最近見た映画と演劇を3つまとめて書きます

■「たいこどんどん」
 井上ひさしさんの残したこまつ座の公演。
今回は 幕末の太鼓持ちと、日本橋室町の大店の若旦那の流離譚をラサール石井さんが
軽演劇風、和風ミュージカル仕立てで演出。しかも主演は落語界の若き大名人 柳家喬太郎!
こりゃ見るでしょ?

 で、見てきました。元々のストーリーはかなり暗い話で、太鼓持ちが東北の陰惨な寒村で
足を切り刻まれるみたいな話なんですが、
演出のラサールさんは元々早稲田大学ミュージカル研究会→テアトルエコー→コント赤信号
という流れの人なので、それを軽快なミュージカル仕立てにして、東北の陰惨な感じを
ポップに描き出しています。

 さらに新作落語でもお馴染み、あの喬太郎師匠が演じるんですから、「居残り佐平治」みたいな、
映画で言えば『幕末太陽傳』みたいな感じになっていました。それを井上ひさしさんが望んだか?
と思うとちょっと微妙ですが、正直戯曲の雰囲気とちょっと演出だけに ミスマッチ感が
良い風に出ていました。

 
■「君の名前で僕を呼んで」
 今、都内のミニシアターで大ブームを呼んでいる映画です。
「モーリス」などでお馴染み、イギリスの映画監督ジェームス・アイボリーが脚本、
イタリアのルカ・グァダニーノが監督で、17歳と24歳の男性同士の愛情を描いた
作品です。
 新宿の映画館に行ってみると 8割5分若い女性で、あとは映画ファンという感じでした。
幾つか美しいシーンはありましたが、このストーリーに乗るほど私が若くないので
まあ、「ああ、なるほど」という感じではありました。
 幾つか素晴らしいシーンもありました。特に17歳のエリオが24歳のオリバーに
自分の恋心を告白するシーンはとても抑制が効いていて素晴らしかったと思います。
映画で言うと、バカンス先で自分の性的な嗜好を隠そうとしつつも見てしまうという表現では
エリック・ロメールの「クレールの膝」、一緒に住んでいる微妙な関係の人間に惹かれてしまう
と言う点ではイタリアのソフトポルノ「青い体験」を思い出しました。
私は『モーリス』とか、同じゲイ映画でも『ブローバック・マウンテン』の方が好きかな?



■「MIFUNE the last samurai」
 三船敏郎さんの一生を描いたドキュメンタリー映画で、日系3世のスティーブン・オカザキ監督が
丁寧に関係者のインタビューを重ねた作品です。
 内容自体は黒澤監督との出会いやら、チャンバラ映画についてが主で、日本のシネフィル的には
知っている内容も多く、また日本のテレビドキュメンタリーで良く用いられる『謎かけ』的な
展開は全くない、編年体の伝記ドキュメンタリーなので、いささか平板ではありましたが、
とにかく今はもうお話が伺えない人々のコメントが多く、またスピルバーグやスコセッシも
インタビューを受けているので、その意味では見るべき価値のある作品でした。
それに何より、語られている内容の半分以上は黒澤さんとの 世界的名画の話ですし
「七人の侍」「羅生門」「用心棒」「赤ひげ」「蜘蛛巣城」などの映画とそのメイキングが
ドンドコ出てきます。そりゃイイに決まってますよね!



 


by AWAchampion | 2018-05-23 14:23 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

エアポートおじさん

少し前にネット上で
「20代の女性は、空港でやたらと自撮り写真をとってSNSに上げる中年男性を
『エアポートおじさん』と呼んで、蛇蝎のごとく嫌っている」
という記事がありました。

ん?

あれれ?

私結構このブログでも載せちゃってますよ?

