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母はよくぞ、この映画を私に見せたなぁ‥

今、ちょっと仕事で一からパリのバレエの歴史を勉強しています。
そこで、1960年代以降になると
モーリス・ベジャールだの、ルドルフ・ヌレエフだのという名前が
出てきます。

このあたりの名前は、バレエ教室の息子である私には
かなりなじみのある名前なんです。

母はもともと宝塚歌劇団の雪組所属でしたが
その前は東宝芸能学校でバレエをやっていました。
多分そのころから、遠くパリ・オペラ座で「火の鳥」などの
振り付けで大ブレイクしていた モーリス・ベジャールの名は
良く知っていたのでしょう。
1980年ごろには「20世紀バレエ団」という現代バレエの劇団を持ち
世界的に知られていました。

私が11歳の時、同じく当時9歳の弟と一緒に
母に、クロード・ルルーシュ監督の
「愛と哀しみのボレロ」を封切で見せられました。
3時間半の大作で、第二次大戦がバレエ、オペラ、クラシック音楽などが
どのように引き裂いたのか?という野心的な作品でした。
この作品でカラヤンはヒトラーに協力していたから戦後辛い思いをしたとか
パリで占領下ドイツ兵の娼婦をしていた女性は
戦後丸刈りにされたみたいな事も知りました。

11歳と9歳の男の子を連れて見せる作品としては
かなり難しい作品で、
実はその時に 隣の映画館では、かの「タイタニック」の
ジェームス・キャメロン監督のデビュー作にして
カルトムービー「殺人魚フライングキラー」がやっていて
チケットブースで「え?こっちじゃないの?子供料金で
『愛と哀しみのボレロ』を?」と相当聞き返されたと
母は笑っていました。

もちろん11歳の私にはかなり難解な映画ではありましたが
素晴らしい体験でした。
3時間の最後に ボレロの旋律で一人の男性ダンサーが
踊るシーンは今でも目に焼き付いています。



で、・・・・

私はず~~っとこのダンサーこそが
20世紀最高のダンサー、ヌレエフその人だと
思っていたのですが、
ついさっきもう一度調べたら…違うんですね。

映画でも振り付けに入っていた
モーリス・ベジャールの秘蔵っ子で
「20世紀バレエ団」の首席ダンサーだった
ジョルジュ・ドンなんですね…。

40年ぶりにジョルジュ・ドンの名前を聞きました。

年齢は二人はどうやら10歳程度違うようですが
同じ時期にエイズで亡くなったので
またそれもあってゴッチャになっていました…。

なにはともあれ、母はかなり印象的な映画を
私に見せてくれたことになります・・・。

母と映画に行った記憶は 2つ大きいのがあって
一つは初めて映画を見た時の記憶で
それは宮崎駿監督のデビュー2作目「パンダコパンダ 雨降りサーカス」
そしてこの「愛と哀しみのボレロ」ですね。

これ、かなり素晴らしいチョイスだなぁ・・・と
今更ながら感謝しています。
子供にちゃんとした映画を見せなきゃというのはホントですね…。



by AWAchampion | 2022-05-07 19:11 | 映画・演劇など | Comments(0)