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一力遼 20歳の苦悩

先日放送された 情熱大陸#1000記念
20歳の4人特集 最後を飾った 囲碁棋士 一力遼八段の特集を見ました

一力遼八段と言えば 仙台の大新聞社 河北新報 一力家の御曹司として生まれ
5歳で囲碁を始めてめきめきと上達
13歳でプロ入りした瞬間から「未来の日本囲碁を背負って立つ男」と呼ばれた
まさに俊英です。

その後もトントン拍子に出世
私がインタビューをしたときには15歳で、三段でしたが
すでに女流絶対王者の謝依旻六段でも歯が立たないほど強く
中国や韓国の棋士からもマークされる 日本囲碁界の麒麟児・・・というイメージでした

しかし 番組で放送されたのは
現在 囲碁のメインタイトル 7つを囲碁界で初めて全て保持し
国民栄誉賞を受賞。さらにここ1年以上タイトル戦負け無しの 井山裕太七冠に
全く歯が立たず完敗。
その後もどのタイトル戦でも勝利を挙げられず 涙する一力八段の姿でした。

囲碁を知るものとしては、もの凄く衝撃的なシーンでしたが
9割以上の視聴者は 一力八段を初めて見たことでしょう。
そう考えると、藤井六段のような立ち位置にいる 一力八段のこんな姿は
ちょっと悲しすぎる結果でもありました。

是非立ち直って 日本囲碁界の本当のエースになって欲しいです。

また、テレビマンの立場から言うと、今回のこの番組は
4月の最終週に流すと あらかじめ決まっていて取材をしているわけですが
取材を始めてから 彼が勝つところを一つも撮れないと言う中で
ディレクターさんは大変だったろうなぁ・・・と思いました。
東北新社の方のようですが
(ちなみに私は グランドチャンピオン戦の取材で一緒になりました)
まあ普通囲碁界をちょっと知っていれば 一力遼がそう何ヶ月も重要な対局で
勝てないなんて思わないですからね・・・






by AWAchampion | 2018-05-01 22:45 | 囲碁界解説 | Trackback | Comments(0)

先日 囲碁の国内メジャータイトルを全て持つ 井山裕太七冠が
国際棋戦のメジャータイトル LG杯の決勝を戦いましたが
残念ながら敗れてしまいました。

囲碁は四〇〇〇年前にメソポタミアで生まれたゲームで
日本には奈良時代頃入ってきたと言われています。
正倉院には当時 イランからやってきたガラス製の囲碁セットが
国宝として収められています。

中国でも大変盛んだったこともアリ
日本でも囲碁と双六(バックギャモン)が宮中で流行り
平安時代に第一のピークが来ます。

第二のピークは戦国時代 織田信長が囲碁と将棋の名人を
プロとして召し抱え、秀吉 家康もそれに習ったことで
プロ制度が確立しました。
囲碁将棋の達人を「名人」
囲碁の家元を「本因坊」と呼ぶのはその頃の名残です。

以来 囲碁が行われている地域は中国・朝鮮半島・ベトナムなど
中華圏でしたが 日本が最も囲碁が盛んな国として1980年代までは
知られていました。
上海の天才棋士 呉清源も 台湾の天才棋士 林海峰も
韓国の天才棋士 趙治勲も 日本棋院所属の棋士として名を挙げたのです。

1970年代初頭から藤沢秀行名誉棋聖らの活動で中国や韓国で
囲碁復権運動が開始。
その後中国は国策で囲碁の強化をはじめます。
プロリーグを発足させます。
また韓国・台湾でも同時期にプロ制度が確立。

そこで1990年代初頭から 国際棋戦が行われるようになったのです
はじめに行われたのが 日本の富士通杯。第一回優勝は ’宇宙流’武宮正樹九段
その後も日本の棋士が初めの10年ぐらいは勝っていたのですが
韓国に イ・チャンホーという天才が現われて 次第に日本棋士は勝てなくなります。
更に彼の後継者 イ・セドルが現われ、中国もドンドン 国際棋戦に力を入れて
今では 全く日本棋士は勝てなくなってしまいました。