FBには なんと去年1年間で20枚ぐらい載せてました。

あらららら・・・。

私エアポートおじさんだったみたいです。

そりゃ20代女性から嫌われるわ!(納得)

by AWAchampion | 2018-05-23 11:17 | Diary | Trackback | Comments(0)

先日、東京宝塚劇場で 宝塚歌劇団宙組公演 「天は赤き河のほとり」「シトラスの風~sunrise」を
見てきました。
「シトラスの風」は 私の父親 岡田敬二が提唱していた
ロマンチック・レビューの第20作目として発表された作品で、基本的には
20年前の1998年 宙組発足の記念公演として演じられた作品をベースにしています。

あまり身内が内容のことを言うのもどうかと思うのですが
父が常日頃言っている「レビューに対する批評活動が非常に少ない」
「レビューこそが総合芸術である」という思いに賛同しますので
演出家歴18年の若輩テレビ演出家として この作品をご紹介したいと思います。

まず、影ナレーションが明けると
紺色のライトが当たったミラーボールが回り始めます。
そしてオーケストラの高鳴りとともに 緞帳が開くと・・・

目の前一面に 70名近い人々が
レモンイエロー・ペパーミントグリーン・水色など 
パステルカラーの衣装でドン!と勢揃いして立っています。

このレモンイエローやペパーミントグリーン、水色などは
ディズニーランドに行くと分かりますが、ディズニーが伝統的に
善良な村やファンタジー世界を表現するのに使われる色あいです。
豊穣な実りを表現したそうですが、このビジュアルイメージだけで
一気に夢の世界へと引きずり込まれる もの凄いインパクトがありました。

それが朝を表現するような 明るい光の中に立っているので
見るだけで希望を感じるオープニングです。

音がはじけると、その隊列は弾け 群舞が始まります
それぞれが透け感のある素材の衣装をまとっているので
彼女たちが回転する度に 舞台からまさにさわやかな風が
吹いてくるような感覚に陥ります。

セットはそれほど大きなモノではありません。
むしろ画面全体を覆っている 電飾が微妙に色を変えることで
雰囲気を変えています。
セットは 群舞の衣装を映えさせるような工夫が施されていると言えます。

音楽は 16小節ごとに微妙にテンポを変化させます。
その中で 娘役の一団・若い男役・組長を初めとする成熟した男役 など数グループが
それぞれのキャラクターを表すようなダンスを繰り広げます。

そして再び淡い色が全面に展開し、照明と電飾が音楽とともに一気に暗くなると
群衆が割れ、奥からスポットライトの中に
マゼンダの服を着た トップスター(真風涼帆)が登場します。

男役トップ4人がまとう マゼンダ→紫のグラデーションが、
ほかのパステルカラーの70人から、違和感なくしかし目立って見えるのは
これもディズニーランドに行けば分かりますが、「イッツ・ア・スモールワールド」などで
暗部を表現するために マゼンダが使われている事でも分かるように
このファンタジーの世界の 夜を表した色だからなのです。

マゼンダの男役たちが中央で舞い踊る間、電飾も暗めの緑や紺になっています。
それが曲調の高まりとともに 微妙に色を変え
やがて サビの最高潮の所で、一気に電飾が黄色に、照明は朝の雰囲気にかわります。
その瞬間 舞台上から まさに「シトラスの突風」が客席に向かって吹き付けるのです。

この数分間のオープニングの中に
照明・装置・衣装・音楽・振り付け・そして演出の技術の粋が込められています。
コレは是非 この機会に生で見ていただきたいです。
空間の空気を動かすためには、観客の目線や生理をこちらの意のままにしないと
起こりえない現象です。匠たちがどのようにそれを導いていったか・・・
宝塚歌劇のレビューの奥義が詰まった6分間と言えますね。
映像ではどうしても 舞台収録ディレクターの意思が入りますから
これこそ 是非劇場でご覧下さい

その後、トップ男役4人が銀橋(宝塚歌劇の花道)で 吉﨑憲治さん作曲の
宝塚らしい人生賛歌を歌い上げ、ファンたちを魅了します。
よく見ると 服に入った刺繍は 飾りの花模様。大人の男の洒落た粋を感じさせます。

第2幕は トローリーソング
元は1944年に公開されたMGM映画「若草の頃(Meet me in St Louis)」で
当時16歳だったジュディ・ガーランドが初恋の弾ける思いを、
路面電車の上で歌い踊る名シーンからインスパイアされたシーンです。

