2019年 04月 27日
映画『キングダム』を見ました
さてさて、GW1本目に選んだ映画は『キングダム』でした。
これはマンガが原作ですが、何と累計4000万部も売り上げていて
連載も13年目に突入するという作品だそうです。
私は劇画を読む習慣が全く無いので、「そういうマンガが今売れてる」という
現象は知っていましたが、内容は全く知らない状態で見ました。
やはり『世界力3』でご一緒した大沢たかおさんが、なにやら将軍の役で出てるという
事だけが事前の情報でした。
で、これからネタバレを含む書き込みを展開します
時は中国の春秋戦国時代。中国は7つの国に別れて500年にもわたって
戦争を繰り返していました
奴隷の子として売られた少年 信と漂は成り上がる唯一の方法である剣の腕を
磨こうと、キツい強制労働の合間に二人で剣術に励んでいた。
ところがある日 漂が大臣にその腕を認められて王宮に上がることになった
兄弟以上の仲であった二人は 引き裂かれることとなる。
信は一人になっても「いつの日か天下を揺るがす大将軍になる」事を夢みて
剣術に励んでいた。
ある夜 信の小屋に瀕死の漂が駆け込んできた。彼はいまわの際で一枚の地図を手渡す
彼がその地図の場所に行ってみると そこにいたのは漂にうり二つの王 政(後の始皇帝)
だった・・・。
と言う話です。
既に54巻も出ているマンガだそうですが、出だしは端折った感じも無く
キャラクターも非常にイイ感じで描けていて、テンポも良く、ストーリーも奇想天外ながら
割と無理のない展開でとても好感を持ちました。
また中国の広大な大地を活かした撮影も日本人監督らしからぬスケールで
農家の昼の室内の影はちゃんと暗くするリアルな照明プランも、「ちゃんと作ってる」感が
ありました。
なので少なくとも2時間半の映画の内 初めの1時間はとても良いと思いました。
ただ・・・まあマンガだからしょうが無いんですけど
後半 合戦になってから ある大きな問題があるのです。
それは・・・
善玉は切られても切られても全く死なないのです。
私の理解が正しければ 咸陽の王宮で 8万の敵にタイして 50人で立ち向かい
しかも途中で10人と40人二手に分かれてるんです。
で、思いっきり矢を浴びせられて まずいきなり10人ぐらい死ぬんです。
でも・・かけ声をかけると みんないきなり生き返り それ以降破竹の勢いで
勝ち進むんです。相手8万人ですよ?
これはいくら何でも 戦闘シーンのインフレ化が酷い!
『中国歴史ゾンビ映画』になってしまっています。
で、監督さんのプロフィールを見たら
なんと!和製ゾンビ映画として異例の大ヒットをした「アイアムアヒーロー」の監督さんじゃ
ないですか!
わはははは。
そんなオチだったとは・・・。
さて、役者陣ですが
まず大沢たかおさんは とてもミステリアスな敵とも味方とも分からない
豪傑を演じます。原作では一番人気のキャラクターらしく ファンの間では
賛否両論あるとも聞きますが、私は素晴らしいと思いました。身体も十分に作り上げ
それでいて不気味な知性も感じさせる・・・さすがです。
あと山の民(山岳民族)の女王役の 長澤まさみさんも素晴らしかった。
凜とした強さは光りました。
黒澤映画なら確実に左卜全がやるであろう、スターウォーズで言うR2D2の役を
アイドルの橋本環奈ちゃんがやっていました。
可愛くて良かったですけど、これは21世紀だなぁ・・・という感じでしたね。
あと、日本映画全体とも言える大問題が、この映画の中でも起こってしまっていました。
それは クライマックスになり、主人公が絶体絶命のピンチになると
いきなり時間の流れがゆっくりになって
敵と味方が「夢を見るなんてバカバカしい。現実を見ろ小僧」
「夢をみて・・・何が悪い!!」みたいな
物語の根幹に隠れた作者の意図っぽい事を互いに演説し合うという
変なクセがここ30年の日本映画にはあります。
黒澤明の『七人の侍』で三船敏郎が死ぬとき、そんな演説しましたか?
打たれてあっけなく死んで、雨で尻の泥が流れていっただけだったですよね?
多分これは映画版「宇宙戦艦ヤマト」白色彗星の所なんかが源流なんじゃないか?
と思うのですが、主人公が死にそうで死なないで演説するというのは
『蒲田行進曲』でも揶揄されています。
これは例えば『海猿』の映画でやっぱり主人公が大ピンチになったときに
こういうモノローグが入るシーンがあるそうなんですが、NYで上映会をしたとき
『そんなバカな!」ど大爆笑が起きたというエピソードがあります。
これは辞めた方がイイ。
クライマックスこそ リアルに。
演説は最後に一言だけ。
コレこそが日本映画を救う道なんじゃないでしょうかね?
『七人の侍』で演説めいた言葉は
「勝ったのは我々ではない。農民だ」だけでしたからね・・・。
決してダメな映画では無いと思いますし
マンガっぽく見れば楽しめます。でもこれが今の日本映画の総力を結集するような
映画だとしたら
問題ある映画だったとも思いました
by AWAchampion
| 2019-04-27 01:16
| 映画・演劇など
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