人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「おくりびと」と本木雅裕

「おくりびと」が、日本映画としては初めてアカデミー賞の
外国語映画賞を取りましたね。

素晴らしい話です。

日本人としては、黒澤監督の「デルス・ヴザーラ」(ソ連映画として受賞)以来の快挙です。

そこで、この映画がモックンの持ち込み企画で、10数年かけて
形にしたという事が報道されています。

ここでいくつかモックンのエピソードを思い出しました。
わたしは12年ほど前にドラマの助監督としてモックンさんと
仕事をしたことがあります。

その時、彼は非常に自分の役に
対して研究熱心で、「鉄道が好きな役」だったのですが
きちんと調べてきただけでなく、そこで流されるSP版レコード
についても、別に歌うわけではないのに覚えてきていたり
ほぼ、役についてはリハの段階で、助監督を遥かに超えるほど
調べ物をしてきていた印象があります。

さらに、5年ほど前アコーディニストのcoba氏とのトークライブを
見に行ったことがあります。
その時モックンは、「自分はもともとアイドルとしてデビューして、
その後役者に転向したが、今まで自分で何かを表現した事がない。
与えられたものについては、もちろん一生懸命になったが、
自分の心と向き合ったことが無いので、ミュージシャンや
作家の方が心底うらやましい。」
と言ったことを、それこそ思いつめたように訥々と語っていたのが
印象的でした。

そう考えると、この「おくりびと」は彼にとって、
長年「やりたかったこと」であるわけですよ。
彼は、もう一つ自分の中で、やり遂げた感じがしているでしょうね。

素晴らしい受賞です。
おめでとうございました。
by AWAchampion | 2009-02-27 10:13 | 映画・演劇など | Comments(0)