富士通杯は2015年に富士通が撤退したことにより中止
現在 国際棋戦でメジャーと言われているのは 韓国のLG杯、三星杯 
中国の春蘭杯 台湾の応氏杯などです

で、井山九段が日本棋士としては13年ぶりに 国際棋戦メジャータイトルの
決勝にやってきたのです。

しかし・・・残念でした。
今回井山さんは準決勝で世界ランキング1位の柯潔九段(中国)を破っていて
ランキングも15位あたり→4位までジャンプアップしていただけに
勝つなら今年でした・・・。う~む悔しい。

井山さんは日本のタイトルを全部持っている関係で 国際棋戦と日程が合わず
中々頻繁にはでられないのです
だから 今回チャンスだったんですけどねぇ。

by AWAchampion | 2018-02-10 03:20 | 囲碁界解説 | Trackback | Comments(0)

人類 AIに屈す

昨日 中国で 囲碁世界ランキング1位の 柯潔九段(中国棋院)と
AIのALPHA-GOとの3番勝負 最終戦があり
なんと柯潔九段の3連敗で終わったそうです


昨年 ALPHA-GOと、囲碁界の世界的スーパースター 李セドル九段(韓国棋院)が
戦い、1勝4敗で 李セドルが負けたとき
柯潔は「ただ弱い奴が負けただけ。世界ランク1位の俺と戦え」と挑戦状をたたきつけてた
のですが、結果的に返り討ちに遭ってしまいました

まあ 李セドルはここ10年ずっと 囲碁の世界戦でトップの座にあり
現在も世界ランク8位の超実力者で、サッカーで言えばクリスチャーノ・ロナウドみたいな
人ですから、まあ柯潔とそんなに変わらなかったということですね

囲碁の世界三大国の 中国のトップ・韓国のトップが敗れ去りました
日本のトップは 井山裕太6冠ですが、彼はALPHA-GOとやらないんですかね?
彼の世界ランクは33位ですが、これは国内での防衛戦があまりに多すぎて国際棋戦にそもそも
それほど出ていないという事情もあり 実際にはもう少し上だと思われます

どうせなら井山さんが一勝ちぐらいしてほしいですね

そこで以前は 囲碁は着手点の選択肢が多すぎて、AIが人類を超えるのは難しいとされていました
しかし今は 
将棋の場合 取った相手のコマを使って自分が攻撃することが出来るのに対し
囲碁は中盤までは確かに着手点の選択肢が多いですが 戦況が進むに従って
打てるポイントが限られてきて、時間勝負でどこを拾って何処を捨てるか?の取捨選択の判断を
問われる事になりますが
そうした場合 例え持ち時間が10秒であっても 全く焦りがないAIの方が
正しい状況判断が出来るのが いわば当然なのでしょう

私は対AIとの試合で 普通の国際棋戦のような3時間持ち時間制 6時間勝負とかだと
人間が不利だと思います
むしろちゃんと 日本の伝統である タイトル戦8時間持ち時間の 二日制にして
人類側にもう少しチャンスが欲しいですね



by AWAchampion | 2017-05-27 16:10 | 囲碁界解説 | Trackback | Comments(0)

囲碁将棋あるある

ヤフーニュースで
「羽生 4回転!」と見ると

ええ!羽生さん 何したの!

と めがねに癖っ毛の 羽生名人を思い浮かべて

毎回仰天します


これ、囲碁将棋あるあるだと思います

by AWAchampion | 2016-12-09 08:55 | 囲碁界解説 | Trackback | Comments(0)

1年ぐらい前から書いていましたが
ついにこの日が現実になりました

日本にある囲碁のメジャータイトル7つが
史上初めて一人の男に独占されたのです

井山裕太九段
彼が
棋聖・名人・本因坊
王座・天元・碁聖・十段の7冠をついに獲得しました!


