2020年 06月 07日
最近見た映画 「三島由紀夫vs東大全共闘」「ミッドサマー」「デッドドントダイ」
やはり映画館が再開しましたから、色々な映画館にお金を落としています
まずは 池袋シネマロサ
ここは 3席で一人しか座れない仕様にしてありました
「三島由紀夫vs東大全共闘~50年目の真実」です。
かの有名な 三島と東大全共闘の討論会には実はTBSががっつり取材で入っていて
全部映像として残っているそうで、それを私と同い年の豊島圭介監督が
構成した作品です。
見た印象ですが、非常に三島由紀夫はユーモアを交えて真摯に丁寧に
政治学や文学でも使う言葉ですが、「構造主義」について
解説しています。
そこに、東大の人は、だいたい当時の全共闘の人たちの
「禅問答」的に反構造主義の話をしようとするのですが
一人だけ、ご自分も前衛芸術家だったという 芥さんという
学生が、のちの「ポストモダン」の立場から、三島の前提を混ぜ返そうとする
攻防はなかなか面白かったです。
簡単にいうと 三島は「机を机として存在させているのは、
今までの人々の文化的な営みがあって、机という意味を付与している。
我々が机を見て「ああ机だね」と普通に使えるのは
すでに我々が歴史の中にいるということなのだ」というと
芥氏が「我々が官憲から奪った解放区でやりたいことというのは
そういう既成概念を取っ払って、単に机が物を書くという
事ではなく、バリケードに使ったり、火を燃やしたり
ただそこにある物の縛りを解き放つことで歴史から逃れられる」
と混ぜ返したのです。
そこで、三島が「でも君のは名前があるだろ?それ自体が
既に日本という歴史の一部なんだ」と返すわけですが、
それは、個人的には20年のちに シニフィアン(名前)と
シニフィエ(名前が意図するもの)が本当に一致するのだろうか?
と考える・・・という東大総長蓮見重彦のポスト構造主義の名著で、
私も知ることになります…。
ポストモダンの人が出てくるなら、映画の中で解説する識者も
もちろん平野啓一郎さんは三島の立場をちゃんと説明できる
素晴らしい文学者だと思いますが、日本のポストモダン文学の
巨匠高橋源一郎の話は聞いてみたかったですね…。
高橋源一郎の名著「さようなら、ギャングたち」は
日本語を解体した先に見えてくるもの…を描いた
革命的名著でしたが、彼なら別のコメントが出てきたと思いますね。
ただ、映画としてはテレビマンの私が言うのもなんですが
良い意味でも悪い意味でもテレビドキュメンタリー的すぎるきらいはありました。
良い面でいえば、その時の事象や話されている用語について、
非常に分かりやすく整理してあるので
禅問答のような話も、ちゃんとすんなり聞けました。
悪い面でいうと
最後に、テレビマンだとどうしても、ドキュメンタリーの最後に
「これが結論ですよ」というナレーションを
入れたくなるのですが、
今回もガッツリ入ってました。でもその作者の結論は
三島と全共闘が意図したところからは遠く離れた、ただ事象をなぞった
凄く浅い感想でしかなかったんで、要らないと思いましたね…。
続いて イオンシネマ板橋に行きました
ここは シネコンですが、空いてましたねぇ・・・
「ミッドサマー」
このコロナ騒ぎの直前、アートシアター界隈でちょっと話題になっていた映画です
あるコミューンで、90年に一度という祝祭に立ち会うが、
そこで世にも凄惨な殺人が行われる…。というホラーです。
天国のような美しい映像の中に行われる悪夢的な物語…
というのが 若い女の子の心をとらえたのかもしれませんが…。
いや、ダメでしたよ。
アメリカ人の35歳の若い監督さんの作品だそうですが
よくある「若いアメリカ人の旅行者が、田舎でひどい殺され方をする」
というホラー映画のスウェーデン版でしかなかったです。
スウェーデン人怒るでしょ?これ?
ベルイマン泣いてますよ・・・。
個人的にはここ5年で最悪の映画でした。
で、次が
オフビート映画の巨匠 ジム・ジャームッシュの新作
「デッド・ドント・ダイ」
なんとあのジャームッシュがゾンビ映画ですよ!
普通のゾンビ映画ではありません。
(にしては、意外にちゃんとゾンビ映画でしたが)
基本的には「てへ、俺みたいな作風の人がまさかのゾンビ映画でっす!」
みたいな作品で、このジャンルに対するパロディなのです。
ですから、途中で主演のビル・マーレイ(ゴーストバスターズ)とアダム・ドライバー(スターウォーズ)が
「俺は台本を自分が出るところしか見せてもらってない」「俺は終わりまで全部見たからバッドエンドだって知ってる」
みたいなメタ構図の内輪バラシなんかも出てくるんです。
ビル・マーレイはゴーストバスターズのようにショットガンでゾンビを倒し
アダム・ドライバーはスターウォーズのカイロレンのように、刀で倒す…。
そこに宇宙人まで入ってきて…。
みたいな まあ何というか
ポップコーン食べながら、文句言いつつ見るという感じの映画でした。
ジャームッシュほどの巨匠でも、そういう映画を撮りたくなるんですね。
by AWAchampion
| 2020-06-07 20:24
| 映画・演劇など
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