映画でまさに弾けるような魅力を出していた 若き天才ジュディに負けじと
今年わずか研4ながら 娘役トップの座に着いた星風まどかが、かわいらしい魅力を
振りまくダンスを披露します。

中西部セントルイス・1900年代初頭 アメリカがとてものどかで豊かだった時代の
お祭りの様子を 父が青春時代に見たであろう高揚感とともに描いていきます。

やがてお祭りに雨が降り、娘はある紳士と雨宿りします
そこで恋に落ち 二人だけのダンスが始まります。ここの照明やシチュエーションなど
「LA・LA・LAND」を思い浮かべた方も多いでしょう。
それもそのはず、かの映画も、この場面もともにフレッド・アステアの名シーンから
インスパイアされてるのです。
(パンフレットに役名も フレッドとあります)
MGMが作ったミュージカル映画の最も良いところを作り上げた
素晴らしいシーンと言えます

実は、ジュディ・ガーランドとフレッド・アステアは後に映画「イースターパレード」などで共演します。
が!その頃はもうジュディ・ガーランドはあの頃の可憐な少女ではなく、
「私の方がスターなんだ!」とアステアに挑みかかるように
演じていて、さらにアステアとジュディー・ガーランドはちょっと歳も離れているので
映画の中では ロマンチックな感じにはなりませんでした。
(「Couple of swells」というコミカルな名シーンはあるんですが・・・)
だから 父は映画ファンとして 理想のシーンを今回作り上げたのでしょう。

第3幕は ソウル・スピリット
暗い夜の街角に 8つの箱だけが置かれていて
そこに かつてのダンスの名手 ミスター・ボージャングルが酒浸りで倒れています。
その前で ひとりの青年が 彼の思い出を歌い上げると
ミスター・ボージャングルが闇の中から 踊り始めるのです・・・

この短くも印象的なシーン 振り付けはやはり炎の巨匠 謝珠栄さんでした。
父のコメントによると「4分しかないシーンだったが、謝さんから強烈に売り込みがあった
シーンだ」と言っていましたが確かに素晴らしくも哀愁のあるシーンに仕上がっています。

この 酒浸りのミスター・ボージャングルを演じているのが
宙組の組長(最年長者)寿つかささん。彼女は初演の「シトラスの風」に出演しており
その当時は男役の5番手ぐらいで ダンスの名手として知られていました。
リアルな思い出を上手く使った名シーンでした。

装置も 少しずつ大きさの違う箱だけで表現されていますが
それが 光ることで都会の街角をミニマムに表現した 素晴らしい装置だと思いました。

第4幕は アマポーラ
まず ひとりの青年が名曲「アマポーラ」を銀橋で歌い上げます。
古いロマンチック・レビューファンの方は覚えていおいでかも知れませんが
「ラ・ノスタルジー」で明日香都さんが独唱したのがこの「アマポーラ」
当時もおなじように 頭に頭巾を着けて歌っていました

独唱が終わると幕が開き 群舞となります
それぞれ 男性も女性も頭に頭巾をつけた スペイン風の衣装を身にまとっているのは
「アマポーラ」がもともとスペインの曲だという事から来ているのかも知れません

宝塚歌劇には欠かせないラテン要素たっぷりの 中詰め
ロマンチック・レビューファンなら「ナルシス・ノワール」での
日向薫VS紫苑ゆうという 2大スターのマタドールのシーンなどを思い浮かべる
方も多いのではないでしょうか?

