2020年 01月 13日
アングラ映画の巨匠 松本俊夫
まだまだ映画見ましたよ!
早稲田松竹で日曜日に 日本アングラ映画界の巨匠 松本俊夫監督の
「薔薇の葬列」(1969)と「修羅」(1971)の特集上映がありました
朝10時半の開演だったのですが
正直 50年前のアングラ映画だから 全然人がいないのかな?
と思って行ったら 超満員!
一本目終わった後からは札止めになっていました。
松本俊夫監督は もともと短編の実験映画を中心に活躍されていた
監督さんですが
1969年に ATG映画として 長編第一作「薔薇の葬列」を
発表します。
これは、当時アングラ文化の中心地だった魔都新宿を舞台に
今よりもずっと地位が低くキワモノ扱いされていた
ゲイボーイたちの生活を中心に
ギリシャ悲劇の「オイディプス王」をにじませながらも
途中インタビューなどが入り、虚実入り混じった 時代の空気を
捉えた快作です。
で、何より
当時16歳で 原宿のゴーゴーボーイだったピーター(池端慎之介)が
スカウトされて衝撃的なデビューを飾った作品としても知られています。
海外でも「ゲイカルチャーの先駆け」として非常に人気の作品
ということもあり この日も外国人がかなりたくさん見に来ていました。
いやぁ~私は 知ってはいましたが初見でしたが
面白かったですねぇ。
もともと 同じ時期に同じ新宿を舞台に、同じ手法で撮られた
大島渚監督の「新宿泥棒日記」の大ファンで、何度も見た私としては
そのアナザーストーリーみたいでワクワクしてみていました
やっぱりたまには「アングラ映画」を見るべきですね
単純に楽しいです
そして長編第二作めが「修羅」なんですが
これは打って変わって 時代劇
歌舞伎の「盟三五大切」という演目の映画化です。
これは鶴屋南北が 忠臣蔵のアナザーストーリーということで
大殺人事件が行われるホラーとして描いたらしく
殺しのシーンがふんだんに出てくる作品です
これを朝倉摂 美術、鈴木達夫 撮影など
凄い豪華な人々を使って映画化した作品で
主演は 中村嘉葎雄
それに唐十郎が絡むという メインストリームとアングラの融合で
これまたとてもパワフルで素晴らしい作品でした
これぞATG時代劇!というべき
極端に抽象化された絵作りの中で、悲劇が展開されます
私は思うに こういう抽象化&演劇化された時代劇も
今でも作ってもいいと思うんですけど
篠田正浩監督以降 そういう試みをする人はいなくなりましたね。
せっかく歌舞伎が 抽象化された舞台を作り上げているのですから
みんなやればいいと思うのですが・・・。
両作品とも初見でしたが
素晴らしい作品で 大変満足しました
by AWAchampion
| 2020-01-13 23:56
| 映画・演劇など
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