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「Perfect Days」を観ました

「ベルリン天使の詩」などで知られるドイツ映画の巨匠 
ヴィム・ヴェンダース監督が、役所広司主演で
オール日本ロケ、オール日本語で撮った、ほぼ日本映画と言える
新作「Perfect Days」を見てきました



いや~~素晴らしかった。
内容は、渋谷でトイレの清掃員をする役所広司の日常を
東京の風景とともに淡々と映し出す中に
家族とか、孤独とか、真の幸せとは?とかを
考えさせるものでしたが、非常にしみじみと感銘を受けました。

もともと ヴィム・ヴェンダース監督は
都会の風景を切り取るのが抜群に上手い監督です。
「都会のアリス」「ベルリン天使の詩」「東京画」
「都市とモードのビデオノート」など名作は多いです。

そして彼はその手法を小津安二郎監督の「東京物語」などから
学んだと公言しています。
そこで今回その東京を、小津さんと同じフィルムの画角
スタンダードサイズ4:3で撮影したのです。

ヴェンダース監督が切り取る東京は美しかったですねぇ。
心象風景という一言では表せないものがありました。
そこの中で日本映画最高の俳優陣が演じるわけですから
素晴らしいに決まっています。

私が大学映研で映像を撮り始めた頃 1990年は
「ベルリン天使の詩」や「バリ・テキサス」でヴェンダースが世界的名声を得て
更に彼によってもたらされた 小津安二郎監督の世界的再評価の大波の
真っただ中にいました。
私も 8mm映画で東京を駆け巡り
【都市】【変わらない日常】【初老の男性】【神社】【パートカラー】
みたいなキーワードの映画を撮ってましたし、
同世代の自主映画もそういうの多かったです。

その大正解を30年後に見せていただいた感じがして
色々と胸に迫るものがありました。


by AWAchampion | 2023-12-29 04:25 | 映画・演劇など | Comments(0)