2019年 09月 25日
久々に映画見ました・・・まずは「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
いやぁ・・・・
6月1日から9月の20日まで、全然生活に余裕が無くて
映画も全然見られなかったんですが
ようやく時間が少し取れました
そこで何にしようかなぁ・・・・と思い
選んだのが
タランティーノ監督の最新作
「Once Upon a Time in Hollywood」です。
これは週刊文春の映画欄で、辛口で知られる翻訳家・映画評論家の
芝山幹朗さんが 満点をつけて一言「堪能しました」と書いた
作品で、そんなの私 1984年から35年文春読んでますが、見たことなかったので
ぜひこれを・・・と思い見に行きました。
という事で これは深刻なネタバレをします
もうここまでで これから見る方は引き返してください。
この映画の舞台は 1969年のハリウッド。
この時代、ベトナム戦争が泥沼化して、特に先進的なカリフォルニアでは
ヒッピーの文化が花開いていました。
そのころのお話
主役は レオナルド・デカプリオふんする 落ちぶれつつある西部劇俳優と
彼の専属で スタントマンをしつつ公私にわたって付き人のような
仕事をする ブラッド・ピット
二人は「兄弟以上 恋人未満」の仲の良さ
しかし徐々に世代交代しつつあるハリウッドで必死にしがみついて
辛うじてスターの座を維持しています
そんなデカプリオが住む ビバリーヒルズの隣の家に
越してきたのは 当時「ローズマリーの赤ちゃん」で大ヒットを飛ばした
新進気鋭の監督 ロマン・ポランスキーと奥さんの女優シャロン・テート
・・・・ここまで書くとハリウッドに詳しい方はピンときますよね?
そう・・・アメリカ史上最もひどい殺人事件といわれた
狂信的カルトヒッピー集団
チャールズ・マンソン一味による シャロン・テート惨殺事件の事を描いた
作品なのです。
ネタバレします
タランティーノは、この事件の被害者としてとても有名なシャロン・テートという
女性が、実はそれ以外で彼女が出演した作品や普通の生活をどうしていたか?という事が
全然語られないということに憤慨し、この作品の中で普通の生活をさせたいと
この作品を作ったといいます。
確かに私はこの事件から2年後に生まれたものですから
シャロン・テートは名前はもちろん知っていますが、今回の映画まで
その出演作を見たことがありませんでした。
シャロン・テートが自分の出演作品を 映画館に見に行くシーンがあります。
実際に映画館で 結構な尺をとって、そのシャロン・テートの実際の作品を
紹介しています。
どうやらシャロン・テートという女優は、主役を張る感じの人というよりは
青春スターの一人だったようで、ここで紹介されているのも
ディーン・マーディン主演のお色気スパイ映画で、
シャロンはちょっと天然なデンマーク娘で、中国スパイ女と空手で対決するシーンなどがあります
実際にこのシーンが映画でも2分ほど使われます
今見るとかなりへっぽこシーンで、じっさい映画館でも観客が笑っているんですが
このシーンはブルース・リーに指導を受けたそうで、シャロンがそのことを回想しながら
「うん、受けてるわ。私、うまくやってる!」とニコニコするという
とてもキュートなシーンがあります。
この作品は 3時間近い作品ですが
うち2時間15分は、シャロン・テートの日常と、デカプリオ&ブラッド・ピットの日常が
カットバックされて、沈みゆくハリウッドが描かれていきます
しかし残り45分のところで
あの日になってしまうのです。
初めて知ったこんなに魅力的なシャロン・テートが、惨殺される・・・
しかもここに書くのもはばかれるほど、凄惨な形で・・・。
彼女は当時妊娠8か月で、その描写も出てくるんですが
それさえ、辛いです。
だってそのあと・・・・。
まさに「予告された殺人の記録」ですよ・・・。
そこからタランティーノ映画の醍醐味の一つである
時間軸の急激な変化が起こります
それまでゆっくりと流れていた映画の時間は、あの瞬間へ向けて
濁流のように流れ始めます。
運命は・・・時間は・・・変えられないのか?
しかしタランティーノは、この作品の中で
一つの偶然を作り出して、チャールズ・マンソン一味を 隣の家であるデカプリオの家に侵入させます。
そこでタランティーノのもう一つの魅力である
「やりすぎ暴力描写」により、ブラッド・ピットがコテンパンに
マンソン一味をぶっ殺し、シャロン・テートにあの瞬間の次の人生を歩ませるのです。
なるほど・・・
つまり タランティーノは、世界一有名な被害者であるシャロン・テートを
この映画の中で 救って見せたのです
これはやられた。
私は「シャロン・テート惨殺事件の事を描いた映画だ」としか知らずに
見に行ったので、ラストシーンでこみ上げる涙をこらえれれませんでした。
タランティーノの映画は緩急のつけ方が、本当に抜群です。
デビュー作の「レザボア・ドッグス」からして
冒頭 ギャングたちがダイナーでダラダラと「マドンナの悪口」を言って
スローで歩くタイトルになり、
「あ、のんびりした映画なのかな?」と思わせて
タイトルが開けると、いきなり強盗をミスした後 走って逃げるシーンの
揺れる手持ちカメラになります。
そこから観客はいきなりストーリーに投げ込まれます。
代表作「パルプ・フィクション」ではそれがもっと顕著で
主役のはずのトラボルタは3つあるエピソードの二つ目であっさり殺されて
「な?なんだ?」と思いますが。
3つ目ではその前のことが描かれます
つまり映画の中で流れている時間を コントロールする術が
多分世界で最も上手い映画監督の一人なのです。
この映画でも後半45分はシャロンテートが実際には死んでいると
知っているからこそ そこまでの淡々とした生活描写が
全て伏線のようにいきなりすごい勢いでつながり始めます。
ですから3時間もある映画なのに ドキドキハラハラの読後感で終われるという
凄い構成なのです。
いや~~すごいなぁ
サスガに私は芝山幹朗さんほど 当時のハリウッドに詳しくないので
無数にちりばめられた 引用などを拾いきれたとは言えず
映画に満点をつけるところまではいきませんが すごい映画であることは間違いありませんでした。
by AWAchampion
| 2019-09-25 05:17
| 映画・演劇など
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