つづいて第5幕は ノスタルジア
まず暗転とともに 「シチリアでの出会い」を表すモノローグがかかります。
明転するとそこは 19世紀の貴族の舞踏会。
父曰く「ルキノ・ヴィスコンティの「山猫」「夏の嵐」などを多い浮かべた」という
このシーンは ロマンチック・レビューではお馴染みの
三角関係をバレエで表現するブロックです。

歌手マチルドに扮する星風まどかが、自分のパトロンであり情夫(いろ)である
芹香斗亜(男役二番手)に、雑な扱いを受けて傷ついています。
その心模様を表すために 歌い始めます。
歌はプッチーニ「ジャンニ・スキッキ」より『お父様お願い』
特に日本では非常に有名なオペラの歌曲です。
(もともと超有名曲ですが
 日本では大林宣彦監督の『異人達との夏』で一躍有名になりました)
実は歌の内容が 父に恋人との結婚を願い出る明るい曲なのですが
それが、恋人の冷えた関係の中で歌わざるをえない 皮肉な状況が描かれます。

そこへ、奥から真風涼帆扮する青年将校が現われ、二人は恋に落ちます
しかしそれは報われぬ恋。やがて二人の男の中で揺れる女心がダンスで表現され
最後に、その恋は報われぬまま、自分の恋の証として手袋を将校に渡すのです。

このシーンの振り付けは羽山先生。喜多先生亡き後宝塚の男役の美しさを
守ってきた門番のような方です。初演時の姿月あさとさんの凜々しい将校姿が
思い出される名シーンですが、今回の若い3人もしっかりと演じきっていました。

ただ、そのあと、本当は一人で将校が踊るくだりがあるはずのシーンだそうですが
今回は時間の関係で そこがカットされて、唐突な暗転の中
モノローグで「私はこのシチリアの夜を忘れない」とあって、
すぐ次のロケットダンスに
行ってしまったので、レビュー特性のある人は良いのですが、多分レビューを初めて
見た方は まだお話がつづいていると思ったでしょう。
ここは最後のモノローグを切った方が良かったかも知れませんね。
オーケストラヒットは付いていたので「何かが終わった」感がそれでも分かりますから。

そして次がロケットダンス
若い団員たちが弾けるように踊ります。
宝塚のロケットダンスは基本 若手は男役も女役も一緒になって踊るのですが
研5ぐらいになると 普段は「男っぽくあれ」と相当意識している人たちなので
足をあれほど見せるのは抵抗があるようで、ベテランになればなるほど恥じらうという
本場パリのクレージーホースとかとは逆転した感じが
初々しくて宝塚らしいですよね。

このロケットダンスの数分間の間に 目にもとまらぬ早変わりを見せ
真風涼帆は次のシーンにも登場します

第7幕は 明日へのエナジー
まず大黒バックで、黒いコートを着た男たちが 歌い上げます
やがてその背景の大黒が割れ、十字架の電飾が現われると同時に曲調が
ゴスペルに変わります。
電飾の表れと同時に 奥では白い聖歌隊の格好としたコーラス隊が現われ
手前の黒いコートの男たちは 胸をはだけると
紫やオレンジと言った ショッキングな色がコートの裏地に付いています。

そのまま 神からの光を表す 白く青めの逆行の中で
ゴスペルを歌い上げ、激しく踊ります。
ここは まさに「よ!謝珠栄!!」とかけ声をかけたくなる 謝先生の独壇場!
ケレン味たっぷりのシーンは、最高の盛り上がりの中 終わります。

このシーンは 曲調も同じフレーズのリフに、どんどん楽器が重なっていく
いわゆる『ボレロ方式』を使っていて、独唱からドンドン厚みが出てくるような設計に
なっています。
そのなかで、照明、装置、衣装などがタッグを組んで 音の同じタイミングで
ドンドン空間の厚みを増す、これも宝塚ならではの演出と言えます。
こう言うシーンは なんとなく 今や演出家となった私からすると
その指示書の雰囲気が分かるような気もします。でもテレビの世界では
厚みもショボいモノしか加えられないんですよねぇ・・・。本当にうらやましいです。

そして結構ほかのミュージカルと違うところは
ほかのミュージカルは 音の同じタイミングで
舞台のあちこちで同時多発的にいろんな事が起こるように 目線を散らしたくなるのです。
その方が空間に広がりが出ますからね。

でも宝塚の特にレビューの場合 スターがひとりでそこに目線を集中させるので
ドンドン厚みを増す演出でも 目線は最終的にスターひとりに注がれるように作ります。
だからこそ出る あの爆発力と空間の厚みなのです。

