2020年 05月 04日
【7日間ブックカバーチャレンジ】の軌跡
リレー形式でいろんなことをさせるという【チャレンジ】企画が流行っています
で、私の所には
【7日間ブックカバーチャレンジ】なるものが回ってきました
これは、今苦境にある書店や出版社を守るために
一日1冊 本の表紙をSNS上で公開するというものでした
で、私が先週フェイスブックとツイッター上に上げた本は
こんなラインナップでした
まずは1日目は
ジャズの成立を描いた絵本「リズムがみえる」
よく見ると 翻訳が金原瑞人 監修ピーター・バラカンという
なかなかの重量級ラインナップ!
こどもむけとは思えない絵本からスタート
90年代 日本に限らず世界中の映画青年のバイブルだった
「マスターズ・オブ・ライト」
これは、映画の撮影監督のインタビュー集で、
貴重な証言がいっぱい。映画とは写真なんだということを改めて気づかせてくれました。
イギリスの映画学校にいるときに
アメリカの学生は、ゴッドファーザーの撮影監督ゴードン・ウィルス推しで
ノルウェーの学生は暗殺の森の撮影監督 ヴィットリオ・ストラーロ推しということで
ワイワイやってたのをとても懐かしく思い出します
葉室麟「蜩の記」
私は以前「宮崎美子のすずらん本屋堂」という書籍紹介番組をやってましたが
そのなかで、私が担当する1本目に紹介したのが、この本でした。
葉室さんはそのころはまだご存命で、直木賞をとられたばかり。
もともと北九州の地方新聞の記者さんが、一線を退いた後に時代小説を
書き始めたということで、私もインタビューをさせていただいたのですが
「地方の骨太報道マン」という風情だったのがとても印象的でした。
彼はその後 「現在の藤沢周平」と言えるような傑作時代小説を連発しますが
残念ながら志半ばに 60代前半でお亡くなりになりました。
こちらも「宮崎美子のすずらん本屋堂」からの一冊。
私が担当しているときに本屋大賞の発表があり、当時この本も
ノミネートされていました。
辻村深月 「島はぼくらと」
直木賞作家である辻村深月は まさに青春映画の巨匠。
現在の高校生たちに絶大な人気を得ています。
私たちが大林宣彦監督に熱狂したように、今の高校生は
辻村美月に熱狂するのでしょう。この作品は離島の高校生たちのひと夏の思い出を描いた
素晴らしい作品です
いしいしんじ「ぶらんこ乗り」です。
いしいしんじは、まさに「現代の宮沢賢治」の名をほしいままにする
素晴らしい児童文学作家です。
彼の紡ぎだす 想像力豊かな摩訶不思議ワールドは
ファンタジー版「百年の孤独」
彼には「トリツカレ男」という作品もありますが
代表作である「ぶらんこ乗り」を上げました。私が最も敬愛する作家のひとりです
柳澤健「1964年のジャイアント馬場」
これは 400ページを超える大著なんですが
とかく「アパー」と、晩年の馬場さんのコミカルな部分ばかりが強調されますが
実はジャイアント馬場は、戦後20年たたないアメリカの
スポーツエンターテインメントで、トップを張った
「50年早いイチロー」だったのです。
そのジャイアント馬場のアメリカでの活躍は、実はプロレスファンの中でも
あまり詳細には語られてこなかったのですが、この本では徹底的な取材で
一つ一つベールをはがしていきました。
そこには、当時力道山と日本テレビが作り上げた神話とはまた別の物語が
隠れていました。
プロレスを通じて 戦後のアメリカ&日本の闇社会なども描いた
刺激的な一冊です
岡田敬二「岡田敬二 ロマンチック・レビュー」
これは 私が父に5時間インタビューをして書き起こした
5万字インタビューが基本となっています。
一人の演出家の ほとんどすべてのキャリアを俯瞰した
インタビューをプロのテレビマンである息子がやるというは、なかなか無いことで
「やって良かったな」と少し親孝行ができたのでは?と
感慨深かった一冊です。
それに、「レビュー演出家」という、ちょっと一回聞いただけでは
よく実像がつかめないものを、じっくり解き明かした一冊だと思います。
手前味噌ですが、ぜひ早稲田大学の演劇博物館には入れてほしいと思います。
まあ もっと小説とかを乗せても良かったのかもしれませんが
変わった本が好きで雑学王の私としてはこういうラインナップも
良かったのでは?と思います
by AWAchampion
| 2020-05-04 12:23
| 書籍・マンガなど
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