2023年 06月 13日
最近見た映画 その3「せかいのおきく」
これは 日本映画で、「鉄拳」などで知られる阪本順治監督の最新作。
主演は黒木華さんと池松壮亮さん。
なんとモノクロで、しかもスタンダードサイズという
無声映画時代みたいなフォーマットの作品です。
で、なんでこの21世紀にモノクロ映画を撮ったのか?
という疑問ですが、見て1分で理解できました。
なんと日本映画初
下肥汲み取り業者が主役の映画だったのです。
当時は「おわいや」と言われていた人たちで
要するに農家の肥料にするために 汲み取り便所から
糞尿をくみ取って歩く業者の事です。
そのおわいやさんと、没落武家の娘さんの恋物語
なので、普通の生活を描いても糞尿譚なわけです…。
そりゃモノクロで正解。
しかしトイレというのは人間生活に欠かせないトピックスで
なんというか、メチャクチャ江戸の町がリアルに見えてきました。
私は時代劇も時代小説も好きな方ですが、こと、トイレにこれほど
着目されて事細かに描かれると、今まで他の映画が隠してきた
所があらわになるわけで
「そうだろうなぁ・・・当然そうなるよなぁ」という
目からうろこが落ちる思いでした。
どうやら監督や脚本の方々は「SDGsが叫ばれる昨今
世界でも最先端の循環型都市だった江戸を、リアルに描きたかった」
という事だったそうですが、ホントに生活がリアルに感じられて、
結果、なんというか感情もリアルになるんですよね?
だから、糞尿はおいておくとしても、とてもさわやかな江戸の風が
吹くような作品でした。
また黒木華さんは、江戸顔ですよね。
それも良かったです。
by AWAchampion
| 2023-06-13 02:03
| 映画・演劇など
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