二番手スター の幕前での独唱をはさみ
第8幕の 幕が上がると
画面中央には 黒いコロナの太陽が浮かび上がります。
こここそ「SUNRISE」と副題が付いた 今回の新シーンです。

黒い皆既日食の前で 白い燕尾服をまとった男たちが踊る姿は
まさに男役の美しさが最大限に表現されたシーンです

そしてエンディングへ・・・・

まさにお腹いっぱいの55分間でした。
レビューを、そして宝塚の技術を堪能しました。

Twitterなどを拝見しても
おおむね好評でとてもありがたい限りです。

私は、この舞台を見た後
日比谷の駅で 不意に涙があふれて止まらなくなってしまいました。
宝塚歌劇団は 20代から60代まで 40人近い演出家さんを抱えた大所帯です。
そういう若い人たちがいらっしゃるのに、わざわざ今回77歳になる父に声をかけて下さったのは
やはり、ずっと父を支えて下さってきたスタッフの方々、生徒の方々はもちろん
会社の中の方々も含めて いろんな方々が
「岡田敬二にもう1本担当させてやろう」と思って下さったおかげです。
そしてそれをファンの方々も受け入れて下さっている。こんなに幸せなことはありません。

演出というのはひとりでは出来ません。
多くの出会いの中で 作品はできあがってきます。
特に今回ほど 今まで父に寄せていただいた出会いと、皆様のご厚意をありがたいと
思った事はありません。
『ロマンチック・レビューの区切りの20作目を岡田敬二に作らせてやろう』と
手をさしのべて下さった全ての方に ホントにお礼が言いたいです。
ありがとうございました。































 



by AWAchampion | 2018-05-20 13:56 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

Rの法則 放送終了

私が昨年2本撮らせていただいて、近々もう1本撮る予定だった
NHK-Eテレの「Rの法則」が打ち切りになるそうです。

まあ状況的に仕方が無いと思います。
私がプロデューサーさんでも、なかなかこれからMCを変えて放送を
再開というのは考えられないだろうなぁと思います。

ただ、もともとNHKがとても大事にしてきた番組だけに
残念な気持ちで一杯ですし、まさに一瞬ではありますが
関わらせていただいた事に感謝したいです。

私がお会いした高校生R'sの皆さんは、それぞれ向上心にあふれた
気持ちの良い若者たちでした。
番組がこう言う形で終わっても、是非頑張って自分たちの夢を
かなえて欲しいと思います。

ちなみに・・・話題の山口メンバーとは
わたしは残念ながら殆どお会いしていません。
「Rの法則×西野カナ」の2本撮りの時、ライブがあったりした関係で時間が無く、
私が技術チームやR’sと打ち合わせをして、MCである山口さんとは
プロデューサーさんが打ち合わせをするという分業だったので
番組の主旨をお話しする機会にもお会いできませんでした。
(またジャニーズ事務所のタレントの皆さんは、とにかく
 ギリギリに現場にいらっしゃるのです)





by AWAchampion | 2018-05-07 19:20 | テレビ | Trackback | Comments(0)

今年のアカデミー賞に輝いた
「シェイプ オブ ウォーター」をようやく見ました。

この作品は「パシフィック・リム」でお馴染み
オタク監督としてその名をはせる メキシコ出身の
ギレルモ・デル・トロ監督の最新作で
一言で言えば 半魚人と聾唖の女性との恋物語です

かなり話題になっていた作品なので楽しみに見に行きました。

舞台設定はアメリカが最も健全だった・・・とされる1960年代初頭。
米ソが宇宙開発にしのぎを削っていた時代。
アメリカは密かに南米からある生き物を手にいれていた・・・それが
現地では神とあがめられる半魚人だった

その研究所で清掃婦を努めるイライザは 幼いときに負った傷で
声を失っていた。
彼女の友達は 当時まだ公民権運動前で差別されていた黒人のゼルダと
当時まだ認められていなかったゲイのジャイルスの二人だけ。
手話で会話をしていた

