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アカデミー外国語映画賞「ROMAローマ」

今年のアカデミー賞の外国語映画賞、監督賞、撮影賞を受賞して
大きな話題となった「ROMAローマ」を見てきました。

この映画はメキシコ人のアルフォンソ・キュアロン監督「ゼロ・グラビティ」などで
知られている監督ですね・・・が、自分が生まれ育ったメキシコシティの
ROMA地区の1971年について描いた、自伝的作品です。

この映画が特徴的なのは 動画配信サービスのNetflixがお金を出して作られたということ。
つまり劇場公開用映画ではないんです。

動画配信サービスをどう見るか?というのは国によって分かれています。
日本・フランス・ドイツなどでは映画祭の対象にしていないので
今年のカンヌには出品されませんでしたが、アメリカでは映画祭に出せるので
ゴールデングローブ賞も、アカデミー賞も出品されました。

で、その映画が全国のイオンシネマで限定公開ということで
いそいそと自宅の近くのイオンシネマに出かけて見てきました。

結論から言いますが
素晴らしい傑作!今年一番ですね。私の中では。
いやぁ・・・打ちのめされるほど素晴らしかったです。

ストーリーは 1970年のメキシコシティ
中産階級の生理学者の家には、先住民族出身の二人の若い召使いが住み込みで
働いていて、やんちゃ盛りの4人の子供の面倒を見ている。
そのうちの一人 クレオは従順で特に子供達から愛されている。

彼女にはボーイフレンドがいる。彼は苦学生で武道をたしなんでいる。
そんなある日 彼女は子供が出来た。しかしそれを聞いてボーイフレンドは
無責任にも姿を消してしまう・・・。

途方に暮れるクレア。しかし雇い主のソフィアは彼女を病院に連れて行き
「産んでもクビにはしない。安心しなさい」と慰める。

そしてストーリーはクレアの出産までを丹念に追っていくが
悲劇的な結末が待っている。
しかし・・・その後に彼女はまた生きる力を見いだすのであった。


と かいつまんで話すとこう言う話なんですが
とても静かな画の構図のなかで、いろんな事が起きていて
あたかもドキュメンタリーのような画の密度を保っています。
そして 特徴的なのが 音の演出です。
ドルビーサウンドの技術の粋を集めて 左右奥手前から いろんな生活音がして
とにかくメチャクチャリアルな空間を作り上げています

派手ではないんですけど、演出力のとんでもない水準の高さに
唖然とするぐらいの凄さでした。

これは動画配信だからと自宅のパソコンで見ちゃダメな映画です
暗い映画館の大スクリーンで、存分に音声も楽しんで見る映画だと思いました

とにかく素晴らしい。アカデミー監督賞は当然の結果ですね。





by AWAchampion | 2019-03-17 01:20 | 映画・演劇など | Comments(0)