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「一瞬の風になれ」を読みました。

昨年の本屋大賞に輝いた「一瞬の風になれ」が
ようやく文庫になったので、急いで買って読みました。

なるほど、とても素敵な青春小説でした。
非常に感じたのは、作者が綿密に陸上選手に取材をした
ことが分かる描写の数々でした。

特にスプリント選手が大会の時にどんな気分で過ごすのか?
大会と大会の間にはどんなことを考えているのか?
ライバル校の選手と交流はあるのか?
いろんなことが、生き生きと、まるでエッセイのような
生々しさで描かれていると思いました。

また、実はほとんどこの小説には挫折が描かれず、
本当に一直線に明るい未来へ伸び行くように書かれているのも
特徴の一つだと思います。

そこで、新二と連の成長と共に、ページをぐんぐん読み進めたく
なる、とても素敵な小説でした。

ただ、ちょっと思ったのは、
「本当はもっともっと、どろどろした駆け引きもあるんだろうし、
トレーニングでゲ~ゲ~吐いたりするんだろうに・・・。」という
違和感ですね。
走る苦痛の面があまり描かれていないので、良くも悪くも青い感じの
小説であると思いました。
まあ、そこが狙いなんでしょうけど。

どうしても大人になるとエグミとか灰汁が欲しくなるので、
「ああ、おじさんになっちゃったな。このさわやかな物語に
素直に共感しきれないなんて・・。」と若干反省もしましたね

「今回は、ドコまでも直線にのび行くスプリンターを書こう」
としている試みは成功していると思いました。
by AWAchampion | 2009-07-31 01:08 | Diary | Comments(0)