2023年 09月 16日
見てきました「GRAND MIRAGE」
さて、今週の水曜日に行ってきました!
父 岡田敬二のロマンチック・レビューシリーズ 第22弾!
「GRAND MIRAGE」
という作品で、これはこれで書く事がたくさんあるのですが、それは次のブログに回すとして…。
前回は父にチケットの取り置きをお願いするのが遅れて、リセールに出ていたチケットを何とかゲットしたので
2階の奥の方で見ましたが、今回は関係者さんが多い 前の方で見せていただきました!
とにかく今回の作品は、父が「おい、倫太郎。こんどのは傑作だぞ!」と制作途中から連絡がありました。
で、そのことをツイッターで書いたりしたら
実際に宝塚で公開された後、私のツイッターに、多くのファンの方から「それ、本当ですよ」と
反応をいただいていたので、かなり楽しみにしていました。
見た直後の第一印象は、「父はなんか、まだまだやる気なのでは?」という事でした。
ロマンチックレビューシリーズは、広い意味で温故知新という事が特徴の一つに
挙げられると思います。
それは父が師、白井鐵造先生や高木史郎先生らから
受け継いだ「宝塚っぽいレビューの復権」という事が第一義ですが、
父自身がありがたいことにずっと、音楽の吉崎先生、美術の大橋先生
衣裳の任田先生、振付の羽山先生、謝先生ら、殿堂入りするようなレジェンドスタッフの
皆さんと、ずっと強い絆のチームを作って作品を作ってこられたがゆえに、
以前の名作レビューの中で造られたシーンも、同じチームの作品ですから
新しいレビューにもなじむので積極的にリバイバルする。という事でもあります。
それはそれで、今回も「ジュテーム」の主題歌が歌われたりという事もあるのですが、
やはり羽山先生がお亡くなりになったり、他の先生方も父と同様に高齢になられて
いることもあり、少しずつ新しいスタッフの方々も入っておられます。
そういう方が、ロマンチックレビューに新しい色どりを加えていってくださっているのが
とても良くわかる作品だったと思います。
長くなりますが例によって 一つ一つ解説しながら見ていきます
●第一章
私は始まって、スターさんの影ナレが始まった時から、ず~~っとミラーボールを
見ていました。父のレビューの「パターンA」は、ミラーボールに明かりが当たって
ギラギラギラ!ティンパニ!ドンドコドン!板付きの大人数からスタートだからです。
しかし出てこないようなので・・・ん?と思っていると、
緞帳が上がり、父のレビューでは「パターンB」ともいえる紗幕の前スタートで
パステルカラーの淡い色彩の女性たちが歌います。
そして紗幕が飛ぶと、おなじみタイトルの電飾『GRAND MIRAGE』!
これこれこれ!
そしてそこに居並ぶ大人数の人々!
パステルカラー!
吉崎先生の泣かせる旋律のテーマソング!
「若き時代を信じて」的な歌詞!
これこれこれ!
ロマンチックレビューが始まったよ!!の醍醐味あふれるOPでした。
父が演出の中で最も重視しているのは、展開だと思います。
曲が32小節ぐらいずつで徐々に色合いを変え、それに従いセットがチェンジし、
その時々で、センターで踊る団員さんも その人数も変わります。
そうしてうねりを作っていき、スターの登場で大きなカタルシスが生まれるという
流れですね。
プログラムを見ると第一章だけで4場が重ねられています。
これはそれだけセットが大きくチェンジしているという事です。
それが万華鏡を回しているがごとく、シームレスに移り変わるのが
レビュー演出の神髄なのではないでしょうか?
これは、本当に他の演劇形態ではなかなか出来ない事なので
一体どういう資料を用いてどういう会議をしているのか?
何度かテレビマンとして企画を持ち込んで
撮影したいとおもって頑張っているのですが、中々難しいですねぇ。
私自身NHKに4回は企画を持ち込んでるんですけどねぇ…。
◆間奏曲
スターを中心とした熱狂のOPが終わると、セカンドスターの方の歌が
あります。ここはファンの人にとっては大事な部分ですね
●第二章
今回、見終わった後父にお礼の電話をしたら「おい!第二章良かっただろ!え?どうなんだ?」が
父の第一声でした。まさに自信の章ですね。
今回の「GRAND MIRAGE」とは「大いなる幻影」という意味のフランス語です。
この章はそれを体現するように、フランスの将校が砂漠で蜃気楼のかなたに幻影を見るという
構成になっていました。
ココは確かに良かったですねぇ。
「ストレンジャー・イン・パラダイス」に合わせて・・・という風にパンフレットには書いてありましたが
私はこのシチュエーションは元曲のクラシック「韃靼人の踊り」と言った方がしっくりくるなぁ・・・と
思ってみていました。韃靼人って砂漠の民ですからね。
フランス将校が砂塵に巻き込まれた先に、蜃気楼を見る・・・(タージマハルそっくりでしたね)
そこに美しい女性たちが現れて、彼をもてなすが、最後また砂嵐に巻き込まれて 砂塵に消えていく・・・。
最後盆が回り、ゆっくりセリが下りていく様は、本当に砂漠に見えました。
父がロマンチックレビューシリーズで、スターのナレーションから入って
クラシックを使う場合は名作シーンの予感が
しますよね?ファンの方なら「ジュテーム」の初恋のシーンや
「シトラスの風」の「ジャンニ・スキッキ お父様お願い」のシーンを
思い出す方も多いのではないでしょうか?