ひょんな事からその半魚人の姿を見てしまったイライザは
手話で意思を通じ合わせることに成功
やがて二人は 心のつながりを感じていくのであった。

しかしソ連はその半魚人の存在に気がつき 抹殺しようとする
そこでイライザは思いきった行動に出る・・・と言う話です


ストーリーとしては 本当に良く出来ていると思いました
「アメリカの健全な時代」と思われているのが 実は欺瞞と偽善に満ちた
社会で、特にゲイ・障碍者・黒人と言ったマイノリティはそこで虐げられていた。

でも彼らには彼らの愛があり、それは見た目なんかじゃない。心なのだ
という事が、いろんなレイヤーに渡って丁寧に描かれます。

この時代を選んでいる、そのことがまず非常に成功しているとおもいました
更に映像表現も 丁寧にラブストーリーを紡ぎます

映画そのものの質はとても高いとおもいます
更に 主演のサリー・ホーキンズの名演も光りました


んですが・・・・
やっぱりねぇ・・・半魚人ですからねぇ
こちらが付いていけない所は やっぱりありますよ

まあ私は良い映画だと思いつつも どうしても笑っちゃいました

また主演のサリー・ホーキンズはすばらしいんですけど
見た目が ロッキーのエイドリアンそっくり!ホントビックリするぐらいそっくり!
エイドリアンってペットショップの人でしょ?
いやぁ・・・そりゃ笑うよ!
あのロッキーと会ったときに ロッキーが飼ってたカメがデカくなったのか!と
思いながら見ちゃいました。マジごめんなさい




by AWAchampion | 2018-05-05 03:10 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

新文芸座の高畑勲監督・追悼特集で
「パンダコパンダ」と「パンダコパンダ 雨ふりサーカス」は既に見たことがあった
のですが
「太陽の王子 ホルスの大冒険」は初めて見ました。
これは高畑勲監督が初監督作品で、脚本が宮崎駿さん
この二人のレジェンドの初めての作品だったのです

1968年 東映公開の90分の大作ですが
私はアニメーションに疎いので 実は全然この作品のことを知りませんでした。
で、見てみたのですが・・・・

いや驚きました。
「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」級の大傑作でした。
ナウシカのような映画が 昭和43年の日本で公開されていたというのが
まず驚きでしたね。

物語はアイヌ神話が元になっています
ある北の土地で 力を合わせて生きる人間たちのもとに
冬の悪魔が襲いかかります。
ホルスと仲間たちは 力を合わせてその悪魔と戦うのですが
その前に 謎の少女があらわれて・・・・という作品です

こういう自然との共生、共同作業の重要性みたいな事を
アニメーションで訴えかける、後のジブリの仕事は
実は50年も前にスタートしていたのだというのが 衝撃でした。

それに1968年の東映ですよ?
確かに東映まんがまつりの東映ですけど、当時の東映は 
【網走番外地】とか【緋牡丹お竜】とか【不良番長】の
時代ですよ
そこで、こんな作品が受けたのか?と思ったら
やはり当時 記録的な不入りだったそうですね。
そりゃそうだろうなぁ・・・と変に納得しました。



by AWAchampion | 2018-05-05 02:50 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

GW中は映画館は特別編成のことも多いです
で、都内の名画座の雄 新文芸座では 高畑勲監督・追悼特集がやっていました

【パンダコパンダ】
【パンダコパンダ 雨降りサーカスの巻】
【太陽の王子 ホルスの大冒険】の3本立てでした

この中で【パンダコパンダ 雨降りサーカスの巻】には個人的に
強い思い出があります

私が母親に連れられて初めて映画館に行ったのは
1974年のこと。私が3歳の時でした

母が息子にはじめに見せようと選んだ作品は実は
杉井ジュサブローさん監督の「ジャックと豆の木」でした
これは若き市村正親さんが声を当てていた
【日本初のミュージカルアニメ】との触れ込みで、まあ母が(そして父が)
息子に見せる初めての映画に選んだ理由はよく分かります

しかし、その日 大阪の梅田にあったOS劇場?は非常に混んでいました。
また、この作品は今見ると分かるのですが、志が高すぎて3歳の子供には
理解できなかったのです。そこで私はぐずり、母は慌てて私を抱いて
外へ連れ出しました。

