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何とか書いてみる テレビディレクターの過激な一週間 12月上旬篇

さて、なんとか書いてみましょう 
テレビディレクターの過激な一週間
今回は 12月4日~12月11日

12月4日(月) 13時から子供番組のプレビュー。私は若干拘束が多く
         結局19時までかかる。でも私自身のパートは
         かき集めても30分ぐらいなんですけどね…。
         自宅に帰った後、速攻で編集。何とか28時ぐらいに
         一本化するディレクターさんのもとに修正版を
         送付できる。そのまま泥のように眠る
12月5日(火) 17時から子供番組の2回目のプレビュー
         23時に終わり、速攻で家に帰る。寝る
12月6日(水) 昨日のプレビューの直しをした後、1月に
         ちょっと大きな病院にかかるつもりなので
         その予約電話をしたり、税金を払ったりと
         かなり年末っぽい動き。
12月7日(木) 子供番組の第二プレビュー後の直しがどんと来る。
         たかだか1日10分×3本だが、膨大な直し量。
         一つ一つ潰していく。まさにカミュの
         「シューポシュの神話」のように、ピラミッドを積み上げた
         かと思ったら、神の手によってばらばらに崩されて
         一から積み上げるかのごとくだ・・・。
12月8日(金) どうしても見たかった、「初音ミク×歌舞伎」の
         超歌舞伎が、歌舞伎座でかかっていると知り
         午前中から幕見席で鑑賞。
         これは、デジタルアイドル初音ミクと中村獅童さんが
         合体したデジタル歌舞伎という…何を言ってるのか
         わからないが、要するに映像と歌舞伎の新しい試み。
         7年ぐらい前から獅童さんがやっていて、このたび
         このイベントが歌舞伎座に凱旋ということで、見に行く。
         のっけから、ペンライトをつけて観客も参加する
         ギミックもあったりして、猿之助さん系のスーパー歌舞伎
         というよりもロックコンサートに近い感じで、
         あまりの斬新さに度肝を抜かれる。

         が、苦言を呈せば、肝心の投射するものがスクリーンだったり
         モニターだったりするので、どうしてもシルク・ドゥ・ソレイユ
         がベガスでやっている「ka」の、プロジェクション・マッピング
         とパフォーマンスの融合に勝てない。
         私が「ka」を見てひっくり返るほど驚いたのが2006年だから
         テクノロジー的にはちょっと古いかなぁ?

         某官公庁の啓発ドラマの台本を書いているが
         ここへきて急な直しがたくさん出たらしく
         急遽リモート会議。週明けまでには
         直すことになったが、結構設定から
         書き直すものもあって、大変。
         自宅にいては書けないと思い、急遽週末の
         ビジネスホテルを予約する。
         
         なんだかやけになってきたのでレイトショーで
         北野武監督最新作「首」を見る。賛否両論で
         特にカンヌやヨーロッパの批評家には不評だった
         らしいが、見てみたらこれはかなりの傑作。

         講談で語られるような「武士道」「忠義」みたいな
         時代劇なんかくそくらえ!で、
         「むき出しの暴力」「人が死ぬことのあっけなさ」
         「身もふたもない動機」「汚い陰謀」がまさに
         むき出しになった新しい時代劇。

         黒澤監督はその昔、庶民の服を汚させて撮影したが
         北野監督もその系譜。
         しかも冒頭のカットが、川の中で首が切り取られた
         足軽の死体が無数に転がっていて、そこにサワガニが
         たかっているというグロ画像。
         これを見た時に「エル・トポ」のホドロフスキー監督や
         「ソドムの市」のパゾリーニ監督が時代劇を撮ったような
         感覚を覚える。

         庶民も武将も欲望だけが動機だ…というのは
         今村昌平監督味もあるが
         それよりもコント台本に近いところもあり、まあとにかく
         面白いのなんのって…。
         端正な暴力映画「キタノブルー」が好きなカンヌの客には
         受けなかったかもしれないが、ビートたけしが大好きな
         日本の客である私には響いた。思った倍傑作だった。
12月9日(土) 夕方から未明まで赤坂の編集所で作業。
12月10日(日)官公庁の台本を一気に書こうと、ホテルにチェックインすると
         なんと予約を間違えて、1週間後にしていた!
         しかしフロントの方のご尽力で、なんとか確保!
         部屋にこもって、ノンストップで台本を書き続ける。
         断片的な仮眠を挟みつつ、29時に書きあがり
         送信!
12月11日(月)その後、30時にチェックアウト、おなかが空いたので
         立ち食いソバ「ゆで太郎」チェーンの「モツ二郎」で
         もつ煮込み定食を食べる…が、あんまりおいしくない。
         自宅に戻って仮眠をとり、10時に起きると
         既に台本の微妙な直し要請が来ている!
         うへぇ~~なかなか大変!!
         そうこうしていると子供番組の直しも来て
         一日中自宅の仕事机に張り付き!
         


by AWAchampion | 2023-12-14 11:29 | テレビディレクターの過激な1週間 | Comments(0)