2019年 05月 21日
はじめての国立劇場
さてさて、私はもう東京に住んで 来年で30年になろうとしています。
そして演劇も映画も演芸も好きですから、都内のいろんな劇場に行ってきました。
でも、なぜか国立劇場は縁がなかったのです。
ということで、
国立劇場へ!
国立劇場は、日比谷や銀座、新宿、下北沢といった演劇の場所からは
ぽつんと離れた 半蔵門にあります
そもそも正門は駅などをむいているのではなくて
つまり本当に庶民のための劇場というよりも オフィシャルな芸を陛下に言上する・・・みたいな
位置にあると考えていいと思います。
大きな敷地内には劇場が3つ
まず、落語の定席としての国立演芸場
国立劇場 小劇場
大劇場です
私はせっかく初めて国立劇場に行くんだから
変わったものが見たいなぁ・・・とかんがえまして
チョイスしたのが
前進座公演でした。
前進座?とお思いの方もいらっしゃると思います。
簡単に説明すると、従来の歌舞伎は名優の息子に生まれないと、いい役にはありつけない
世襲制度が強く残る演劇です。
しかし、昭和に入り、それに反発する若手の歌舞伎俳優たちが松竹の興行形態から
独立し、歌舞伎役者たちによる劇団を立ち上げたのです。
それが劇団前進座といいます。
スターとしては 何といっても中村梅之助が挙げられます。
彼は1970年代に「遠山の金さん」で名をはせ、NHK大河ドラマ「花神」で主役をを務めるなど
テレビでもおなじみの時代劇俳優で、私は子供のころ彼のファンでした。
劇団前進座はその成り立ちから戦後、吉祥寺に劇団事務所+劇場+集団住宅+農地を確保し
一種のコミューンを作り上げます。
と、同時に歌舞伎の口語化や、女性座員の登用なども行い、現代劇も行うようになった
とてもユニークな劇団なのですが
歌舞伎はちゃんと伝統的な歌舞伎をやるのです。
私はまだ吉祥寺に前進座劇場があるときから 一回見てみたいと思いつつも
彼らが共産党に近く、ちょっととっつきにくいイメージもあったことから
なかなか見る機会がありませんでした。
で、たまたま彼らの年一回のメイン興行があると聞き
がんばっていってきました
演目は「佐倉義民伝」
今の千葉県佐倉市あたりの実話だそうですが、
飢饉の上に年貢が前年比200%に上がり、飢え死にするものが
あふれ、たまりかねた佐倉の名主 宗五郎が、何度も殿や老中に訴え出るもかなわず
ついに御法度、死罪確定である将軍への直訴に及び、一族郎党 死罪になるも
年貢は軽減されたというお話です。
これは3幕6場からなるお話なんですが
2幕3場しか普段演じられない演目なんだそうです。
それをこの度 51年ぶりに前進座が通し狂言として上演したというわけです。
見た感想ですが、素晴らしい歌舞伎で、思わず涙するほど感情を揺り動かされました。
主演は嵐芳三郎 河原崎國太郎 山崎辰三郎
う~ん?あまり聞いたことがない歌舞伎役者さんですが、
この、あまり知らない役者さんというのが、逆にとてもよかった気がします。
基本的には 本当に正統的な歌舞伎なんですけど
幾分松竹の歌舞伎より口語的な言い回しになっているようで、普通よりスッと
ストーリーが入ってきました。
多分台本もいろいろ整理されているのでしょう。
形式は完全に従来の歌舞伎でありながら、ちゃんと現代の人にアピールしうる
名演だったと思います。
でも本当に思った以上に正統的な歌舞伎で
当然浄瑠璃もありますし、舞台も回り舞台もあれば、花道で見栄を切ったときには
「豊島屋!」みたいな掛け声もかかります。
歌舞伎というとどうしても歌舞伎座とか、勘九郎さんとか海老蔵さんみたいな
生まれながらのスターみたいなイメージがありますが
プロレタリア歌舞伎とでもいいましょうか、
非常に興味深かったし見てよかったです。
で、なにせ3幕もあるので 休憩時間もたっぷりあります。
国立劇場内を探検しました
多分キャパは1800ぐらいじゃないでしょうか?
歌舞伎の劇場らしく
ちゃんとでかい食堂があります。宝塚大劇場もこういう食堂ありますよね?
幕の内弁当を買いました。
まさに「国立劇場で幕合いで食べる弁当」ですから
これが本当の「幕の内弁当」ですよね
by AWAchampion
| 2019-05-21 03:57
| 映画・演劇など
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