日本の囲碁は、奈良時代に海のシルクロード沿いに
メソポタミアからもたらされ、正倉院にはイラン製の碁盤が
今も残されています

そして織田信長によって囲碁将棋の「名人」に扶持が与えられるようになり
プロ制度がスタート
江戸時代には本因坊家をはじめとする4大家が名人の座を争いました

タイトルが複数になってから
特に4つ以上になってから、それを独占したのは井山九段が初めてとなります

彼はコンピューターで囲碁を覚え
師匠ともネットを介して指導を受け
小学校2年生の夏には 全国小学生囲碁大会である「少年少女囲碁大会」で優勝、
16歳で早碁の「阿含・桐山杯」で初タイトル獲得
20歳で名人位を奪取するなど数々の最年少記録を打ちたて
それまでの趙治勲九段が持っていた記録をのきなみ塗り替えてきました

そして今日に至ったのです

すばらしい!

そしておめでとう!井山七冠!

by AWAchampion | 2016-04-20 22:50 | 囲碁界解説 | Trackback | Comments(0)

すごいニュースが飛び込んできました
googleが開発したAI囲碁ソフト「アルファ碁」が
世界でもトップ中のトップ棋士
韓国のイ・セドル九段と対決

なんとコンピューターが連勝したそうです

これはすごいことですよ

日本では井山裕太6冠が図抜けて今強いですが
その井山さんでさえ 勝つことが難しい
(先日の農心杯でも負けました)韓国のスーパースター イ・セドル九段が
こうも簡単に負けるとは

しかも圧勝だそうですよ

以前「囲碁は打つところが無数にあるので 駒の動き方が決まっている将棋やチェスより
AIが人間に勝つのは難しい」と言われてきました
しかし考えてみれば 相当デジタルな競技でもあり
実はAI向きだったというわけです

しかしショックですよ
実際 日本の棋士で過去も今も イ・セドルに連勝できる選手って
本当に限られた人しかいなかったわけです
それがこんなに簡単に越えられてしまうなんて・・・

いやぁ囲碁界では相当ショックですよ

実際強すぎて「悪手を打ってる」と思われたそうですから
まさに人知を超えているんでしょう・・・。

というのも、囲碁は4000年前のメソポタミアで生まれたといわれ
少なくとも日本では400年前から織田信長によってプロ制度がはじまり
(本因坊家が囲碁で食ってたという事ですね)
300年ぐらい前からは ちゃんと重要な対局の棋譜は残っています。
つまり経験値としては 人類側に300年ぐらいのアドバンテージがあったわけです

それに いわゆる定石の研究は全世界で進んでいて
世界中に2000人以上いると言われているプロ棋士は 日夜新しい布石・定石を
研究しているのです

その誰もが今回アルファ碁が打っている手を 理解できなかったという事なのです。
つまり、この2回の対局で、人類が4000年かかっても全く思いつかなかった
手が出てきたという事になります。

これはすごい。

実際日本のトップ中のトップ 平成四天王の一人で 棋聖本因坊経験者
高尾紳路九段も 解説で途中まで「理解できない悪手」と言っていました

そりゃイ・セドルだって負けるわ・・・。

今回の対局は全世界に配信されましたが
英語の公式解説は 日本棋院所属 マイケル・レドモンド九段だったそうです

また、第三局~第五局の聞き手は
「週刊囲碁パラダイス」のMCだった 佐野真さん
彼とはとても懇意にしていて
彼は当時良く「AIは囲碁には向かない」と力説していました

いやぁ・・・どうする?どうなる?




by AWAchampion | 2016-03-10 19:52 | 囲碁界解説 | Trackback | Comments(0)

きたきたきたきた!

ついに!


え?

なにがって?



囲碁界は今 騒然デスよ!


あの平成の若き天才棋士
井山裕太九段が 囲碁国内メジャー7大タイトルを
史上初めて 一人で独占するかもしれないんですよ!


囲碁の国内メジャータイトルは格式の高い順に
棋聖
名人
本因坊
(ここまでが3大メジャー)
王座
天元
碁聖
十段

とあり、現在井山九段は 棋聖~碁聖を総取りしてます
2位は 5冠同時戴冠の張栩九段
3位は 4冠の趙治勲25世本因坊ですから いかに7冠が
すごいことかという事が分かると思います

で、最後の十段戦 5番勝負
(先に3勝したら勝利)が行われているのですが
昨日 井山さんが1勝!
これはありますよ!

