆さんもストレスが溜まったら
時代小説を読みましょう!


by AWAchampion | 2018-09-04 04:36 | 書籍・マンガなど | Comments(0)