2009年 03月 26日
薔薇のレコード針
ブロードウェイの脇にあるワールド会館という古いホテルの周りは
なんだかそこだけ昭和30年代みたいな古い一角になっています。
そこで、ずっと前から気になっていた木造の古い、中古レコード屋さんに
入ってみました。
中は、4畳半ぐらいのスペースで、ぎっしりとレコードが並んでいて
3分の一がポップスで、後の3分の2がクラシックでした。
すると店主のご夫人(70ぐらい?)が、声をかけてきました。
「あなたは、クラシックはお聞きにならないの?」
「いや、それほど詳しくは無いです。」
「あら、残念。お聞きになるといいのに、クラシックはね、
何百年も前からたくさんの人が聞いているから、
重みがあるのよ。音楽は一期一会だし、まあクラシックもきいてみてくださいな。」
そこから、彼女に色んなことを教えてもらいました。
聞けば昭和22年からやっているお店らしく、
実はSP盤のコレクションが充実しているお店でした。
知ってましたか?
SP盤って、20回ほど聞くと擦り切れてしまうこと。
SP盤って、販売は紙ケースに入っていますが、保存用に別に革製の
辞書みたいなケースがあったこと。
美空ひばりがデビュー当時、ステージで笠置シズ子のモノマネをやっていたこと。
他にも、
中野駅北口は、今でこそブロードウェイがあるが、その昔は中野学校があったから
中野の繁華街は今の新中野辺りだった。
などなど面白い話が満載でした。
特にビックリしたのは、SP盤コレクターの中でも珍品とされているのは、
イギリスで作られている、薔薇の棘を利用して作ったレコード針があるという
話でした。
薔薇の棘は乾燥させると硬くなり、先が細いのでレコードを再生する事が出来るそうです。
SP盤の再生機の本場はイギリスだそうで(これも初耳でしたが)
その針で聞くと、また鉄の針とは違った響き方をするそうです。
音楽は一期一会でしょうが、人の出会いも一期一会なんだなぁ。。。と
あらためて散歩の魅力を感じた一日でした。

by AWAchampion
| 2009-03-26 09:13
| 散歩
|
Comments(0)