で、ぐずりが少し治まった後、同時上映だった短編映画を見たのです。
その短編映画を私はとても気に入り、母に「あのパンダの映画大好き」と
言ったところ、そして母が苦笑していたところをはっきり覚えています。

その映画は 【パンダの親子が出てくる物語】で【長い雨が降るシーンがあり】
【パンダがオレンジの画面で歩くシーンがあった】のでした。

その映画を私は長い間 特定できずにいました。
また1974年はランラン・カンカンのブームでパンダ映画が結構あったのです。

で、今から5年ほど前に ようやく見たのが
「パンダコパンダ」でした。
この作品は スタジオジブリの高畑勲監督と宮崎駿監督がタッグを組んだ
後年の「となりのトトロ」の原型のような作品で、知る人ぞ知る作品でした。
私も「これじゃないかな?」と思って見たのですが、残念ながら「パンダコパンダ」には
【パンダがオレンジの画面で歩くシーン】【パンダの親子が出てくる】のですが
雨のシーンがありません。

で、つづいて見たのが続編「パンダコパンダ 雨降りサーカスの巻」でした。
これを見た瞬間、私の中の全てのパーツがハマる音が頭の中でしました。
その時のシートの色、ぐずって困らした母の顔、熱気で気分が悪くなった場内の湿度、
スクリーンの角度 全てがフラッシュバックしたのです

いやぁ 素晴らしい体験でした

その時はひたすら そのフラッシュバックによる多幸感に身体をゆだねていましたが
今回はゆっくり ちゃんと見ました。
良い作品ですよ。改めて私が自分でこの作品を「人生で初めて見る映画」に
選んだのだなぁ・・・という偶然に感謝するとともに
当時30そこそこだった母は 意外に映画のセンスが良かったのだなぁと
感心、感謝しました。







by AWAchampion | 2018-05-05 02:35 | 映画・演劇など | Trackback | Comments(0)

一力遼 20歳の苦悩

先日放送された 情熱大陸#1000記念
20歳の4人特集 最後を飾った 囲碁棋士 一力遼八段の特集を見ました

一力遼八段と言えば 仙台の大新聞社 河北新報 一力家の御曹司として生まれ
5歳で囲碁を始めてめきめきと上達
13歳でプロ入りした瞬間から「未来の日本囲碁を背負って立つ男」と呼ばれた
まさに俊英です。

その後もトントン拍子に出世
私がインタビューをしたときには15歳で、三段でしたが
すでに女流絶対王者の謝依旻六段でも歯が立たないほど強く
中国や韓国の棋士からもマークされる 日本囲碁界の麒麟児・・・というイメージでした

しかし 番組で放送されたのは
現在 囲碁のメインタイトル 7つを囲碁界で初めて全て保持し
国民栄誉賞を受賞。さらにここ1年以上タイトル戦負け無しの 井山裕太七冠に
全く歯が立たず完敗。
その後もどのタイトル戦でも勝利を挙げられず 涙する一力八段の姿でした。

囲碁を知るものとしては、もの凄く衝撃的なシーンでしたが
9割以上の視聴者は 一力八段を初めて見たことでしょう。
そう考えると、藤井六段のような立ち位置にいる 一力八段のこんな姿は
ちょっと悲しすぎる結果でもありました。

是非立ち直って 日本囲碁界の本当のエースになって欲しいです。

また、テレビマンの立場から言うと、今回のこの番組は
4月の最終週に流すと あらかじめ決まっていて取材をしているわけですが
取材を始めてから 彼が勝つところを一つも撮れないと言う中で
ディレクターさんは大変だったろうなぁ・・・と思いました。
東北新社の方のようですが
(ちなみに私は グランドチャンピオン戦の取材で一緒になりました)
まあ普通囲碁界をちょっと知っていれば 一力遼がそう何ヶ月も重要な対局で
勝てないなんて思わないですからね・・・






by AWAchampion | 2018-05-01 22:45 | 囲碁界解説 | Trackback | Comments(0)