小林光一も趙治勲も林海峰も加藤正夫も出来なかった
7冠同時戴冠は もう目の前!

これはやばい!
 





by AWAchampion | 2016-03-09 14:46 | 囲碁界解説 | Trackback | Comments(0)

いやぁ・・・すごい
囲碁界のスーパースター 井山裕太九段が
囲碁界の最高タイトル 棋聖戦を 4勝0敗のストレート勝ちで防衛
4連覇を達成しました

これ・・・相手が山下敬吾九段ですからね?
10年前に 棋聖戦4連覇してる 現役で一番井山九段に拮抗した
実力がある相手にストレート勝ちって!

これは 3月に行われる十段戦で 伊田八段を破って
マジ7冠同時保持の偉業ありますよ!

by AWAchampion | 2016-02-18 22:38 | 囲碁界解説 | Trackback | Comments(0)

井山裕太は今こそ世界へ

現在 囲碁界最大のタイトル 棋聖戦が行われています

挑戦者は以前 棋聖戦4連覇を成し遂げた
最大のライバルの一人 山下敬吾九段

しかしあの攻めダルマ山下を相手に
なんと井山棋聖は3連勝! 7戦戦って4回勝ったほうが優勝という
日本シリーズ方式ですから、ストレート勝ち目前ですよ!

そしてその井山裕太は今年で25歳
日本の囲碁メジャータイトル7つのうち6つを同時保持
3月の十段戦いかんでは 7巻同時保持の偉業の成し遂げそうです


そこで・・・
もし7冠達成したら
井山さんは すべてにタイトルを一旦返上して
世界戦に打って出るべきだと思います

世界の囲碁界は 今中国・韓国2強状態
国内敵なしの井山さんも 世界ランキングは16位です

世界ランキング2015です

しかしですよ、これは日本独特の2日制の長い対局のせい
世界戦の 持ち時間4時間の戦いに どんどん打って出て
マジで 李セドルやら古力といった世界チャンプを打ち負かしてほしいです

by AWAchampion | 2016-02-07 12:08 | 囲碁界解説 | Trackback | Comments(0)

久々に囲碁解説です

囲碁には7大タイトルというのがあります
タイトルの重い順(賞金の多い順)だと
棋聖 (読売新聞 賞金4500万円)
名人 (朝日新聞 賞金3300万円・織田信長由来のタイトル)
本因坊 (毎日新聞 賞金3000万円・室町時代発祥の本因坊家から来るタイトル)
王座 (日本経済新聞 賞金1400万円)
天元 (新聞三社連合:北海道新聞・中日新聞・西日本新聞 賞金1300万円)
碁聖 (新聞囲碁連盟:河北新報・信濃毎日新聞・沖縄タイムスなど12社 賞金800万円)
十段 (産経新聞 賞金700万円)

なのですが、なんと平成の怪物
井山裕太が 棋聖~碁聖まで独占しちゃいました!

しかも王座戦は5番勝負を3連勝
天元戦も五番勝負を3連勝

めっちゃ強い!
残るは十段のみ! これは現在 中京の昇り竜こと伊田八段が持っています。
さて!来年2月に歴史的瞬間が来るか?

しかし!!!

その前に年明け早々 棋聖戦があります
今回の挑戦者は 最強の挑戦者 山下敬吾九段。
棋風はメガトンパンチを繰り出してくる
超攻撃型で プロレスラーに例えると
スタンハンセンです。

井山裕太は立ってよし寝てよしのオールラウンダー
プロレスラーとしては 武藤敬司ですかね?
今なら中邑真輔かな?

年明け早々 1・4東京ドームでは 中邑真輔対AJスタイルズがありますが
囲碁界では 井山裕太対山下敬吾(中邑対スタンハンセン)があります。
これは楽しみですね!


by AWAchampion | 2015-11-25 17:35 | 囲碁界解説 | Trackback | Comments(0)