●第三章
この美しい場面から一転!今度はイタリアのベネチア風の衣裳を来た男たちが現れて
陽気に歌い上げるシーンになります。
ここは、セカンドスターの方のシーンで、彼女は「鴛鴦歌合戦」では
ディック・ミネがやってた「陽気な殿様」を演じたように、スターさんとは
違う陽の魅力があるようです。その雰囲気にぴったりのシーンとなりました。
衣裳の色合いもここで原色で、ベロアの生地を使ってちょっと変化がありました。
●第四章
ここは「シボネー・コンチェルト」ですね。Twitterでもファンの方から
「倫太郎さん!ココ見て!」と多く寄せられていたシーンです。
この「シボネーコンチェルト」は父が好きな曲で、今までも何度か
ロマンチックレビューでは登場して、その都度名シーンを作り上げてきました。
オリジナル振付には、父の良き兄貴分でもあった喜多弘先生の名前が
クレジットされていましたね。
今回は上演時期が夏という事もあり、かなり夏っぽいセット&衣裳でした。
ここは圧巻でしたねぇ。ほぼ8分近くあるそうですが、全員で歌って踊って
最後は「ひ~~~や!」とみんなで気合を入れながら踊り切る。
スタッフもキャストも全力で作った、
まさに宝塚の劇団としての実力がいかんなく発揮されたシーンだったと思います。
この「シボネー・コンチェルト」という曲は調べたら1929年に発表された曲なんだそうです。
で、ふと気になって調べたら、その翌年1930年に白井鐵造先生がご自分の作品
「パリ・ゼット」を発表されているんですね。
つまり、宝塚のレビューの原点の頃、世界中で流行っていたのはこういう曲だったわけで
まさに父が、白井先生の系譜を継ぐものとして、今ロマンチックレビューを発表している
意義があるようなシーンだったと思います。
白井先生のことについては番組を作りたくて今、リサーチを開始していますが
彼がフランスに渡航した際にパリで舞台を見て
「アジサイのような色合い。淡い紫が印象的だった。これこそ宝塚の色合いだ」
とノートに書き留めているそうで、ハッとしましたね。
白井先生の最後の弟子でもある父の中に、そういうDNAがあるんだろうなぁと
思いました。
で、衣裳ですがどこかに「ノバ・ボサ・ノバ」を思わせると書いてありました。
確かにそうですね。でも私は同じ鴨川先生の「シャンゴ」を思い出していました。
え?1968年の作品を 1971年生まれのお前が知ってるわけないだろ?って?
実はね…母、若菜ゆきが出てたんですよ。ワハハハ
だから写真を山ほど見てますから、何となく雰囲気は分かります。
そういう宝塚の名作の系譜がギュッと詰まった素晴らしいシーンだったと思います。
ここは、指揮の佐々田さんも、とにかくエネルギッシュに、そして楽しそうに指揮を
してらしたのが印象的でした。いや楽しいと思いますよ。
◆間奏曲
ここでエルビス・コステロの「SHE」が歌われます。
歌の上手いスターさんが歌われていて、良いシーンでした。
衣裳とかもこのあたりで、任田先生とはまた違ったテイストを強く感じました。
●第五章
ココは、謝先生振付のシーンですね。明らかに他のシーンとは違います。
音楽も吉崎先生や甲斐正人さんではなく、もう少しお若い玉麻尚一さんが
担当されています。
どこか80年代風の黄色を基調とした衣裳で、プロジェクションマッピングを
使ったセットが動きながら都会を表します。そこに激しい変拍子のリズムに合わせて
踊る感じは、父が「アンドロジェニー」などでやっていた風味もありつつ、
謝先生テイストも色濃い、21世紀の新しいロマンチックレビューの感じがしましたね。
●第六章
ここはロケットダンスですね。ロケットダンスはかの「モン・パリ」からあるわけですが
白井先生が岸田先生の助手&振付をしているときに1枚の写真を見せられて
「こういう踊りがやりたい」と言われてやったのが宝塚では最初らしいですね。
50代の私からしたら娘みたいな子が踊っていて、背の高いセンター辺りの子はともかく
背の低い一番端っこの子とかを観ちゃいましたね。頑張れよ!って感じです。
●第七章
ここは亡くなられた羽山先生の振り付けシーンですが、まさに男役の美を追求された
羽山先生らしいシーンでしたね。
そしてメインはずっとパステル調だったのですが、ここでパキっと真っ赤な衣裳に
なりました。
こういう色彩設計は会議で決めるのだと思いますが、効いていましたねぇ。
視覚からハッとする感じでした。
羽山先生は本当に大階段を使った空間演出が素晴らしい方だったと
思います。一度光栄なことに彼女の舞台稽古シーンを見せていただいた
事があるのですが、とにかく大階段のどこに何人立たせたら
最も美しいのか?を延々と指示されている姿が印象的でした。
だいたい舞台は1尺(30cm)ごとぐらいで番号が振ってあり
普通は「今25番に立ってます!」みたいな事なのですが
羽山先生は「25.5から25.8に動いて」みたいなことを言ってて
ビックリしたのを覚えています。
●間奏曲
ここでロマンチックレビューの第一作である「ジュテーム」のテーマソング。
懐かしいですよねぇ。オールドファンはグッときます。
高汐巴さんの顔が浮かんだ方も多いのではないでしょうか?
◆エンディング
そしてエンディング。宝塚らしい素敵なエンディングでした。
で、最後なんですが、ここも ティンパニーがドンドンドンドンドン!
これでもか!と盛り上げて、指揮の佐々田さんも手をぶん回しながら
エンディングを迎えていましたね。
父の「俺はまだまだ作品を作り続けるぜぇ~~~」という叫びにも聞こえましたよ。
吉崎先生の声も入ってるかもしれませんね。
いやぁ~~書きすぎましたね。
でもほんとに、父の作品を支えてくださってる皆様に
心から感謝したいと思います。
by AWAchampion
| 2023-09-16 02:30
| 映画・演劇など
|
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