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歌謡曲スタンダードナンバー その16「ジェニーはご機嫌ななめ」

埋もれさせたくない 歌謡曲の名曲を綴るコラム 
「歌謡曲スタンダードナンバー」 

今回は1980年発表の、テクノ歌謡の古典的名曲「ジェニーはご機嫌ななめ」です。

シンセサイザーを使った、いわゆる電子音楽は1970年ごろから
日本の冨田勲を中心として、現代音楽として進められていました。
70年の万国博覧会会場での、彼の公演は黎明期の電子音楽の魁ともいえる
まさに未来の音楽でした。

その後、日本語ロックを模索していた「はっぴい・えんど」→ティンパン・アレイ一派である
細野晴臣がYMOを結成して、世界中にテクノサウンドが広まる事となるのですが、
同じ頃、すでにテレビドラマ「ムー」などで名を売っていた近田春夫は、
シンセサイザーを使うという方法論とは、若干違った、
でも、今のテクノサウンドの理論的な魁となった、ミニマムなフレーズのリフレインによる
サウンドの、一風変わった曲を、自分のバックバンドたちに歌わせました。

それがこの ジューシー・フルーツの「ジェシーはご機嫌ななめ」です。

この曲を聴くと、特にギターが Aメロ・Bメロ・サビ の中で同じフレーズを
繰り返しているのに気がつきます。

これは、今でも打ち込み音楽の基本の、「ある要素を繰り返す事で音楽を形成する」
デジタル的な思想の曲だったのです。



この曲は発表以来、なんと30回ちかくもカバーされたそうで、
最近ではperfumeのカバーが有名ですね。




当時は、「なんだろう?この不思議な曲は・・・」という、疑問が残る曲でしたが、
25年経ってみると、凄くいい曲ですよね。
それだけ、古典的名曲といえるのではないでしょうか。


さらに、ベストテンと堂本兄弟の映像を比較すると、
イリアとのっちのメイク・衣装が同じベクトルなのに気がつきます。

光沢のあるぴったりとした素材の衣装・少しきつめのアイシャドウ
ユニセックスなショーカット。

さらにイリアはファルセットで歌うことで、相当歌声を加工したような雰囲気を出していて、
すでにperfumeの3人が生まれる前に、そのイメージの原型があった事を忍ばせます。

セットもホリゾントと電飾の違いはあれど、「赤・青」の光の原色を基準とした
構成になっているところも興味深いですね。
by AWAchampion | 2008-12-19 23:47 | 歌謡曲スタンダードナンバー | Comments(0)